子どもに大人気の「マインクラフト」は、今、小中高校や塾の授業、さらには東大やJAXAなど最先端の教育現場でも活用されはじめています。その最前線で活躍しているのが、「マイクラおじさん」の愛称で親しまれるプロマインクラフター・タツナミシュウイチさんです。タツナミさんにマイクラが最先端の教育現場でどのように活用されているかを聞きました。

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先進的だった立命館小学校のマイクラ授業

――小学生に大人気のマイクラですが、学校の授業で活用されているケースもあるのでしょうか?

 立命館小学校の正頭英和先生は、2017年というかなり早い段階から英語の授業でマイクラフトを使いはじめました。まだマイクラ対する理解が今ほど広がっていなかった時期なので、すごく勇気があるなと思いました。日本人は、今までのやり方を変えることを異常に怖がりますから。

――どんな授業を展開されたのでしょうか?

 子どもたちに、どうしたらマイクラを英語の授業に取り入れられるかを考えてもらい、そこで出てきたアイデアが「海外の子どもたちに、京都を知ってもらう」というものでした。子どもたちはグループに分かれて意見交換をしながら、マイクラで金閣寺などの名所仏跡を建築したそうです。英語の授業なので、グループ内での会話は英語のみ。子どもたちはそこで「これを英語でなんと言うのか知りたい」「どうやったら表現できるかを知りたい」となり、自然と英語のコミュニケーションを覚えていったといいます。

 このマイクラを活用した課題解決型授業が評価され、正頭先生は2019年、世界約150カ国の中から「グローバル・ティーチャー賞」トップ10にも選ばれたそうです。

東大ではマイクラを平和教育に活用

――タツナミさんは東京大学でマイクラを活用されているそうですね。この研究授業を受け持つことになったきっかけは何ですか?

 私が大学でマイクラを使った研究をはじめたのは、明治大学や慶應義塾大学の研究所が最初でした。その後、常葉大学造形学部でマイクラを使った授業を担当することになり、学会でもマイクラの教育的価値について発表しました。

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樺山美夏
樺山美夏

リクルート入社後、『ダ・ヴィンチ』編集部を経てフリーランスのライター・エディターとして独立。主に、ライフスタイル、ビジネス、教育、カルチャーの分野でインタビュー記事や書籍のライティングを手がける。

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