
【2024年9月に読まれた記事②】子ども4人の忙しい毎日 散らかった家から目を背けていた「ダメな私」が片づけたら人生が変わり始めた
散らかっているので仕事から帰っても安らげなかったリビング/ビフォー
暮れゆく2024年を、AERA dot.の記事で振り返ります。9月は「子ども4人の忙しい毎日 散らかった家から目を背けていた『ダメな私』が片づけたら人生が変わり始めた」の記事が特に読まれました(※年齢、肩書等は当時のものです)。
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5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
case.80 家も頭もパンパンだった環境が一変 夫・子ども4人/パートタイム
ライフステージが変わるときは、わかりやすい形の扉を開けて一歩を踏み出すとは限りません。ゆるやかな道を進む途中で、ふと周りを見渡したときに以前いた場所とは変わっている景色に初めて気づくということもあります。
そのタイミングで、生活の基盤でもある家の中を見直して片づけると、各段に暮らしやすくなります。ところが、忙しい毎日の中で周りを見渡す余裕もなくなり、ライフステージが進んだことに気づかないと、今の生活には必要のないモノが家の中に残って散らかるようになってしまいます。
中には、ライフステージが進んだことに気づいても、見ないふりをする人もいます。
「今までなんとなく流されて生活をしてきて、本質的なことと向き合っていなかった気がします。表面だけ取り繕ってきたというか……」
こう話してくれる裕理さんは、4人の子どもがいるママ。育児と仕事に精一杯で、モノが散乱している家をどうにかしようという気力も残っていなかったと言います。
夫婦で片づけが苦手。裕理さんは子どもの頃から3人きょうだいの中で1人だけ片づけられないというコンプレックスを持っていました。
「部屋の中だけじゃなくて、頭の中もやらなきゃいけないことがいっぱいでした。一旦、立ち止まりたいと思って、仕事の閑散期に合わせて2カ月お休みをもらったんです」
休暇を有意義なものにするために何かしたいと思っていた裕理さんは、たまたま家庭力アッププロジェクト®の存在を知りました。
「家のことも見直してみようかなと思っていたので、軽い気持ちで見てみたら45日間で片づけられるというのに惹かれて。2カ月も休みが取れることなんてこの先ないかもしれないので、ちょうどいいタイミングだなと運命を感じましたね」
いつもなら、1日6時間ほどの仕事を終えると食事の準備や子どもたちの習い事の送迎に忙しくて時間の余裕はありません。「今やらないと後悔する」と思った裕理さんは、参加することを決めます。
裕理さんが強く片づけようと思ったのには、二つのきっかけがありました。
家族がくつろげる広々空間に。きれいな状態も毎日キープ/アフター
一つは、子どもから「僕は友だちの家に呼んでもらっているのに、自分の家には呼べない」と言われたこと。もう一つは、幼稚園からの手紙を整理できていなくて子どもの写真を注文する期限に間に合わなかったことです。
「私はなんでこんなにダメなんだろう」
子どもの頃から自己肯定感が低いタイプ。せめて“片づけられない”“捜し物が多い”という自分を変えたいと思いました。
片づけは、家族6人分の希望や意見を聞きながら大がかりなものになりました。
一番大変だったのは、1階のリビングに近いところにあった長男の部屋を2階に移動したこと。思春期で受験も近づいてくる長男に、落ち着ける空間を作ることができました。もともと長男が使っていた部屋は、昼間は下の2人の子どもたちが遊べる場所に、夜は夫の書斎に変身。
「多目的な部屋になりましたが、限りある部屋数でなるべくみんなの意見を取り入れました」
夫は忙しい仕事の合間に机や本棚を移動するなど、かなり協力的に。裕理さんが頑張って片づけているので、散らかった家に無頓着だった夫も変わり始めたのです。家がきれいになった後は、「会社から帰ってきても疲れないね」とうれしそうに言ってくれました。
子どもたちの成長に伴い、裕理さん家族のライフステージは少しずつ変わっていました。でも、忙しい毎日の中で現実から目をそらし、子どもたちが小さな頃のままの環境で過ごしてきたことにより、暮らしにくさをみんなが感じていたのです。
でも片づけを通して今の生活ときちんと向き合い、家族みんなが納得しながら片づけたので、今はとても快適に過ごせるようになりました。
大きな変化は裕理さん自身にも起こっていました。
「家族にガミガミ言うことがなくなりました。たまに片づけてもすぐに散らかるので、『なんで私ばっかり片づけて……』って当たり散らしていたんだと思います。今は家族がどこに何があるかわかってすぐに戻すので、散らかりません。怒らなくてよくなったんですね」
さらに、片づけは家事の効率化にも役立ちました。
モノが多くて動きにくかったキッチン/ビフォー
「これまでは料理をするためにキッチンを片づけるという、マイナスをゼロにすることから始めないといけなかったんです。それがなくなって、すごく楽になりました」
頭の中がいっぱいだった状況も、改善されています。
「優先順位が付けられるようになりました。急ぎのことや重要なことがわかるので、パッと行動に移せます。子どもが4人いるのでやることは多いですが、回せるようになってきたかな」
優先順位を意識できるようになった裕理さんは、プロジェクトが終わった後に転職をしました。以前の職場は通勤に片道30分以上。往復1時間も通勤にかけるのがもったいないと気づきました。
「タイパを考えて、今の職場は玄関を出て3分くらいの場所にあります。少しでも家族や自分のために時間を使いたいと思って。仕事内容も、今の方がやりがいを感じられて自分に合っているみたい」
床置きのモノがなくなり、作業スペースも広がりました/アフター
片づけは自分にとって必要なモノだけを残して不要なモノを手放します。裕理さんは頭の中でもそれができるようになったみたいですね。
不要なモノを手放せるようになった裕理さんは、必要なモノだけに囲まれた家の中で、家族と自分の大切な時間を過ごせるようになりました。次のライフステージでも、きっと過ごしやすい環境を整えられますね。
「もっと早く片づければよかった! 悩んでいた時間がもったいなかったです」
裕理さんのこの言葉は、片づけを後回しにしている人の背中を押してくれるかもしれません。まずは身近なところを一カ所だけ、片づけてみませんか?
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