ウィズコロナ時代となり、これまで逆風に耐えてきたドキュメンタリー番組が新たなステージに向かい始めたのかもしれない。ただし、それには心配な一面もあると鎮目氏は指摘する。

「コロナ対策はどれも現場から遠ざかることに通じています。しかし、取材では現場にいること自体が大切なこともある。想定外のことが発生し、その結果、想定以上のことが生まれることはよくあります。しかし、リモート取材など便利になったことで、ドキュメンタリーとして浅いものになってしまわないかという怖さはある」

 コロナ禍を経て生まれるのが、さらに良質なドキュメンタリーであってほしいものだ。(本誌・鈴木裕也)

(週刊朝日2022年2月18日号より)
(週刊朝日2022年2月18日号より)

週刊朝日  2022年2月18日号

※「元民放幹部」のコメントにあった「『情熱大陸』もアニメ『鬼滅の刃』に押され、最近は2%いかないこともある」「『情熱大陸』がメジャー路線に変わってきたのも、一般人を取り上げるより短時間の密着で取れ高が期待できる大物相手のほうが安心というわけです」の部分は、内容が不正確だったため削除しました。「2%いかないこともある」は、関東地区など一部の地区での個人視聴率についてテレビ局の関係者に聴いたもので、視聴率を調査する会社に確認したものではありませんでした。また、「『情熱大陸』がメジャー路線に変わってきた」について、番組を制作している毎日放送の広報部は「『有名無名を問わず今、注目の人物を取りあげる』という番組のコンセプトはいささかも揺るいでいません」と説明しています。事実関係の確認が不十分でした。番組関係者、読者のみなさまにおわびします。(2022/03/11)