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マエケン不在の広島 東尾修が「もうひと踏ん張りしてほしい」という選手は?
東尾修 東尾修
マエケン不在の広島 東尾修が「もうひと踏ん張りしてほしい」という選手は?
 前田健太のメジャー挑戦が表明され、エース不在の危機にある広島カープ。西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、若手選手に期待を寄せる。 *  *  *  広島の前田健太が米大リーグ移籍の意向を球団に伝えた。以前から希望しており、ここ数年はエースとして中5日前後の短い間隔でも投げ続けてきた。貢献度などを考えれば、球団はポスティングシステムによる移籍を容認するしかないのではないか。  楽天からヤンキースに移籍した田中将大のように、年俸総額100億円を超すような契約になるかどうかはわからないが、破格の契約となるのは間違いない。球威では田中やダルビッシュに及ばないかもしれないが、調整能力や制球力といった点では引けをとらない。あとは中4日、5日の登板で、どれだけパワーをためながら年間ローテーションを回れるか、だ。  ダルビッシュがトミー・ジョン手術(靱帯の修復手術)を受けるなど、近年、大リーグの日本人投手には故障が目立つ。それだけに、もし米球界で投げるなら「日本人投手の強さ」を見せてもらいたい。  広島では、黒田博樹の動向も気になる。来年2月に41歳。本人は「心技体の心の部分が大事。体を動かすのも気持ち。今年のモチベーションが高かっただけに、それを超えるものを探すのが難しい」とメディアに話している。  とはいえ、日米通算200勝まであと7勝だ。名球会入りも含め、ぜひ頑張ってほしい。日米で修羅場をくぐり抜け、成功を収めてきただけに、勝ち星など数字的なこだわりはないだろう。自分の目標、気持ちをどこに定めるか、その見極めは難しいかもしれない。   前田、黒田という二枚看板が抜けると、広島の痛手は大きい。エースという存在は、すぐに出てくるわけではない。エースに求められるのは、勝利数とともに、負け数の少なさだ。どんな試合でも、チームに勝利の可能性を残した試合を作らなければならない。味方が点を取れないのであれば、相手をゼロに封じる投球が必要になる。  楽天では、田中が抜けた後のエースを任された則本が昨年、今年と2年連続で2ケタ敗戦を喫した。エースなら、15勝前後を挙げて、負け数を1ケタに抑えるくらいでないといけない。  若手にとっては大きなチャンスと言える。大瀬良、野村あたりは、年間通じて投げ続けなければいけないだろう。  振り返れば、私が西鉄へ入団した当初、選手が八百長に関与したとされる「黒い霧事件」で主力投手が次々に抜けた。入団1年目の1969年オフに永易将之さんが永久追放となり、翌70年には与田順欣さん、益田昭雄さん、池永正明さんも処分された。  投手が少なく、私は70年には40試合に登板し、11勝18敗。とにかく負けた。入団5年目の73年は15勝14敗で、ようやく勝利数が敗戦数を上回った。敗戦の中から少しずつ、プロで生きぬく術、勝つための投球というものを身につけるしかなかった。  投手にも野手にも、必ず世代交代の時期は来る。若手には殻を破る絶好の機会ととらえてもらいたい。一人ひとりが成長しなければ、下位に低迷するチームになってしまう。「カープ女子」という言葉が生まれるなど、広島には熱烈なファンがいる。黒田には「次のエース」を育てるためにも、もうひと踏ん張りしてほしいし、若手投手には自らを飛躍させる覚悟を持って来季に臨んでもらいたい。 ※週刊朝日 2015年12月18日号
東尾修
週刊朝日 2015/12/12 07:00
ロケ地探しから交渉まで 女子高校生監督すべてを一人でこなす
ロケ地探しから交渉まで 女子高校生監督すべてを一人でこなす
松本花奈さん(17)映画監督まつもと・はな/1998年生まれ。高校2年生で撮った長編映画「真夏の夢」で監督として本格的にデビュー。来年夏には新作の公開が控えている(撮影/今村拓馬)  ロケ地探しから交渉、キャスト探しまでを一手に担う女子高生映画監督がいる。彼女の作品作りの現場を取材した。  11月上旬、冷たい雨と風が吹きつける東京・新宿のビルの屋上。高校生の松本花奈さん(17)が新作映画「脱脱脱脱17」の撮影を行っていた。  タイトルの読み方は「ダダダダセブンティーン」。34歳になる「気持ち悪いハゲおじさん」のノブオが、ある事情で17年間高校生を続け、「嘘泣きが得意な」同級生のリカコと繰り広げる青春劇だ。屋上のシーンは、ノブオがなぜ高校を卒業できないのかを打ち明ける大事な場面。 「ビルの屋上がぴったりと思いついて、管理者と交渉しました。人に指示するより、何でも自分でやってしまうんです」   ロケ地探しと交渉、キャスト集めを、ほとんど一人でこなし、撮影の合間にスタッフや俳優のために防寒グッズの買い出しにも出かける。脚本は授業の合間にこっそりノートにしたため、家のパソコンで打ち直した。  冒頭のビルの屋上での撮影があった日は、学校の振替休日。新宿のあとは、埼玉、その後再び都内へ。次の日の祝日は、主人公の2人がストリップ劇場に誘われる場面を熱海で撮った。 「自分は、すごい凝り性」と笑う。女子高校生が泣くシーンでは、自然に涙が出るまで2時間かけた。カットがかかり、全員が言葉を交わさずとも「完璧だ」と感じる瞬間があるという。 「映画を作るとき、みんなで一つのものに向かってアドレナリンが出ている感じがたまらなく好き」  高校2年の夏、映画に関心のある若者らが集まる団体で知り合った仲間6人と作品を作った。当然、お金はない。 「親に借りたりもしたけど、みんなバイトしたりして集めました。私はカラオケ屋さんとチーズフォンデュのお店で半年間バイト。とにかく必死でしたね」  貯めた20万円で、熱海の親戚の家に1週間、雑魚寝をしながら全編75分の長編映画「真夏の夢」を作った。「ダメ元で応募した」という「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」での正式出品が決まった。  その後2本のミュージックビデオの監督を務め、今は来年夏の公開に向け、映画制作に打ち込む。制服、プール、仲間とのじゃれあい……。高校生の“今”しか撮れないシーンで埋めていく。4月からは大学生だ。 「人の感情をもっと深く知るために心理学を勉強しようと思っています。今度は家族をテーマに映画を作りたい。お風呂に入れなくても徹夜が続いても、気にしないくらい映画って夢中になれるんです」 ※AERA  2015年12月14日号より抜粋
AERA 2015/12/10 16:00
浅田真央、歴代最多優勝なるか? その前に立ちはだかる若手選手とは
浅田真央、歴代最多優勝なるか? その前に立ちはだかる若手選手とは
NHK杯で優勝した宮原知子(中央)、2位のコートニー・ヒックス(左)と3位の浅田真央 (c)朝日新聞社  グランプリ(GP)シリーズ日本大会(NHK杯)女子フリー、演技を終えた直後の浅田は、納得がいってないというか、少し悲しそうな表情を見せた。  16歳で日本大会(NHK杯)初優勝したときと同じ長野の会場、25歳になった浅田は、大人の演技で観客を魅了した。が、浅田の代名詞といえるトリプルアクセルは不発に終わり、いまいち盛り上がりに欠ける演技であったことは否めない。  試合後は「いい演技をして恩返しをしたかったが、それができなかったのが私自身すごく残念。GPファイナルに向けて、新たな気持ちでのぞみたい」と語った。  浅田は、GPファイナルを4度制しており、今回優勝すれば、往年の名選手イリーナ・スルツカヤ(ロシア)を抜いて、歴代最多優勝となる。  その浅田の前に立ちはだかるのは、やはりロシア勢。なかでも今年、シニアデビュー初戦のアメリカ大会でいきなり優勝したエフゲニア・メドベデワに注目したい。  ショート(SP)では、ジャンプ3つをすべて後半にもってくる攻めの構成。また、16歳とは思えない優美な演技力で、206.01点の高得点をたたき出した。次戦のロシア大会では惜しくも2位となったとはいえ、得点は、前回大会よりもわずかに上回り、206.76点と自己ベストを更新している。  浅田自身も15歳のとき、シニアデビューとなった2005年のGPファイナルで最強の女王スルツカヤを破って初優勝、世界中を驚かせた。  10年後、立場が入れ替わった浅田とメドベデワの日本対ロシアの対決に注目だ。  もう一人のロシア勢は、もうすぐ17歳になるエレーナ・ラジオノワ。昨シーズンは、シニアビューの年にもかかわらず、GPファイナル銀、世界選手権で銅を獲得した。今GPシリーズでの最高得点211.32を、ロシア大会でマークしている。  北米勢の華麗な演技も見逃せない。  浅田の1歳下で、ベテランとしてフィギュアスケート界をけん引するアシュリー・ワグナー(米国)は、昨年のGPファイナルでは、唯一の20代選手として円熟した演技を見せ、銅メダルに食い込んだ。  ワグナーと同じく米国勢で初出場となるのは、グレイシー・ゴールド。昨年は、ファイナル進出を決めながらケガにより出場を見送った。その悔しさを今年こそ氷にぶつける。  そして、初出場といえば、日本の宮原知子が見逃せない。昨年の日本選手権で初優勝、初出場となった世界選手権では銀を獲得した伸び盛りの17歳。  先日の日本大会(NHK杯)では、浅田を破り、SP・フリーともに自己ベストを更新して203.11点をマーク、初優勝を飾った。その勢いに乗って、ファイナルでの表彰台を狙う。  誰が優勝してもおかしくない群雄割拠の女子のGPファイナル。宮原知子の初優勝なるか、はたまた、浅田真央の返り咲きなるか。
フィギュアスケート朝日新聞出版の本浅田真央読書
dot. 2015/12/08 07:00
女子高生人気No.1シンガーソングライター 井上苑子 『Newニンテンドー3ds』TVCM出演決定
女子高生人気No.1シンガーソングライター 井上苑子 『Newニンテンドー3ds』TVCM出演決定
女子高生人気No.1シンガーソングライター 井上苑子 『Newニンテンドー3ds』TVCM出演決定  女子高生人気No.1、注目の17歳女子高校生シンガーソングライター 井上苑子が、TVCM『Newニンテンドー3ds』に出演することになった。  同CMは、本日12月3日よりスタート。いつもの制服スタイルと違った井上苑子を見ることが出来るチャンスなので、ぜひチェックしてほしい。  なお、井上苑子は、12月11日 渋谷Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて、東名阪ツアー【みんなだいすき。】のファイナル公演を開催する。ファイナルかつ、18歳のバースデーライブということもあり、チケットは既にソールドアウトしている。
billboardnews 2015/12/03 00:00
アキレス腱断裂でリオ五輪断念…女子体操界エース・鶴見虹子「最後の戦い」
アキレス腱断裂でリオ五輪断念…女子体操界エース・鶴見虹子「最後の戦い」
会見する鶴見虹子(撮影・末永裕樹) 最後の演技に挑む鶴見虹子(撮影・末永裕樹)  体操の全日本団体選手権決勝が11月29日、代々木第一体育館で行われ、女子は日本体育大学が優勝した。日体大の主将で、今大会での引退を表明している鶴見虹子は、これが現役最後の大会となった。  鶴見は27日の会見で、今大会限りでの引退を表明していた。2008年の北京五輪、12年のロンドン五輪で日本代表に選出され、世界選手権でもメダルを獲得した鶴見。14歳で初優勝を果たした全日本選手権の個人総合は6連覇も果たした。まさに、日本女子体操界のエースと言える彼女に引退の決意をさせたのは、今年5月の右アキレス腱断裂だった。 「今年5月のNHK杯でケガをした時に、このままケガが治ってから練習しても半年も時間がない。それだったらリオは諦めて、次の新しいことを始めたりとか、次の人生にいった方が自分のためになるかなと。今回この試合で引退しようと思いました」  アキレス腱断裂によって、鶴見はNHK杯を棄権し、世界選手権への出場も逃した。思えば、日体大に入学してからの鶴見はケガ続きの状態だった。2年、3年と立て続けに故障に見舞われた。そして4年になった今年は、ダメ押しのようにアキレス腱を断裂してしまう。ケガを抱えながらも努力してきただけに、そのショックは大きかった。 「正直、アキレス腱を切ったときはすごくショックでした。リハビリにすごく時間がかかるし、切れた瞬間に『ああ、体操人生終わったな』と思った」  このケガをする前まで、鶴見は「リオ(五輪)までがんばってやろうかな」と考えていたが、その考えも変えざるを得なかった。 「リオ五輪に出たいっていうのもあったんですが、目標としては出るだけじゃなく、メダルを目指してやりたいっていう思いがあったので……」  これまで二度、五輪の日本代表入りをしてきた彼女にとって、そこに高い目標を掲げるのは当然のことだった。鶴見はアキレス腱の手術の翌日、監督に「引退したい」と告げた。そこで引退を思いとどまらせたのは、監督とチームメイトの声だった。 「先生もチームのみんなも、最後だからがんばろうと言ってくれた。(団体選手権の)段違い平行棒だけがんばろうということになって、ここまで練習してきました」  そこから今大会まで、ひたすらに段違い平行棒だけを練習し続けた。「モチベーション的にキツイ時もあった」と明かす鶴見だったが、仲間に支えられながら続けることができたという。一方でそんな鶴見の姿が、チームメイトに与えた影響も大きかった。  日体大1年にして、今年の世界選手権の個人総合で6位に入る活躍をみせた村上茉愛は、鶴見への思いをこう話した。 「中学、高校のときは手の届かない人だという気持ちで鶴見選手の試合を見ていたので、入学当時は『すごい人がいるな』っていう気持ちで日体大に入りました。普段から無駄のない練習をしていて」  また、故障してからこの大会までの鶴見の姿にも、刺激を受けたという。 「アキレス腱を断裂してからの練習はきっと痛いし、着地が怖いというのもあると思うんですけど、そういう部分が練習に出ないのはすごいなと思って、いつも練習を見ていました」  こうした練習を重ねながら、鶴見は今回の団体選手権を迎えた。28日の予選では、難易度の高い構成を大きなミスなくまとめ、15.200点の高得点をマーク。そして翌29日の決勝が、鶴見にとっての現役最後の舞台となった。  決勝当日、鶴見は念入りに器具の感触を確かめてから演技に挑むも、途中で旋回が停滞し、演技が中断した。だが、仕切り直して再開した演技ではダイナミックな離れ技も成功させ、会場からは大きな歓声があがった。着地もまとめると、最後は観客席に深々と頭を下げ、演技を終えた。  鶴見の得点は13.750点と振るわなかったが、それでも他のメンバーの活躍もあり、日体大は優勝を果たした。同大会の男子団体でも日体大が優勝していたため、5年ぶりのアベック優勝となった。鶴見は試合後の会見で、次のように話している。 「今日は失敗してしまったんですけれども、チームのメンバーが他の種目でがんばってくれたので、優勝することができました。何よりもアベックで優勝できたというのが本当にうれしいです」  悔いはないか、といった旨の質問には、こう答えた。 「ここまで仲間に支えられながら演技できたので、最後はやりきったなという感じがします」  印象的だったのは、会見が終わってからのことだ。立ち上がって、普通なら退場するだけの場面で、鶴見は記者席の方に歩み寄り、頭を下げた。 「今までありがとうございました」  若干14歳から日本のトップ選手であり続けた彼女が、本当に引退するのだと感じさせた瞬間だった。  23歳での引退は、アスリートとしては早いと言えるかもしれない。だが、2009年の世界選手権では個人総合で銅メダル、種目別の段違い平行棒で銀メダル。二度の五輪、そして全日本選手権6連覇――その実績は年齢に見合わぬほどに偉大だ。村上が話していたように、鶴見に刺激を受け、またその姿を目標にしてきた選手も多い。彼女の体操人生が、周囲に与えた影響は大きかった。  引退後は体操女子の強豪国・アメリカでコーチの勉強をしたいと話していた鶴見。今度はまた別の形で、日本女子体操界に刺激を与えてほしい。 (ライター・横田 泉)
dot. 2015/11/30 07:00
加藤ミリヤが想い出の街・渋谷でキス、真っ赤なファン100人と【リップスティック集会】を決行
加藤ミリヤが想い出の街・渋谷でキス、真っ赤なファン100人と【リップスティック集会】を決行
加藤ミリヤが想い出の街・渋谷でキス、真っ赤なファン100人と【リップスティック集会】を決行  加藤ミリヤが、ニューシングル『リップスティック』のリリースを記念し、渋谷で【リップスティック集会】を開催した。  本作は、活動初期の彼女の代表曲『ディア ロンリーガール』の10年後を歌った楽曲。『ディア ロンリーガール』の歌詞の中に「渋谷センター街」が出てくることがきっかけで、 “女子高生のカリスマ”と話題となり、現在の加藤ミリヤにつながるアーティストイメージが確立された。27歳になった今、活動のルーツだった渋谷の街への愛と感謝を込めて、渋谷MODIの7FにあるHMV&BOOKS特設ステージにて、ファン100人とのイベントを開催した。  このイベントに先駆けて、23日から同店内に3日間限定で「リップスティック掲示板」が登場。女性たちの仕事と恋を頑張る証を“赤いリップマーク”にして残そうというこの掲示板には、500人もの女性のリップマークがつけられた。赤いドレスコードで集められた真っ赤なファン100人の前に登場したミリヤは、「みんな真っ赤でクリスマスみたいだね!」と興奮気味。この10年間の心境の変化や、渋谷に対する想いを話した後、新曲『リップスティック』に込めた思いについて「日々を強く生きていくために、女性には武器が必要だと思う。リップスティックにはそんな女性の色んな感情が込められた武器だと思う。女性の応援歌になれるような曲をリップスティックをテーマに作りたかった。」と語った。  その後、「恋も仕事も毎日頑張っている女の子たちのために、心をこめて歌います。」とそのリップスティックをサプライズで歌唱。最後には、加藤ミリヤ自身も「リップスティック掲示板」に自らのキスを残し、掲示板を完成。ファン100人と記念撮影をし、真っ赤なイベントを締めくくった。 ◎リリース情報『リップスティック』2015/11/25 RELEASE初回生産限定盤[CD+DVD]SRCL-8953~8954 1,556円(tax out) 通常盤[CD] SRCL-8955 1,204円(tax out) 収録曲:1. リップスティック2. Never Call Me Again3. ディア ロンリーガール(DJ SHUYA & GAKUSHI REMIX)4. リップスティック(Instrumental)初回生産限定盤DVD:A Story of “Lipstick” -Special Interview-
billboardnews 2015/11/26 00:00
同人誌は稼げるのか?赤字、黒字の割合は コミケ準備会を直撃
同人誌は稼げるのか?赤字、黒字の割合は コミケ準備会を直撃
同人誌作家にもいろんなタイプがいる。けむほこさんの場合は「萌え」の要素が少ない「サブカル系」の絵が人気を集めている(撮影/村上宗一郎)  インターネットの普及で、コンテンツ産業は岐路に立たされている。本が売れない、CDやDVDが売れない──インターネットという怪物の進撃が止まる気配はない。しかし、これに負けない紙メディアの文化がある。同人誌文化だ。  日本最大の同人誌展示即売会「コミックマーケット」(東京ビッグサイト)の動員数は、55万人を維持し続け、日本全国で開かれる即売会は、大小合わせて年間1千件。万単位の来場者を集めるイベントも少なくない。このパワー、どこから来るというのか。  東京都練馬区。男性同人誌作家のけむほこさん(29)は、この日もペンを握っていた。 「この1年は、二次創作一本。『アイカツ!』という作品にハマってから、同人誌展示即売会『芸能人はカードが命!』で売ってきました」 「アイカツ!」は、女児向けのゲーム・アニメ作品だ。女子アイドルらが各地で巻き起こす物語を描く。 「悪い人が出てこない。女の子がひたすら仲良くし続ける物語に、心が洗われる」  同人誌の世界では、性表現も当たり前のようにあるが、彼は「苦手だから、やりません」。登場人物が電車に乗ってお出かけするとか、原作の「if」を描いてきた。10ページほどの冊子を、100円で売ってきた。 「1年で20万円ほどの売り上げがありました」  副業にしては、立派な数字だ。しかし、同人誌作家としては「飛び抜けた数字ではない」。 「いまは、もっと稼ごうとは思っていませんから」  けむほこさんには、商業マンガ家として将来を嘱望された時期がある。美大在籍時から同人作家として活躍し、年間100万円を稼いだ。スカウトを受け、24歳で商業誌連載をスタート。単行本も1冊出したが、「筆が遅く、商業誌連載を続けるのがつらくて」26歳で離脱。その後、重度のうつ病も患った。そんな自分を救ってくれたのが「アイカツ!」。いま、「オリジナル作品を再び描きたい」欲求が芽生えてきている。  でも、その発表先は同人誌だろう。商業誌には「もう戻らない」とも言った。自分のペースで描けるから。また、自費出版である以上、出版社から売り上げを中抜きされることはない。  稼げる。そうか、そんなに同人誌業界っていいのか。もうかるのか。 コミックマーケットを運営するコミックマーケット準備会に尋ねてみると、こう返ってきた。 「もちろん、利益が出る人もいます。でも、そんなカンタンに稼げるわけありませんよ」(企画・広報室の里見直紀さん)  聞けば、意外な数字が見えてきた。3日間で55万人が訪れるコミックマーケットに出店する同人サークル(作家のブース。1~2人の単位)は3万5千。販売するものは同人誌を中心に、ゲームやアニメにインスパイアされた同人音楽のCDなど、ラインアップは膨大だ。  しかし、このうち、年間20万円以上の黒字サークルは1割に過ぎない。6割は赤字で会場を後にしているのだ。 「趣味の場。採算度外視、少部数で参加するサークルが大半です」(里見さん) ※AERA 2015年11月16日号より抜粋
AERA 2015/11/20 16:00
avexグラビアオーディション王者は病的な儚さ持つ女子高生“莉音”カワイイ凝縮したセクシー水着写真公開
avexグラビアオーディション王者は病的な儚さ持つ女子高生“莉音”カワイイ凝縮したセクシー水着写真公開
avexグラビアオーディション王者は病的な儚さ持つ女子高生“莉音”カワイイ凝縮したセクシー水着写真公開  この夏エイベックスが開催していた【グラビアサンシャインオーディション】。そのグランプリがついに明らかになった。avexグラビアオーディション王者 グラビア写真一覧  多数の応募の中から見事グランプリに選ばれたのは、埼玉県在住の高校3年生 向山莉帆(むかいやま・りほ)18歳。今後芸名を「莉音(りおん)」として活動していく。莉音はすでにネットの世界では「りーめろ先輩」として認知があり、Twitterのフォロワーが8万人以上もいる逸材だ。  グランプリ受賞を受けて莉音は「とても嬉しいです。まさか自分が選ばれるとはおもっていなかったです。」と声を震わせ喜んだ。また、「男女問わず好感を得られるような人になりたいです! わからないことも沢山ありますが、何事も全力で頑張っていきたいです!」と強い決意を表した。  審査員を務めたヤングガンガン担当者は、「素人にして自身のツイッターフォロワー数8万越えの自己プロデュース能力の高さに驚かされました。さらに、その人気、数も納得のビジュアル。おじさん世代から見ると細すぎるんじゃないかと思わせるスタイルや、少し病的な儚さを感じさせる表情に、男性は守ってあげたくなり、女性は憧れる。まさに、現代のカワイイを凝縮した逸材です!」とコメント。  なお、グランプリ特典であるヤングガンガンへのグラビアは、11月20日発売No.23 の巻末グラビアで掲載される。 ◎莉音プロフィール 1997年7月27日生まれ 身長155センチ/体重40キロ スリーサイズ B78/W53/H86 https://twitter.com/ree_patun
billboardnews 2015/11/20 00:00
浅田真央“最高難度”演技の圧倒的な内容
浅田真央“最高難度”演技の圧倒的な内容
公式戦への復帰初戦から、他の追随を許さないアグレッシブな演技だった(※イメージ)  公式戦への復帰初戦から、他の追随を許さないアグレッシブな演技だった。グランプリシリーズ第3戦中国杯で、浅田真央はショートとフリーでともにトリプルアクセルを成功させて、優勝した。改めてその内容を振り返ると、その圧倒的な内容に驚かされる。  何といっても、圧巻だったのはショートだ。トリプルアクセル(3回転半)、3回転フリップ+3回転ループの連続ジャンプ、そして3回転ルッツの三つを跳んで、いずれも着氷。特に、3回転+3回転と3回転ルッツの二つは、これまでは回避してきた高度なジャンプだ。それが加わったプログラム「素敵なあなた」は、女子では最高難度の構成。25歳という年齢を危ぶむ声を、自らの演技で一蹴した。浅田は言う。 「まだまだ年齢的にも身体的にもできると思ったので、この舞台に戻ってきました。本当に自分ができないと思うところまでやる、それを私のスケート人生にしたい」  トリプルアクセルが、現役の女子選手で成功させているのが浅田の他にロシアのエリザベータ・トゥクタミシェワだけ、という難しい技であることはよく知られている。  二つの3回転ジャンプの基礎点がそのまま合計される3回転+3回転も、その成否が表彰台に乗れるかどうかのカギを握るほどの大技だ。浅田自身は安全策をとり、2010年のバンクーバー五輪でも、14年のソチ五輪でも、ショートには組み込まなかった。このコンビネーションジャンプを成功させるだけで、浅田の得点には基礎点10.4がプラスされる。  最も驚かされたのが、3回転ルッツ。現行ルールではトリプルアクセルに次ぐ高得点のジャンプだが、跳び方が正確でないと大幅に減点されてしまう「ハイリスク・ハイリターン」なジャンプでもある。少しでも不安があれば「回避」が得策で、浅田も3回転+3回転同様、2度の五輪のショートでは回避してきた。  もし、18年の平昌(ピョンチャン)五輪で、今シーズンと同じジャンプ構成で演技する浅田を見ることができたら……。想像するだけで心躍る。次は、11月27日に長野で開幕するNHK杯に登場する。 ※AERA 2015年11月23日号より抜粋
フィギュアスケート浅田真央
AERA 2015/11/16 16:00
映画『FOUJITA』も公開中! レオナール・フジタってどんな男性? もしかして、ネコ?
映画『FOUJITA』も公開中! レオナール・フジタってどんな男性? もしかして、ネコ?
先日11月14日から全国で公開されている映画『FOUJITA』。フランスで「乳白色」の裸婦像が絶賛された日本人画家・レオナール・フジタ(藤田嗣治。ふじたつぐはる)の人物像を描いた、小栗康平監督の作品です。すべての場面を切り取ってポストカードにしたいような、静謐な美しさ。「わかりにくい人」とされながら、5回も結婚するほどモテモテだったフジタ画伯。映画公開を機に、その魅力を考えてみました。いつでも芸術の都、パリ! ネコ男子。 肌触り優先! 『FOUJITA』で レオナール・フジタを演じたのは、オダギリ・ジョーさんです。 先月おこなわれた『東京国際映画祭』では、ステージに上がってきた出演者・制作陣の中にオダギリさんがいないと思ってよく見たら、なんと白いスカート(風?)姿のため一瞬女性に見えていたのでした。「中性的でなよっとした ネコタイプの身体感覚がイメージにピッタリだったので、オダギリさんをキャスティングした」と小栗康平監督が語る通り、映画からはフジタの「中性的な魅力」「ネコっぽさ」がいい感じで伝わってきました。 レオナール・フジタの作品は、「すばらしき乳白色」と フランスで絶賛された裸婦やネコの絵で知られています。下地にベビーパウダーが使用された、すべすべの白。思わずなでたくなるような女性やネコなのです。 フジタは迷いネコを拾っては飼い、パリで年に2回開かれる有名なネコ展覧会の審査員まで務めました。ペットというよりは仲間。著書で「ネコには猛獣の面影があるところがよい」とも語っています。 フジタの絵は、目で触って愛でる絵画といわれます。女性やネコの温もりと肌触りは、 5歳のとき母親を亡くしたフジタの感受性が求めたものなのかもしれません。 映画のフジタは、「絵描きというのは・・・」と、芸術についてよく語ります。けれども、自分の感情はほとんど語りません。女の人に罵られても、黙ってじっとしています。女性からしたら、ちょっと不安になるタイプではあります。 裁縫男子。 手づくり優先! フジタは、絵画だけでなく、写真・ドールハウス・作陶・インテリア等々、身の回りのものをことごとく手作りしていました。もちろん服も。フジタは、明治生まれの「裁縫男子」だったのです。幼い頃にお姉さんと人形遊びばかりしていたことや、最初の妻・とみ夫人が女子美術学校の裁縫科出身だった影響もあり、布が大好きだったフジタ。第一次大戦時に1年間ロンドンに滞在したとき「裁縫師」のアルバイトをして基本的な裁縫技術をすっかり身につけたそうです。 「芸術家は宜しく芸術品を身に纏うべし」。 おでかけのときはダンディーな帽子や靴のブランドにこだわり、ふだん着は手作り。 ボーダーのボートネックシャツもお気に入りでした。 パリでは 小柄な日本人に合うサイズがみつけにくいという事情もありましたが、「既製品は商品でしかない」といってカーテンやベッドカバーまで自分好みに作っていたフジタ。アトリエで絵画制作と並行しながら針仕事を続けていたくらいですから、自らを「芸術品」として仕立てていたのでしょう。「メジャー模様」に細工したベルトは、体型維持のためなのか、必要に応じてサッとはずして計測するためなのか・・・。こだわりを大切にし、生活のすべてを芸術として体現していくタイプ。晩年まで、自分用だけでなく、妻の衣服や身の回りの小物まで手作りしていたそうです。しかもお料理が得意。ちょっとうらやましい夫ですね。 おかっぱ男子。 個性アピール優先! おかっぱ頭にロイド眼鏡(フレームが丸いセルロイドのメガネ)、鼻の下にちょびひげ。パーティーの変装グッズにもなりそうなアイテム(どんなだったか見たい方は、リンク先をどうぞ)。おかっぱ頭にしたのは、戦時中に自分で散髪できるスタイルにしたとも、美術館で見たギリシャ彫刻に感化されて倣ったともいいます(じつは前髪のカーブなどにこだわりも)。何にせよ、日本人の黒い直毛ならではの強烈なインパクトを与えたことはまちがいありません。 フジタは外国で自活できた日本人アーティストの先駆者でした。 今でこそ日本人アーティストは世界中で活躍していますが、当時は一市民としても認められていたかどうか・・・くらいの存在感。とりあえずは「目立つこと」「覚えてもらうこと」が急務だと痛感してパリに生きていたのではないでしょうか。夜会イベントでも、日本舞踊風の踊りを面白おかしくやってみせたといいます。目的をもって道化になれるって、すごくかっこよくないですか? そして芸術の国 フランス・・・! 「日本文化をむきだしに海外に持っていっても評価されるのは難しい。何かしらの仕掛けが必要です。それは、 現代でもそうなのです」と 小栗監督は言います。 映画は日仏合作。パリと日本の自然がどちらもそれぞれ美しく描かれ、どちらかの国を捨ててどちらかをとる必要はないと教えてくれます。 戦争にまつわる軋轢から日本の画壇に失望してフランスに帰化し、カトリックの洗礼を受けたフジタ。それからは子供の絵を多く描くようになりました。表情にあまり可愛らしさが感じられず、ちょっと不機嫌そうにも見える子供たち・・・パリに生きるリアルな子供(または大人?)の表情なのでしょうか。国や性別・年齢を超えて、人として愛したり心を痛めたりしてこそ芸術なのかもしれません。小栗監督は当日こんなこともおっしゃっていました。 「映っているものをただ見つめる。 そして祈りが生じるのを待つ、という鑑賞の仕方があってもいい」 映画を絵画を前に、祈ります。芸術を愛する人々が世界中から集まる フランスが、どうかどうか平安でありますように。 <参考> 「藤田嗣治 手仕事の家」林洋子(集英社) 「藤田嗣治『異邦人』の生涯」近藤史人(講談社) 「藤田嗣治画文集 猫の本」(講談社)
tenki.jp 2015/11/16 00:00
丸山茂樹も触発? ゴルフ大ベテランが東京五輪に挑戦
丸山茂樹 丸山茂樹
丸山茂樹も触発? ゴルフ大ベテランが東京五輪に挑戦
 プロ24年目の谷口徹選手が5年後の東京オリンピック出場を目指すことを公言した。丸山茂樹氏は、素晴らしいことだとこういう。 *  *  *  丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会優勝の資格でマンデートーナメント(主催者推薦選考会)を初めて突破した臼井麗香さん(茨城・日本ウェルネス高2年)。日本女子ツアー「樋口久子Pontaレディス2015」(10月30日~11月1日、埼玉・武蔵丘GC)の本戦は、惜しくも予選落ちに終わってしまいました。  残念ですけど、プロと一緒に回って、本当にいい勉強をしたと思いますよ。  僕が初めてプロの試合に出たのは高校2年、16歳のときでした。結果は散々でしたけど、楽しかったのを覚えてます。  同じ組で回らせてもらった合田洋(ごうだひろし)さんが研修生からプロになりたてで。初日の最初のホールで、かなり緊張されてたんでしょうね。合田さんがなかなかティーにボールを乗せられなかったんです。「ああ、プロの世界ってこんなに厳しいんだな」と思いましたね。  1994年に合田さんが29歳で日本プロゴルフ選手権で優勝する姿を目にして、僕も感動しました。そして、「自分もいっぱい、いい経験を積まなきゃな」と、ひしひしと感じましたよ。  その試合では合田さんが最終日、18番のバンカーからパターで打ったシーンが語りぐさになってます。すごい決断を実らせて、ジャンボ(尾崎将司)さんに競り勝ったんです。   いまはなかなかお会いする機会もないですけど、会えばいつも仲よくしてくださって。「マルもあのときは16歳だったよな」なんてね。  僕が初めて出たプロの試合のとき、深堀圭一郎君と一緒に試合会場に行ったんですけどね、もう予選を通るとかなんとか一切考えてなくって、旅に出た感じでした。だから緊張も何もなかったなあ。  その試合で、牧野裕(ひろし)さんがホテルのスイートルームに泊まってらっしゃったんですよ。そこに深堀と僕を呼んでくださってね。ルームサービスをとって歓迎してくれたんです。ケーキもあって、僕は思わず、「甘い(スイート)部屋で甘いものですか」なんて言っちゃって。  あのとき思いましたよ。「早く一流のプロになって、こんなでっかい部屋に泊まって、後輩を呼んでごちそうしてみたい」って。余計な思い出の話ばっかしちゃいましたけど、臼井さんもきっといろんな思い出ができたはずです。それは今後のゴルフ人生の財産になりますからね。頑張ってほしいです。  話は変わりまして、大ベテランの谷口徹さん(47)が試合のとき、報道陣のみなさんに「東京オリンピックに出たいと思ってる」っておっしゃったみたいです。  最近は筋力トレーニングもすごく頑張ってて、その効果が出てるって話は伺ってましたけど、すごいこと言いました。谷口さんは僕の2学年上で、2020年の東京オリンピックのときは52歳なんですけどね。  実現性はどうあれ、素晴らしいことだと思いますよ。谷口さんはこれまでも高い目標を持って、それを公言して、自分にプレッシャーをかけてきた人ですから。  最後に僕自身のことを。ダンロップフェニックス(11月19~22日、宮崎・フェニックスCC)の出場が決まりました。いまの自分なりに、精いっぱいやってきます! ※週刊朝日 2015年11月20日号
丸山茂樹東京五輪
週刊朝日 2015/11/15 07:00
「不思議の国のアリス」と「きゃりーぱみゅぱみゅ」に共通すること
「不思議の国のアリス」と「きゃりーぱみゅぱみゅ」に共通すること
水曜日のアリス写真は「帽子屋のアトリエ」がコンセプトの雑貨スペース。各階ごとに異なる内装に、時折キャラクターの声が流れるなど、店内はまるでアトラクション施設のようだ(撮影/写真部・堀内慶太郎) 半那さんが描く「不思議の国に落ちていくアリス」。アリスが黒髪・短髪なのは、物語のモデルともいわれる実在の人物、アリス・リデルを参考にしているから(撮影/編集部・竹下郁子) 『不思議の国のアリス』がイギリスで刊行されて今年で150年。今、日本では空前のアリスブームが起きている。多くの女性をひきつけるアリスの魅力とは。  東京・原宿のアリスグッズ専門店「水曜日のアリス」には、週末、1千人以上の客が訪れる。開店は昨年秋だが、今も入場整理券で制限しないと入れないくらいの混雑ぶりだ。販売するのは、登場人物たちをモチーフにしたお菓子、アクセサリー、雑貨など。店内のBGMは、女子たちの「カワイイ~」という歓声だ。“女子”といっても、客層は小学生~60代と幅広い。広報の岩橋理恵さんは、人気の理由をこう分析する。 「アリスの魅力はカワイイだけじゃない、どこかおどろおどろしい唯一無二の世界観で、商品も“毒っ気”を大切にしています。歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんの人気と通じるものがあるのではないでしょうか」  曲のPVにはグロテスクな要素を取り入れていると公言し、カラフルな衣装で、窮屈な世界から自由になりたいと歌うきゃりーは、確かに、現代版アリスなのかもしれない。  原作者ゆかりの地、イギリスのオックスフォードで毎年開催されるアリス・デーでは、男女問わずアリスの登場人物に扮し、街中はアリスをモチーフにしたさまざまな作品で彩られる。そこに今年、日本人で初めて絵画が展示されたのは、画家の半那裕子さん(59)だ。半那さんが描くアリスのテーマは“束縛の中に自由を求める”少女の姿。  美大を卒業後、24歳で結婚した半那さん。父親からは「変に社会ズレするな」と言われ、会社勤め、一人暮らし、海外旅行の三つを禁止されていた。その後、2人の男の子を出産。子育てが一段落した10年後、本格的に画家としての活動を開始する。日本では戦後、女流画家協会ができるまで、女性はコンペにも出品できなかったほど、画家の世界は男性中心だった。女性の自立なんて考えられなかった当時のイギリスで、良家の子女であるアリスが、異なる環境に放り込まれたときどうするのか? 自分の境遇とアリスが重なったという。 「理不尽な登場人物にふりまわされ、どんな不条理にぶちあたっても、それを乗り越えて成長していく様子は、現代日本社会を生きる私たち女性の姿のようで、勇気づけられました」 ※AERA 2015年11月9日号より抜粋
AERA 2015/11/14 11:30
片山&丸山が期待の「コミュ力」高い若手ゴルファーは?
丸山茂樹 丸山茂樹
片山&丸山が期待の「コミュ力」高い若手ゴルファーは?
 堀川未来夢(みくむ)選手が国内男子ツアー「ブリヂストンオープン」で2位に入り、来季シード権を獲得した。同じ日大出身でプロゴルファーの丸山茂樹氏は、躍進の理由をこう分析する。 *  *  *  いやあ、うれしいニュースが飛び込んできました。「第9回丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会」の高校生女子の部で優勝した臼井麗香さん(茨城・日本ウェルネス高2年)がやってくれました!  日本女子ツアー第33戦「樋口久子Pontaレディス2015」(10月30日~11月1日、埼玉・武蔵丘GC)の主催者推薦選考会(マンデートーナメント)を突破し、本大会出場を果たしたんです。マルジュニア優勝の資格で出て、マンデートーナメントを突破したのは臼井さんが初めて。締め切りの関係で大会の結果はお伝えできませんけど、ほんとに素晴らしいことですよね。  こうやって大会へ進んでくれると、推薦枠をいただいた恩返しになるし、マルジュニアの活性化にもつながっていきます。前から言ってますように、マルジュニアはステップアップの場でありたいんです。プロの試合へ出るチャンスを得て、そこでチャンスを生かしてくれれば。  ジュニア育成の取り組みを続けてきて、何もビジョンが見えてこなけりゃさみしいばっかりですけど、こうやって明るい兆しが、あちらこちらでポツ、ポツと花咲く。種をまいてよかったなあと思いますよね。 「ああ、丸山のとこから出た選手が頑張ってるんだったら、応援しよう」となってくれるスポンサーさんが出てきてくれると、もっと大きなことができる。西川きよし師匠じゃないですけど、「小さなことからコツコツと」ですよね。  さて先日は男子ツアー「ブリヂストンオープン」(10月22~25日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦)で、テレビ解説のお仕事をさせてもらいました。   日大ゴルフ部の後輩たちが頑張ってましたねえ。片山晋呉(42)と堀川未来夢(22)が最終日最終組で回って、晋呉は14位と崩れちゃいましたけど、堀川は2位に入って、来季のシード権獲得へ大きく前進しました。  優勝したのも日大OBの松村道央(32)。首位に4打差、最終組の2組前から猛チャージ。16番のチップインイーグルで単独首位に立ち、18番でダメ押しのバーディー。堂々たる「うっちゃり」を決めました。立派でした。  プロ1年目の堀川は日大ゴルフ部のコーチとして静岡の寮に残って、学生たちと一緒にトレーニングしてます。だからゴルフ部の子たちがいっぱい、堀川の応援に来てましたよ。あの応援があって、大きく崩れることもなかったんじゃないかな。ゴルフ自体は雑なところもあるし、まだまだだと思いますよ。でも彼の発揮してる「人間力」は素晴らしい。  晋呉の冠大会で活躍したのをきっかけに、20歳も年上の晋呉との距離を縮め、一緒に食事をしたり、練習ラウンドを回ったり。最近の若者にしては珍しいですよ。こうやって先輩と距離を置かずにふれあっていくというのは。こういう部分に、彼の伸びしろを感じるんです。  プロゴルファー同士での「気づき」って、結構すごいんです。食事したときに相手の何げないひとことで開眼したり、一緒に練習ラウンドしたときに、調子いい人の様子からヒントをもらったり。そういうチャンスをつくっていく「人間力」も、若手の飛躍には欠かせないと思ってます。 ※週刊朝日  2015年11月13日号
丸山茂樹
週刊朝日 2015/11/08 07:00
アリスの反骨精神に感化され 女子高生が教師と対決
アリスの反骨精神に感化され 女子高生が教師と対決
こじらせ系の登場人物たちに毅然と立ち向かうアリスは、私たちのヒーローだ。プリンセス願望を脱ぎ捨てて、さあ不思議の国へ(撮影/写真部・堀内慶太郎) 首を下げた懐中時計は細貝さんお気に入り。まるであの白ウサギのよう?(撮影/写真部・堀内慶太郎) 『不思議の国のアリス』が刊行されて、今年で150年。シンデレラや白雪姫のような「王道」感はないが、むしろ、従来のプリンセス像を崩す、その姿が魅力だ。そんなアリスに、パワーをもらった女性もいる。 「授業を進めてください」  高校2年生のとき、四面楚歌の職員室で、教師に向かい、はっきりと告げた。脳裏に浮かんでいたのは、世界で最も有名な7歳の少女「アリス」の姿だ。  明治大学3年の細貝夕子さん(22)は、この“決闘”のことを今でも鮮明に覚えている。そこには、ルイス・キャロル原作の、世界中で愛される児童文学『不思議の国のアリス』との出会いがあった。  運命の出会いは、高校1年生のとき。それまでアリスといえば、金髪・碧眼・ドレスというロリータチックなかわいさが独り歩きしたイメージがあり、なによエプロンドレスなんか着ちゃってさ、と思っていた。しかし、偏見を持つのは良くないと思い直し、初めて読んだ原作に、雷に打たれたような衝撃を受ける。  最も感銘を受けたのは「首をはねよ!」が口癖で、誰かれ構わず気にくわないことがあるとすぐに処刑を命じる、超パワハラ体質の“ハートの女王”に、アリスがたった一人で立ち向かうシーンだ。タルトを盗んだ犯人を裁く裁判に巻き込まれたアリスは、評決を待たずに刑を宣告しようとする女王に向かって叫ぶのだ。 「ナンセンス!」 「わずか7歳の女の子が、最高権力者に対して臆せずにものを言うなんてすごいですよね。アリスの反骨精神が、たまらなくカッコイイと思いました」と細貝さん。  アリスに出会ってから1年が過ぎた頃、細貝さんにも試練が訪れる。当時、国語を担当していた男性教師が、自分の自慢話ばかりするせいで、授業が大幅に遅れてしまったのだ。まわりのクラスメートは陰で文句を言っているだけで、面と向かって注意しようとはしない。そこで冒頭のシーンに至ったわけだ。突然の反撃に驚いた男性教師は、涙をためて鼻をすすりながら、こう言った。 「あなたと話していると、いらいらする」  しかしその後、授業中の無駄話は徐々に減っていき、カリキュラムにも無事追いついた。細貝さんには、アリスとの出会いで大きく変わったことがある。 「アリスには最初から最後まで仲間はいません。過度なつながりを求める学校生活の中で、友達に合わせないといけないという強迫観念がなくなりましたね。たとえ一人でも、アリスのように、間違ったことにはノーと立ち向かおうって決めたんです」 ※AERA 2015年11月9日号より抜粋
AERA 2015/11/05 16:00
フジテレビ「オトナ女子」は斎藤工をゾンザイに扱ってる?
フジテレビ「オトナ女子」は斎藤工をゾンザイに扱ってる?
恋愛ドラマ“あるある”はわざと?(※イメージ)  漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「オトナ女子」(フジテレビ系 木曜22:00~)の恋愛ドラマにありがちな展開を制作側はわざとやっているのでは?という。 *  *  *  40回。「オトナ女子」第1話で、篠原涼子が髪をかき上げた回数である。役柄の年齢が40歳だけに40回て、んなこたぁない。  とりあえず髪結べと、イライラが頂点に達しそうになる35回目のかき上げあたりで、篠原は同棲していた年下ミュージシャン・斎藤工に、浮気されたあげく振られる。まぁ、その浮気男が言うんですよ。「おふくろが言うんだ。結婚するなら、(浮気相手の)若い方がいいんじゃないかって」  アラフォーをターゲットとしたドラマ「昼顔」で、せっかく売り出した斎藤工に、こんなアラフォー殺し(息の根止める意味で)のセリフを言わせるって、なんなのフジテレビ。つぶす気マンマンなの?  でもね、初回に思いっきり振られ、どん底に落ちて、雨に濡れる。これ、恋愛ドラマにものすごくありがち。  篠原涼子と女友達は、やたら集まって恋愛トーク(実際アラフォー女が集まったら、男の話より「最近もう徹夜ができなくて……」とか、健康トークになるはず、という事実はさておき)。女が集まる時は、なぜか3人、これもあるある。社内の若い女子たちが、トイレでメイク直ししながら、自分の悪口を言ってたら、必ず個室で聞いてしまうヒロイン。イヤミな脚本家(江口洋介)との出会いは最悪(痴漢と間違える)だけど、必ず偶然再会する。すべてのエピソードが、いつかどこかで見たことあるある。  ヒロインの仕事は、恋愛ゲームアプリの制作だけど、こんなベタ展開のアプリなら、ゲーマーなめてんのかと言いたくなるレベル。ただね、第1話のラストで脚本家・江口(かつては恋愛ドラマのカリスマだったという設定)が、言うんですよ。「ドラマだったら、この辺に『つづく』って出てる頃かな?」。確かに、江口が指した場所に「つづく」の文字。すると篠原が言う。「それって、ちょっとださくないですか~?」  つまり、わかってやってるんだと。恋愛ドラマの登場人物が、ドラマの中で恋愛ドラマを語る。ありがちな展開も、すべてメタフィクションな視点なのだと……って、どうでもいいや、そんなこと。斎藤工のゾンザイな使い方しかり、名作ドラマのあるある展開拝借しかり。フジテレビが今まで作り上げてきたものを、自らどんどん安易に消費してしまうもったいなさに、ちょっとさみしくなるだけ。 ※週刊朝日 2015年11月13日号
ドラマ
週刊朝日 2015/11/05 16:00
「熱愛発覚」二階堂ふみに園子温監督が“ゾッコン”になる理由
「熱愛発覚」二階堂ふみに園子温監督が“ゾッコン”になる理由
二階堂ふみ  女優の二階堂ふみ(21)とシンガー・ソングライターで俳優の星野源(34)の熱愛が一部スポーツ紙で報じられた。  2013年9月公開の映画「地獄でなぜ悪い」(園子温監督)の共演で知り合い、今年夏に公開されたウェブのCMで再共演し距離を縮め、交際に発展したという。 「二階堂は元カレの俳優・新井浩文(36)と昨年11月に破局、一方の星野は歌手のaiko(39)との交際が報じられていました。若手女優のなかでも実力はピカイチと言われる二階堂ですが、実は芸能界を代表する“サブカル女子”としても有名。好きな本は室生犀星の『性に目覚める頃』で、好きな作家は泉鏡花。セックス・ピストルズのジョン・ライドンをこよなく愛し、自らも音楽活動をするなどサブカル系女子から支持され、サブカル男子やおじさんにも圧倒的人気です」(スポーツ紙記者)  2人の所属事務所は、それぞれコメントを発表し、二階堂サイドは「仲の良い友人の一人です」と交際を否定していない。再共演したウェブCMでは、「収録中、星野のアドリブにも動じることなく息がぴったりでした」(代理店関係者)という。  また、出会いとなった映画「地獄でなぜ悪い」では、二階堂は「星野のことを“源さん”と呼んでいた」(映画関係者)とも。 「当時は未成年だったので、お酒は飲みませんでしたが、よく園子温監督や共演者と食事にいっていました。もう、そのころから、年上キラーでおじさんたちはメロメロでしたね。昨年、二十歳になりお酒も飲めるようなったので、最近は友人とよく飲みに行くようです。園子温監督の行きつけの居酒屋などにも行くそうで、監督も『やっと一緒に酒が飲める』と喜んでいたそうですよ。沖縄出身だけあって、泡盛も好きで、母親が上京した時などは、親子で家飲みするそうです。酔うと、饒舌になり楽しいお酒のようです」(前出の映画関係者)  サブカル系でお酒も強くて、話も面白い女の子……おじさんたちにはたまらない。 (ライター・浜中こまき)
恋愛熱愛
dot. 2015/11/04 11:30
いまさら聞けない! 朝ドラ「あさが来た」のモデルはどんな人?
いまさら聞けない! 朝ドラ「あさが来た」のモデルはどんな人?
NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」の主人公のモデルとなった広岡浅子=大同生命提供 (c)朝日新聞社  NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」の週間平均視聴率が、5週連続で20%の大台を超え、好発進を維持している。ドラマの原案は明治の女性実業家・広岡浅子を主人公とした『小説 土佐堀川』(古川智映子著、潮出版社)。晩年の浅子の写真を見ると、どっしりとした「ナニワのおばちゃん風」である。しかし、若いころの洋装姿はヒロインを演じる波留のようにスマートだ。商いと教育に全力を傾け、「明治の女傑」といわれた浅子の生涯とは?  ヒロイン「白岡あさ」のモデルとなった浅子は、1849年に豪商・三井高益(たかます)の四女として京都市内で生まれた。高益は出水三井家(後の小石川三井家)の6代目当主に当たる。三井家といえば、後の三井グループにつながる名家で、同族の11家が協力して事業を展開し、利益を分配する独自のシステムで繁盛した。  三井家の史料により浅子の出生をたどると、「別腹」とある。宮崎あおいが演じる姉「はつ」のモデルである2歳年上の春も本妻の子ではない。史料には母親がだれなのか記されていない。ドラマでは両親の愛情を受けて育った姉妹として描かれている。商家の当主が正妻以外に愛人を持つことは当時、珍しくなかったかもしれない。史実をドラマに重ねれば、「雛人形を手に幸せになりたい」と切実に願う姿に、生い立ちの陰を見ることもできる。  ドラマでは「あさ」が幼いころ、「女子に学問など要らぬ」と言われながらも、親の目を盗んで書物を読み、そろばんをはじき、木登りをした様子が印象深い。おてんば娘の「あさ」は明るく奔放で、思慮深い「はつ」と好対照をなしている。しかし、浅子は無邪気なだけではなかったようだ。晩年に記した自伝『一週一信』にこうある。 「女子を器物同様に、親の手から夫の手に渡すといふ事は、何といふ不當な事であらう」 「男勝り」というには、あまりにもスケールの大きい後の生きざまや、女性教育の充実に私財と情熱を注いだ功績は、少女時代の経験に、その萌芽があったと考えることができる。  17歳の時、浅子は大阪の豪商・加島屋の広岡信五郎と結婚した。ドラマでは玉木宏が家業に関心の薄い夫を、粋な若旦那風に演じている。「男の沽券にかかわる」と浅子の行動力を制限するタイプではなかった。信五郎は1904年に他界するまで、浅子の最大の理解者であり続けた。  嫁ぎ先である加島屋の主な取引先は諸藩であり、幕末の混乱時に浅子は金蔵にある不良債権の束を見て危機感を抱く。明治維新後、経済が混乱した時期には金策に走り、店を存続の危機から救った。生家・三井家の堅実な経営方針は、浅子のDNAにしっかり刻まれていたわけだ。  以後、浅子は加島屋の経営を掌握し、商才を発揮する。1886年に福岡県飯塚市にあった潤野炭鉱を買い取って経営、成功を収めた。ピストルを懐に忍ばせ、洋装で炭鉱に乗り込み、炭坑夫を叱咤激励したという逸話が残っている。また、88年に加島銀行を設立し、1902年には大同生命の創業に参加した。  晩年は女性教育の推進に貢献している。梅花女学校の校長である成瀬仁蔵の依頼を受け、日本初の女子大学校となる日本女子大の創設を物心両面で支えた。また、女性向けの勉強会を主宰し、女性参政権獲得運動に生涯をささげた市川房枝や、翻訳家・作家として『赤毛のアン』など多くの作品を生んだ村岡花子などに刺激を与えた。キリスト教徒の出会いも、教育者としての見識を深めたと思われる。  浅子は1919年1月14日に69歳で亡くなっている。『小説 土佐堀川』によると、最期の言葉は「ふだん言うとったことが、みな遺言や。何も言うことはない」。密度の濃い一生を生き切った感がある。  ドラマや小説以外でも、浅子の生涯について知ることができる。大同生命は、「あさが来た」の放送が終了する来年3月までの予定で、大阪本社内にあるメモリアルホールで「大同生命の源流“加島屋と広岡浅子”」と題した特別展示を開催中だ。浅子の書簡や帳面、新選組の近藤勇局長と土方歳三副長の連名による借用書などが並ぶ。  大同生命大阪本社が建つ「大阪市西区江戸堀1丁目2番1号」は加島家本家の跡地だ。付近は、阪神高速道や高層ビル群が立ち並ぶ大阪一のビジネス街。土佐堀川の流れを眺め、浅子が生きた時代を感じてみてはどうだろう。 (ライター・若林 朋子)
あさが来たドラマ
dot. 2015/11/03 07:00
仙台真田家13代・真田徹「大坂の陣の後、次男は伊達政宗の庇護下で生き延びた」
仙台真田家13代・真田徹「大坂の陣の後、次男は伊達政宗の庇護下で生き延びた」
大坂の陣で徳川家康を追い詰め、“日本一の兵”と称される戦国武将・真田幸村(※イメージ)  大坂の陣で徳川家康を追い詰め、“日本一の兵”と称される戦国武将・真田幸村。来年、NHK大河ドラマ「真田丸」が始まるのを前に、ゆかりの地に大勢の人が詰めかけるフィーバーぶりだ。幸村の末裔である仙台真田家13代・真田徹さん(67)が秘話を披露した。 *  *  *  真田幸村は、関ケ原の戦いで東軍についた兄・信之と別れて西軍につき、敗れたのちは、父・昌幸とともに高野山の九度山に逃れました。  昌幸の死後、幸村は大坂冬の陣、夏の陣を戦いましたが、1615年、夏の陣で討ち死にしました。幸村には子供が13人(男子4人、女子9人)いましたが、長男の大助はこのときに自害。当時、まだ4歳だった次男の大八と4人の娘が奥州に逃れました。そこで大八が仙台真田氏を興し、私はその13代で、幸村から数えると14代にあたります。  大八や娘たちが生き残ったのは、幸村が生前、大坂の陣で敵方にあった仙台藩伊達氏の家臣、片倉重綱[(しげつな)小十郎]に、子供たちを託したからです。講談などでは、幸村の娘の阿梅(おうめ)が白装束になぎなたを持って重綱の前にあらわれ、「自分は真田幸村の娘だ」という書状を持っていたので、重綱が「自分も男だ、わかった」と引き受けた、という涙の物語で語られていますね。ただ本当のところは、そうではないでしょう。重綱がそれほど重大な決断を一人でできるとは考えにくい。事前に藩主の伊達政宗と幸村との間で、子供を頼むというやりとりがあったのではないかと思いますが、そのあたりの事情は史実としてはわかっていません。  引き取られた後、藩は大八の存在を隠していました。家康を窮地に陥れた幸村の子が生き残っているとなれば、徳川幕府が許すはずがありませんから。そこで伊達家は幕府を欺くため、大八は「8歳のときに京都で死んだ」という情報を九度山の蓮華定院に流したうえで、実際の大八については、家系図を操作して「真田幸村の叔父の孫だ」と幕府に報告していたようです。  大八は、伊達家に召し抱えられた際、一時真田姓を名乗りましたが、幕府から家筋調査を受け、姓名を片倉守信(もりのぶ)と変えました。いまの宮城県蔵王町に、360石を与えられました。  その後、次の辰信(ときのぶ)の代になって、正式に真田姓に復帰しました。大坂の陣から100年近くも経ってからのことです。  幸村は兄の信之と袂を分かちましたが、1673年、辰信の時代に、信之の子孫と再会したという記録が残っています。信之を初代藩主とする松代藩の3代・幸道が、愛媛にあった伊達家から正室をもらうことになり、その際、伊達の本家が後見人になりました。そこで、伊達屋敷に幸道が訪れ、供応の場で二人が対面したそうです。  一方、大八の姉である阿梅は、のちに片倉重綱の後室になりました。重綱との間に子はありませんでしたが、片倉家3代目となる景長の養母となり、領民に長く慕われたそうです。また、阿菖蒲(おしょうぶ)は、重綱とは別の家系にあたる片倉家に嫁いでいます。阿菖蒲は墓所に父・幸村の墓を建てて供養しました。  仙台真田家の屋敷は、明治維新のときになくなっていて、今はありません。鎧は代々、うちに残っています。これは真田昌幸から幸村に伝えられたもので、大坂冬の陣が終わってから大八に形見分けしたものでしょう。  仙台真田家の文書は大量に残っています。いまは蔵王町の教育委員会に預けて、整理してもらっているところです。とくに大八から数えて9代、江戸時代末期から明治期の当主だった真田幸歓(喜平太)のころのものがたくさんあって、いま残っている仙台真田氏の家系図も、「古い家系図をもとに幸歓のときに編纂し直した」と、記録されています。  片倉家とのつながりは代々ありますね。いまも、片倉家のご当主とは交流があり、双方の家が途絶えぬよう、後見しあう関係です。  NHK大河ドラマの「真田丸」が来年始まるとあって、最近はイベントなどに呼ばれる機会も増えました。盛り上がりを感じています。 (本誌・鈴木 顕、森下香枝/カスタム出版・横山 健) ※週刊朝日  2015年11月6日号
真田丸
週刊朝日 2015/11/02 07:00
介護職残酷物語 人材不足で過酷労働、薄給、イジメ、パワハラ
介護職残酷物語 人材不足で過酷労働、薄給、イジメ、パワハラ
スタッフ間でもイジメ、パワハラが横行するという負のスパイラルに…  年間約28万人が離職するとされる介護現場が荒んでいる。慢性的な人手不足で労働は過酷なのに薄給。来るもの拒まずで、モラルが低下し、虐待事件が急増。スタッフ間でもイジメ、パワハラが横行するという負のスパイラルに陥っているのだ。  川崎亜希子さん(仮名・41歳)は高校中退後、10代で妊娠し、現在はシングルマザーとして一人娘を養っている。 “元ヤンママ”だけあって、かなりパワフルな女性だ。介護職に就いて13年になる彼女も、陰湿なイビリを経験した。 「他に選択肢もなく、手っ取り早くやれたので、この仕事に就きました。利用者さんの情報が細かく書かれたアセスメントシートを隠されたり、男性社員と肉体関係があると囁かれたり、右も左もわからないから質問するのに『今、忙しい!』ってつっけんどんにされて、途方にくれたりと、いろいろありましたね」  川崎さんがいちばん参ったのは、入社3カ月目に「翌月のスケジュール表を組め」と言われたことだ。  利用者480人を1カ月間お預かりする一覧表――。 「Aさんは市から何日間の利用が認められていて、○日と×日と△日を希望されている。どんな介護が必要で、何が食べられないとか、全てを把握したうえで、延べ480人分のスケジュールを作成しなければならない。何も教わっていなくて知識がないから組めるはずないんですよ。そうやって、新人が困るように困るようにもっていくんです。結局、事務系社員に聞いてできるようにしました」  同僚たちが入っては辞めていくなか、川崎さんは娘を育てるために、と歯を食いしばった。 「他の業種に変わりたいって気持ちもあります。でも、資格もないし、年齢的なハンディもあるので、介護しかない。とにかく耐えました。正直、他の仕事に就けない人が堕ちてくる業界だと感じざるを得ません。パワハラが多いのは、人生をちゃんと生きていないからでしょう。歪んでいる人が多く、屈折を吐き出す場所を探しているんじゃないかと思いますね」  12年度の介護福祉士養成大学連絡協議会・公開シンポジウム資料では、09年9月時点で、大学で介護福祉士の資格を取得した数は、全体のわずか1.28%と報告された。  志を持った若者を育て、少しでも介護業界を向上させたいと奮闘する十文字学園女子大学人間生活学部人間福祉学科の宮内寿彦教授は話す。 「現在は大学での『介護福祉士』取得者は1%未満と推測され、約75%は、3年間の実務経験を積み、国家試験を突破した方々です」  宮内教授は福祉の教壇に立って18年目。近年の虐待事件等、介護現場の問題点を将来改善していってほしい、と学生に伝える。 「私は入学してきた学生に対して、『あなたが目指す介護福祉士像とは?』と問いかけ、文章にさせることから始めています。半年ごとに書かせては見直し、新たな目標を立てさせることを卒業までやります。自分の志を振り返り、次の課題に進むんですね。DVDやテキスト、事例を素材にして、どうしてこういうことが問題なのだろう?と介護の基礎と倫理観を育てます。していいことと、いけないこと、自分で判断していいことと、いけないことを、授業で理論的に取り入れています」  宮内教授は川崎市、山口県下関市、大分県杵築市、名古屋市などの虐待事件についてもこう語る。 「今、現場で暴言や虐待行為が発生している原因はいろいろとあるでしょう。職場の組織風土、人間関係、不満やストレス。しかし、いつか自分の親が施設を利用するかもしれない、自分も老いて、施設を利用するかもしれない。『あなたは、あなたの介護を受けたいですか?』と問いたい。利用者や家族の思いに寄り添うことが大切です。介護現場の入り口で最低限のモラルを備えるように、教育研修を強化していかねばなりません」  厚生労働省は人材不足に対処するため、「介護人材の裾野を広げる」と言い、将来的に多くの未経験者が現場に立つ可能性を示唆した。 「研修制度を充実させなければ、ケアの質が下がり、負のスパイラルに陥るでしょうね」(宮内教授)  社員育成に頭を悩ませる介護施設経営者にも匿名で話を聞いた。年商3億2千万円。100人弱の従業員を抱え、関東地方でデイサービスを展開中だ。 「正直な話、全産業の平均年収より26万4千円も低い(13年分、国税庁発表)介護業界に、優秀な人間は集まってきません。虐待事件なども、労働者の質の低さが大きな要因となっています。とにかく人手がほしいと、資格もない労働力をかき集めた結果でしょう。また、この世界に男性が少ないのは、妻子を養っていけないからです」 「寿退社」という言葉があるが、介護の世界におけるそれは、男性社員が結婚を機に、より賃金の高い仕事に変わることを指す。 「今後は弊社も大学で福祉を学んだ学生を新卒で採用したいですね……。非常に難しいですが、ニュースも見ない、日本の首相の名も知らない、社会事情に疎いといった人間を教育していくには、徹底した研修しかないと思っています」 (本誌・林 壮一) ※週刊朝日  2015年11月6日号より抜粋
介護を考える
週刊朝日 2015/10/30 07:00
篠原涼子「オトナ女子」は“時代遅れ”? 評論家が分析
篠原涼子「オトナ女子」は“時代遅れ”? 評論家が分析
「ドラマが視聴者をリードするはずが、3歩くらい時代から遅れている」(※イメージ)  今季のドラマが出揃った。数字の上では「相棒」(テレビ朝日系)、「下町ロケット」(TBS系)がリード中だが、見どころはほかにもある。ドラマ評論家などが徹底分析した。 *  *  * テレビウォッチャーの吉田潮さんが「切り口にハッとした」と言うのは、夫婦や恋人と楽しめそうな「偽装の夫婦」(日本テレビ系・水曜22時)。こちらも初回14.7%と好スタート。45歳の図書館司書を演じる天海祐希が、ゲイの元カレ沢村一樹と偽装結婚する。脚本は「家政婦のミタ」や「○○妻」を書いた遊川和彦。天海と以前組んだ「女王の教室」は大ヒットした。吉田さんは言う。 「理想の夫婦を偽装の夫婦とモジったタイトルが興味を引くし、天海の本音が“字幕”の形で表現されて、その言葉にすかっとする」  たとえば、結婚準備をどんどん進める沢村の母に対し本音はこうだ。 <いい加減にしろよ、この暴走ババア>  内田有紀が演じる子持ちのレズビアンも登場するのだが、こうした設定も吉田さんは評価する。 「LGBTと呼ばれる多様な性は誰もが尻込みするテーマ。そこをやってのけるのは遊川さんならでは」  脚本でドラマ評論家の成馬零一さんが注目するドラマがもう一つ。2年半ぶりに連ドラ主演する篠原涼子が“アゲマンだが幸せになれないアラフォー女性”を演じる「オトナ女子」(フジテレビ系・木曜22時)。 「脚本の尾崎将也は『結婚できない男』や『アットホーム・ダッド』で、モテない男や主夫のようなニッチな題材を見つけた。強い女が定番化した篠原の弱さをどう描くか気になります」  ところが、ドラマが始まると内容以上に主人公のしぐさが「気になる」という意見が多かった。上智大学新聞学科の碓井広義教授(メディア論)も黙っていない。 「篠原さんが何度も長い髪をかき上げる。書き下ろしの脚本なのに、80年代後半のドラマを見ているかのような既視感と違和感が否めない。ドラマが視聴者をリードするはずが、3歩くらい時代から遅れている」  視聴者の戸惑いは、初回一桁(9.9%)という視聴率にも表れた。吉田さんは、初回を録画で2度見て髪をかき上げる回数を数えた。 「髪にちょっと触れるのも含めたら30回。癖というか演出だと思うんです、篠原さんの。大物になったので周囲が何も言えないのかも」  2年半前に篠原がフジで主演した「ラスト・シンデレラ」(平均視聴率15・2%)くらいに巻き返しできるか。 ※週刊朝日 2015年11月6日号より抜粋
ドラマ
週刊朝日 2015/10/29 11:30
学校現場の大問題

学校現場の大問題

クレーム対応や夜間見回りなど、雑務で疲弊する先生たち。休職や早期退職も増え、現場は常に綱渡り状態です。一方、PTAは過渡期にあり、従来型の活動を行う”保守派”と改革を推進する”改革派”がぶつかることもあるようです。現場での新たな取り組みを取材しました。AERAとAERA dot.の合同企画。AERAでは9月24日発売号(9月30日号)で特集します。

学校の大問題
働く価値観格差

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職場にはびこる世代間ギャップ。上司世代からすると、なんでもハラスメントになる時代、若手は職場の飲み会なんていやだろうし……と、若者と距離を取りがちですが、実は若手たちは「もっと上司や先輩とコミュニケーションを取りたい」と思っている(!) AERA9月23日号では、コミュニケーション不足が招く誤解の実態と、世代間ギャップを解消するための職場の工夫を取材。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉に対する世代間の感じ方の違いも取り上げています。

職場の価値観格差
ロシアから見える世界

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プーチン大統領の出現は世界の様相を一変させた。 ウクライナ侵攻、子どもの拉致と洗脳、核攻撃による脅し…世界の常識を覆し、蛮行を働くロシアの背景には何があるのか。 ロシア国民、ロシア社会はなぜそれを許しているのか。その驚きの内情を解き明かす。

ロシアから見える世界
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