多様化する社会に対応すべく高校生のキャリア教育に注目が集まる昨今。去る2024年3月2日、「AERAサポーター高校」に参加する教諭約20人が集まり、進路指導・キャリア教育を考えるネットワーキングイベントが朝日新聞東京本社読者ホールで開催された。

※高校生が社会で自立できる力の育成という共通の目標を持ち、AERAとともにさまざまな企画に取り組む高校。2024年度で3期目に突入し、現在は全国から約70校が加盟中。

倉部史記氏が語る未来を見据えたキャリアづくり

 本イベントは、「AERAサポーター高校」が2022年度に発足して以来、初の対面イベントであり、「進路指導・キャリア教育の情報発信、および高校教諭のみなさまとの懇親」を目的に企画されたもの。3部構成の第1部は、大学の教壇に立ち、高校生の進路支援にも取り組む倉部史記氏による講演「15年後の社会を見据えた『進路づくり』」が実施された。

倉部史記さん/高大共創コーディネーター、追手門学院大学客員教授、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

 会場から大きな拍手で迎えられた倉部氏は、15年後の社会の変化や、子どものキャリア志向への親世代の影響などを挙げながら、高校のキャリアづくりにおいて「進路選び」でなく「進路づくり」を目指すことの重要性に言及。先生方は、ノートやパソコンでメモをとりつつ耳を傾けていた。

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 講演の内容について、先生方からは「経済力や人口が下り坂になってきたなか、どんな人材育成が必要とされているのか、改めて考える機会になった」「現在は企業の方にアドバイスをもらって指導をしているが、倉部さんの講演は生徒への伝え方など参考になる部分が多かった」など、今後のキャリア教育に向けて刺激やヒントを得たという感想が集まった。

探究授業を実践する3校によるパネルディスカッション

 第2部では、引き続き倉部氏が登壇してモデレーターを務め、「AERAサポーター高校」に参加する進路指導担当者3人によるパネルディスカッションを実施。各学校の特徴を生かした多様な取り組みが発表された。

奈良女子大学附属中等教育学校における教育の仕組みについて話す二田貴広先生

悩みや問題点などを共有できた懇親会

 第3部では、イベントの目的の一つである先生方の交流を目的とした懇親会が開催された。会場には軽食やドリンクが用意され、なごやかな雰囲気のなかで参加者同士の交流が持たれ、特に登壇した倉部氏や、3校の先生方の周りには常に数人の輪ができ、おのおのの取り組みについて熱心に語り合う姿も見られた。

会場のいたるところで、真剣な議論や談笑、名刺交換等が行われていた

 イベントを振り返った先生の感想には、「私の学校でもパネルディスカッションで紹介されたような指導を実施する予定。詳しい話が聞けて頑張ろうという気持ちになった」という前向きな声や、「正解が見えないものを探す探究の学びというのは、大学入試にもつながると改めて実感。今回は各校の素晴らしい取り組みを教えていただいたが、うまくいかないことも多いと思うので、失敗をどう乗り越えたのかを共有してもらえたらうれしい」と今後に期待を寄せる声も。

 時間が経つにつれて会場の緊張もほぐれ、会場全体がにぎやかなムードに包まれるなか、予定していた懇親会の60分はあっという間に経過。「AERAサポーター高校」初開催のネットワーキングイベントは、盛況のうちに閉会を迎えた。第3期となる2024年度以降の活動にも、様々な可能性を感じさせる催しとなった。

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