
テレビでは目がうつろ…「カジサック」元祖芸人YouTuberが順風満帆とは言えないワケ
「キングコング」の梶原雄太(写真:Pasya/アフロ)
6月27日放送の「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の「激動の同期芸人」企画で、お笑いコンビ「キングコング」が久々に地上波に登場した。2人とも現在は活動の場をテレビ以外に置いているが、なかでも梶原雄太(43)の“やる気のなさ”が物議を醸したようだ。
「番組を見た視聴者からは、『死んだ魚の目になってた』『YouTubeを逃げ道にしないで』など、覇気のない梶原に対する失望の声がSNSに多く寄せられていました。本人も『軸足はYouTube』と言ってはばからないように、今はYouTubeが本業という意識なのでしょう。番組では、梶原に対しウーマンラッシュアワーの村本大輔が『テレビはあくまでYouTubeに集客するための宣伝』と突っ込んでいましたが、まさに言い得て妙だと思います」(週刊誌の芸能担当記者)
さらに梶原は「アメトーーク!」放送後に公開された、コンビのYouTubeチャンネルでは「(今の自分には)ハングリー精神がない」「(テレビで頑張る)モチベーションがない」と吐露した。西野も「テレビとYouTubeの架け橋になるって言ってはりましたけど、もうテレビ側の橋げたが崩れてもうた」と厳しい一言。ファンも「“言い訳芸”とか言ってるけどプロ精神がないだけ」「要するに腕がないってことだよね」「プライドの高さを見せられてるようで笑えん」「(テレビが)自分のフィールドじゃないから頑張らないってどうなの?」と、梶原の「アメトーーク!」出演時の姿を批判するコメントが多く寄せられた。
梶原雄太(写真:Pasya/アフロ)
「YouTube御殿」を建設中
活動の場をYouTubeに移して久しい梶原。チャンネル登録者数は245万人にまで成長させたが、もう地上波には出ないということなのか。
「今ではそれぞれのフィールドで活躍しているキングコングですが、芸歴2年あまりでM-1ファイナリストに進出するなど、華々しい経歴を持つ“エリート芸人”です。しかし、実力不足を自覚していた梶原は徐々に追い詰められ、2003年についに失踪騒動を起こし、休養生活に突入しました。本気で引退を考えるほどの精神状態だったといいます。数カ月間の休養を経て復帰、多くの冠番組を持つ人気芸人として活躍を見せる一方で、相方の西野は06年に“ひな壇に出ない”宣言をし、絵本作家や実業家として活動するようになりました。そして、12年に同世代の芸人たちと出演していたバラエティー『はねるのトびら』が終了、一気にテレビへの露出が減少していったのです。自身もインタビューで、ひな壇で爪痕を残せず、需要がなくなっていったと認めていました」(同)
梶原に転機が訪れたのは17年。あるイベントで人気YouTuberと共演した際、観客の反応を目の当たりにして、本格的に芸人とYouTuberの“二刀流”を目指すことを決意し、18年にYouTuber・カジサックとしてデビューした。1年以内に登録者数100万達成できなかったら芸人引退と宣言し、背水の陣で挑んだのが功を奏したのか、1年を待たずに100万を達成。「芸人YouTuber」の先駆けとなった。
「旬の芸人やYouTuber、業界人など豪華なゲストを迎えたコラボ動画と、ヨメサック(梶原の妻)と5人の子どもたちを前面に出したコンテンツを軸にして、人気チャンネルへと上り詰めました。週刊誌などでは“YouTubeでの収入は億超え”と報じられました。最近では、ついに一軒家を建てるべく土地を購入したと発表。子どもが増えて手狭になったと理由を述べていましたが、自宅に配信スタジオなどを作るのでしょう。辻希美が建てた3億円ともいわれる豪邸は、3階建てでダンススタジオや衣装部屋、撮影部屋などを備えたガチガチのYouTuber仕様でした。カジサックも豪邸建設を機に、これまで以上にYouTubeに注力していくのではないでしょうか」(民放バラエティー制作スタッフ)
梶原雄太(写真:Pasya/アフロ)
後輩芸人からもバカにされ…
こうしたなか、気になる動きもある。先日、YouTuber転身に当たって全面的にバックアップした吉本興業に対しても不満を述べたことが話題となったのだ。今年5月、本人同士で了解した芸人コラボ動画に対し事務所がNGを突き付けたと怒りのままにXにポスト。「なんで俺はこの会社にいるんだ?? なんじゃこれ」とつづった。吉本とは“和解済み”として「会社辞めたいから言ったわけじゃなくて」とも書いていたが、こうした事態が重なると、退所となる可能性もありそうだ。
「先日、週刊誌の『つまらないと思う芸人YouTuber』アンケートで、カジサックは4位にランクインしていました。また、この前の『FNS27時間テレビ』ではチョコレートプラネットの松尾が『キングコングで面白いと思った事1度もない』と発言し、他の芸人も『アイツが笑ってるとぶん殴りたくなる』と追随するなど、後輩芸人たちから堂々とバカにされてイジられる存在になっていました。ここにカジサックの“かげり”を見た視聴者も少なかったはず。YouTue界でもお笑い界でも、世代交代は確実に進んでいます。YouTuber芸人としてこのままずっとトップを走り続けるのは難しいでしょう。テレビ軽視の姿勢を貫くのもいいですが、いざというときに戻れる環境をつくっておくべきだと思いますね」(同)
「プライドが高すぎる」という声も
芸能ジャーナリストの平田昇二氏は、梶原についてこう述べる。
「梶原さんは芸人YouTuberの勝ち組として知られていますが、大成功を収めたことで、かえってファン以外からもより注目される存在になり、何げない発言でも『調子に乗っている』『プライドが高すぎる』などの印象も与えているのかもしれません。所属事務所に対して最近、不満を吐露した件に関しても、本人にも言い分はあるんでしょうけど、『一般企業で担当者がOKと言っても、会社の方針でNGにされるなんてよくあること』『だったら辞めればいいのに』といった否定的な意見がSNS上では散見されました。テレビがまだ元気だった時代に若くして頭角を現し、最前線で活躍していた梶原さんにとって、今のテレビにあまり魅力を感じないのかもしれません。しかし、テレビに逆風が吹きつつある今だからこそ、テレビでの活躍がYouTubeの活動においてもプラスに働くこともあるのはないでしょうか」
梶原はテレビから完全に消えてしまうのか……。行く末を見守りたい。
(雛里美和)