安倍さんが今になって「女性活躍」とかけ声あげても、それが嘘くさく響くのは、15年前に安倍さんやそのお友達が、子どもたちから体や性について知る権利を奪い、フェミニズムをさんざん中傷してきたからだ。
結局、そういう教育の不足、間違った男女平等意識のツケは、10年後、20年後にじわじわとシラミのようにわいてくる。15年前の中学生は今、30代にさしかかろうとしているが、あのとき「思春期のためのラブ&ボディBOOK」が回収されなかったら……という、もう一つの失われた可能性を思わずにいられない。毎年のように10代がトイレで出産したり、嬰児を殺し逮捕されたりする21世紀日本ではなかったかもしれない。10代で出産し学校を辞めた女性がキャバクラの経営側の男に殺されたのは今年の夏だが、女に向けられる暴力を、この社会は本気で止めようとしているだろうか。
情報が足りない。男女平等が足りない。っていうか、毛ジラミ一つも、安倍さんとのつながりを感じるなんて、私もそうとう、追い詰められているのかも。安倍政権、ほんと、終わってくれ。
※週刊朝日 2017年9月29日号