「京男トップ10」で4位に選ばれた徳井義実 (c)朝日新聞社
「京男トップ10」で4位に選ばれた徳井義実 (c)朝日新聞社
「京男トップ10」でみごと1位に輝いた佐々木蔵之介 (c)朝日新聞社
「京男トップ10」でみごと1位に輝いた佐々木蔵之介 (c)朝日新聞社

 京都の男性、いわゆる「京男」には独特の色気があるという。作家・花房観音さんによる京男の魅力の考察と、「京男トップ10」を紹介する。

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色気は「欠損」が醸すという。完璧を欠いた容姿、渇望、揺らぎ、焦り、弱さ。その穴に吸い寄せられるものが、恋に堕ちる。だが、例外がある。それが、「京男」だ。

 男の色気とは欠損だと思っている。目に見えない、欠けているもの、それが女を惹きつけるのだと。

 母に飢えた子どものようであったり、痛々しい孤独を漂わせていたり、心の傷口をさらけ出していたりすると、女は男の欠如の穴に吸い込まれ、それを埋めようと深みにはまってしまう。

 色気というのは単純なものではない。特に、男の色気はそうだ。均整のとれた鍛え上げられた身体を、裸になって「どうだ!」と見せられて、「すごいですね」とは口にしても、色気とは直接つながらない。

「俺は女をたくさん知ってるんだぜ」と言わんばかりの、ホストっぽいイケメンが目の前にいても、全ての女が惹きつけられることもない。その露骨な自己主張の自信を敬遠する女は少なくない。 

 だいたい、イケメンじゃなくても、貧乏でも、バカでも、モテる男はモテる。何故、モテるかといえば、欠損を見せ、そこに惹きつけられる女の懐に飛び込むのが上手いからだ。

 色気は意識的であれ、無意識であれ、セックスとつながっている。多少セックスの経験がある人間ならば、容姿の良さ=セックスの良さではないことぐらいわかるはずだ。セックスしたい欲を刺激するのは、そこではないことも。セックスは、他人をわかろうとする行為なので、やはり「知りたい」と思わせる正体不明さは必要なのだ。

 完璧なものには、人は惹きつけられない。感心はするが、関心は持たない。それは男でも女でもそうだ。そこには自分自身の入り込む隙はないもの。

 ただ、例外はある。それが「京男」だ。

 京都で生まれ育った京男。

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