まずやるべきは、個人型の確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」。私的年金の一つで、自分で運用する金融商品を選ぶ。掛け金は所得控除されるため、税制上のメリットが大きい。

 その次には、運用益が非課税となる少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」。今どき預金しても金利はほとんどつかない。投資信託などで運用し、老後資金を増やしていきたい。

 公的年金の受給額を増やす方法もある。国民年金の加入期間が満額もらえる40年に達していなければ、60歳以降でも「任意加入」できる。月額400円の「付加保険料」を納めることで、年金額を上乗せする制度もある。

「任意加入して加入期間を延ばすと1年あたり支給額は約2万円増えます。付加保険料を1年払い続けると支給額は年2400円(1カ月あたり200円)増えます。増加分は生涯にわたって受け取れるので、利点は大きい」(社会保険労務士・北村庄吾氏)

 生活費を節約する方法もある。生命保険料や携帯電話代、光熱費など削れる支出はたくさんあるはずだ。

 年金大削減時代にあきらめずに何ができるか。今日から考えてみよう。(本誌・池田正史)

週刊朝日  2019年6月14日号より抜粋

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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