検索結果170件中 1 20 件を表示中

ファンが選んだ沢田研二「究極の一曲」に“納得” 音楽評論家スージー鈴木氏が選んだのはキーを間違えて歌った「名曲」
太田裕子 太田裕子
ファンが選んだ沢田研二「究極の一曲」に“納得” 音楽評論家スージー鈴木氏が選んだのはキーを間違えて歌った「名曲」
76歳の誕生日を迎えた沢田研二  6月25日に76歳の誕生日を迎えた沢田研二。半世紀以上にわたる歌手活動で世に送り出してきた500を超える楽曲の中で「究極の一曲」はどれか、AERA dot.編集部がアンケートを実施。「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」「カサブランカ・ダンディ」がトップ3に選ばれた。なぜ、それぞれの曲はファンの心をつかんだのか、人気音楽評論家のスージー鈴木氏が紐解いた。 *   *   *  AERA dot.編集部では「読者が選ぶ沢田研二の『後世に残したい一曲』」と題して、沢田研二の数ある名曲の中から「究極の一曲」をファンに聞いた。上位の3曲は以下の通りだ。   1位「時の過ぎゆくままに」 2位「勝手にしやがれ」 3位「カサブランカ・ダンディ」    回答数は1346人で、男女比は男性40.6%、女性58.5%。回答者の年代は60代が48.9%と最も多く、次いで50代が25.4%だった。     【こちらも話題】 【祝】沢田研二が76歳に ファンが選ぶ“後世に残したい究極の一曲”は「とてつもなく美しい」 衝撃の演出の名曲もそろったトップ5 https://dot.asahi.com/articles/-/226195  この結果について、音楽評論家のスージー鈴木氏は「予想通りですよね」と話す。 「男女比は少し女性が多く、年齢層も50~60代が多く、沢田研二をよく知っていらっしゃる世代。沢田研二の全てのキャリアの中で最も売れた『時の過ぎゆくままに』が1位で、1977年の第19回日本レコード大賞を受賞した『勝手にしやがれ』が2位と続きます。まさに沢田研二が歌謡界を席巻した70年代後半をリアルタイムで知っている方たちが選んだらこうなるだろうと、とても納得できる結果だと思いました」   いま聴いても本当にカッコいい  上位3曲で過半数を占め、「やはりこの曲」という結果だったが、スージー鈴木氏はそれぞれの楽曲の魅力をこう話す。  まず、1位だった「時の過ぎゆくままに」は累計91.6万枚を記録し、沢田研二のシングルの中で最も売れた曲だ。 「そもそも一番売れた曲であるのと、歌謡曲とフォークの中間=“フォーク歌謡”というのでしょうか、作詞は阿久悠で作曲が大野克夫なのに、まるで、当時のフォークソングの旗手=吉田拓郎が作ったような曲。フォークブームにしっかり照準を合わせ、その波を逃さずに追い風とした、当時の渡辺プロダクションの勢いや時代性も感じます」   【こちらも話題】 【祝】沢田研二、76歳の誕生日 ファンが選ぶ“後世に残したい究極の一曲”は? 「蠱惑的」「男の色香」の名曲が並ぶ10~6位 https://dot.asahi.com/articles/-/226124   「勝手にしやがれ」 撮影/写真映像部・高野楓菜 協力/歌謡曲BAR スポットライト 新橋   そして2位の「勝手にしやがれ」は、レコード大賞にも輝いた、誰もが認める曲。スージー鈴木氏は「いま聴いても本当に音がカッコいい」と声を弾ませる。 「当時、まだ20代の船山基紀が編曲して、日本レコード大賞では大賞以外に編曲賞も受賞しています。エコーが深い音像で、何しろ極めつけはイントロですよね。船山氏は派手なイントロを作るのがうまくて、聴いたら一発でこの曲だとわかる」    船山基紀は、中島みゆきの『悪女』(82年)、少年隊の『仮面舞踏会』(85年)、C-C-Bの『Romanticが止まらない』(85年)を手掛けた名編曲家だが、「勝手にしやがれ」は船山氏のキャリアの中で最初の成功事例となった。 「沢田研二の歌唱ももちろん素晴らしいのですが、この曲が愛され、また今回のアンケートでこうして2位に選ばれたのは、サウンドそのものも影響していると思います」(スージー鈴木氏)    3位の「カサブランカ・ダンディ」については、まず歌詞に関してスージー鈴木氏からひと言。 「女の頬を張り倒す、という歌詞が、昭和の“不適切歌謡”だと(笑)、最近しばしば説明されますが、阿久悠氏はそんな単純な歌詞を書いていないのです」  歌詞に出てくる“ボギー”とは、映画『カサブランカ』の主演俳優のハンフリー・ボガートの愛称であり、ボギーのいた時代を回顧した歌詞なのだという。 「決して沢田研二自身が女性を張り倒しているわけではない(笑)。最近、勘違いされがちですが、阿久悠氏はそんな粗暴な歌詞を書く人ではないとお伝えしたい」    昭和と令和をタイムスリップするテレビドラマ『不適切にもほどがある』(TBS系)のカラオケシーンで取り上げられたことから歌詞が再注目されたが、そういうことも含め、昭和、平成、令和と後世に長く残るものなのだろう。   声がひたすら素晴らしい!  では、沢田研二を聞き込んできたスージー鈴木氏が選ぶ究極の一曲とは。 「シングルバージョンではなくて、アルバム『S/T/R/I/P/P/E/R』に収録されているバージョンの『渚のラブレター』です」   【こちらも話題】 沢田研二ファンに聞いた「後世に残したい『究極の一曲』」ランキング 感動&感涙のコメントであふれた11位~15位 https://dot.asahi.com/articles/-/226271   『渚のラブレター』は、今回の編集部のアンケートでは16位だった。現在行われている沢田研二の全国ツアーでも歌われたとX(旧ツイッター)などのSNSに投稿があり、それを見たファンが歓喜していた名曲だ。  スージー鈴木氏は「“アルバム”バージョンと明記してください!」と念押しする。  シングルバージョンは編曲の伊藤銀次がアレンジし、レトロな遊び心のあるサウンドなのだが、アルバム『S/T/R/I/P/P/E/R』に収録されているバージョンは英国・ロンドンで録音され、シンプルでストレートなバンドサウンドに仕上がっているという。   「その中で、沢田研二の声が、ひたすら素晴らしい!」  と、スージー鈴木氏は強調する。 「キーがCで想定されていた曲なのですが、間違えて全音上のDで演奏してしまったらしく、つまり事前の想定よりも高い音域なんですが、見事に歌いこなしています。私は何回も聞いていますが、沢田研二のオールキャリアの中で、個人的にはベストトラックだと思います。  沢田研二は70年代後半から歌がグッと上手くなって、だんだんと細い声から太い声になっていくんです。『渚のラブレター』はちょうどその中間なんですね。繊細さとロックっぽい野太さがうまく交じり合った見事なボーカルです」    上位の3曲だけでも、これほどまでに語れる名曲がある沢田研二は、やはり稀有のスーパースターだ! (AERA dot.編集部・太田裕子) ◎スージー鈴木/音楽評論家、ラジオDJ、作家。昭和歌謡から最新ヒット曲まで、幅広い領域で音楽性と時代性を考察する。近著に「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」(ブックマン社)のほか、「中森明菜の音楽1982-1991」(辰巳出版)「桑田佳祐論」(新潮社)「サザンオールスターズ1978-1985」(新潮社)「EPICソニーとその時代」(集英社)「平成Jポップと令和歌謡」(彩流社)など著書多数。   【アンケート結果はこちら】 ファンが選ぶ“究極の一曲”は「とてつもなく美しい」 名曲そろいのトップ5 https://dot.asahi.com/articles/-/226195 ファンが選ぶ“究極の一曲”は? 「蠱惑的」「男の色香」の名曲が並ぶ6~10位 https://dot.asahi.com/articles/-/226124 ファンに聞いた「究極の一曲」 感動&感涙のコメントであふれた11~15位 https://dot.asahi.com/articles/-/226271 ファンが選ぶ「究極の一曲」 「一番しびれる」名曲も入った16~20位 https://dot.asahi.com/articles/-/226267 【こちらも話題】 ファンが選んだ「究極の一曲」に“納得” スージー鈴木氏の「名曲」は https://dot.asahi.com/articles/-/226378      
沢田研二ジュリー76歳時の過ぎゆくままに勝手にしやがれカサブランカ・ダンディ
dot. 2024/06/27 11:00
山本彩「死ぬまでやるぞ!」から「自分を労わる大切さ」に気づいた日 歌に込めたホンネとは
山本彩「死ぬまでやるぞ!」から「自分を労わる大切さ」に気づいた日 歌に込めたホンネとは
自分の言葉で丁寧にインタビューに応じてくれた山本彩さん。凛とした表情が印象的だ(撮影/写真映像部・高野風菜)  NMB48を経て、2019年に本格的にシンガー・ソングライターとしての活動をスタートした山本彩(やまもと・さやか)さん。昨年7月に30歳を迎えた。意外なことに、かつては30代になっても音楽活動を続けられているとは「思っていなかった」のだという。 *  *  * 【前編から読む】 山本彩「劣等感は今のほうが強い」 アイドル時代からルックスやキャラクターより大切にしてきたこと https://dot.asahi.com/articles/-/220045 音楽以外にできることがない 「音楽で生活をしていくことの大変さや難しさは漠然とわかっていたので、自分がその一握りの存在になれるとは全く思っていなかった。きっとどこかで挫折して終わるんじゃないかと思っていました。  いま、30代になっても音楽の仕事を続けられていることが、まずすごくありがたいことだと思っています。過去、バンドを組んでいた時期もありましたが解散したし、アイドルグループとしての活動も終わりを迎え、区切りになるタイミングがいくつもありました。そこで活動が終わらず、続けられていることに希望を感じるんです。  結局、私には音楽以外にできることがない。だから、戻ってくる。  歌うことが楽しいし、曲を作ることも楽しいし、それを聴いてもらえた時の達成感や幸福感は音楽でしか得られないものだということは何度も体験してきました。それが一番大きいと思います」 目標がない時期があってもいい  ただし、30代になったタイミングで、先のビジョンが大きく変わった。 「『ずっと音楽をやっていきたい』という気持ちはありますが、『死ぬまでやるぞ!』と決めるというよりは、一瞬一瞬が積み重なって、気づけば10年、20年続いているのが理想です。  20代は『生涯現役が目標です!』と公言していました。それによって、『やらなきゃいけないんだ』と感じることも多く、自分で自分の首を絞めていたところもあったと思います。  明言することも時には必要だと思いますが、それでしんどさを感じるのであれば、具体的な目標がない時期があってもいいんじゃないかなと思うようになりました」  楽曲制作に対する姿勢も変わった。心にどこか、ゆとりが生まれた。 柔らかい表情で撮影に臨む山本彩さん(撮影/写真映像部・高野風菜 hair & make up chim styling Samu Kashiwagi costume AKIKO AOKI) 「中島みゆき」の味わい深さ 「これまで曲を作るときは『よっしゃ、作るぞ!』と、気合を入れないと進められなかったんですが、『やってみるか』という軽い感じで始められるようになりました。肩の力を抜いたら、一層楽しめるようになった。  これまでは自分のために歌っているような曲が多かったですが、100%誰かのために歌う曲を書いてみたいと思うようにもなりました。  それに、思いを包み隠さない、生々しい曲は年齢を重ねることで説得力が増してくるように思っています。綺麗な言葉ではなかったとしても、リアルな像が浮かぶような曲が書けたらいい。  以前、中島みゆきさんの楽曲をカバーさせていただいたんですが、シンプルな言葉なのにすごく味わい深さを感じました。そこに、人生経験が影響していると思ったんです」 やっていないことやり尽くそう  プライベートの過ごし方も変わったという。 「プライベートでは行動力がすごく上がりました。今までやっていないことを意識するようになり、やっていないことはやり尽くそうぐらいの勢いです(笑)。まずは、やれることから始めていて、ゴルフを始めたり、ペーパードライバー講習を受けに行ったり。年内に車を買おうと思っています。  プライベートと仕事のバランスが50:50なのが、今の自分にとってはきっとベストなんだと思います。  20代は仕事にエネルギーを費やして、そんな自分を労わる気持ちが足りなかった。仕事をとことん追求したら、その分プライベートも充実させたい。インプットとアウトプット、どちらかが欠けるとバランスが取れないと思いますし、心身に余裕がないと閃きも生まれないと思っています」  人生の大切な局面には、いつも音楽があったという。音楽活動をやっていて一番楽しい瞬間は? 音楽でしか得られない幸福感や達成感についても語ってくれた(撮影/写真映像部・高野風菜 hair & make up chim styling Samu Kashiwagi costume AKIKO AOKI) 「ライブをやっているときと、新しい何かを見つけたとき。例えば、初めてご一緒した方と制作をしたり、ステージに立ったりして、刺激を受けたときは、すごく楽しいと感じます」  自身の初の試みとして、今年2月から3カ月連続での配信リリースを始めた。 「これまで、リリースのスパンが長めになっていたことと、ライブで新しい曲を育てていきたいと思ったことが理由です。 痣も瘡蓋も私の一部  私は時間があると先延ばしにしてしまうタイプなので、3カ月連続でリリースすると決めてみました。第2弾の『ブルースター』では、初めてアニメ(『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』)のエンディング主題歌を担当させてもらいました。曲を作るうえで、まず作品に寄り添うことを大切にしました。物語を自分自身に置き換えて考えて、自分に価値がないと思っていたところから、誰かとの出会いによって、自己肯定力が上がっていくことが伝わればいいなと思いました」  特に「自分の本音が出ている」という歌詞が、2番の「痣も瘡蓋も私の一部だって 今はそう言える気がするの」というフレーズだ。 「弱った分だけ、傷ついた分だけ、強くなったり視点が増えたりする。折れなかったら見えなかったものや生まれなかった感情がきっとたくさんあると思っています。そういう痣も瘡蓋も、自分にとっては大切な一部。私はソロになる前から、自分の精神的な弱さと向き合いながら、歩んできました。それによって、大抵の壁ではへこたれずに冷静でいられるようになったと思っています。  活動休止したことでも、ちょっとした悩みをポジティブに捉えられるようになった。元気な状態で『書きたい』とか『歌いたい』という意欲さえあればなんでもできる。『あとは自分次第だな』とシンプルに考えるようになったんです」  そう話す表情は、しなやかだった。 (構成/ライター・小松香里) 山本彩(やまもと・さやか)/1993年7月14日生まれ。大阪府出身。2010年に発足したNMB48に1期生として8年間キャプテンをつとめ、中心メンバーとして活動。16年からシンガー・ソングライターとしての活動もスタート。新曲「ブルースター」はアニメ「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?」のエンディングテーマとして、自身が書き下ろした楽曲
dot. 2024/04/19 11:00
浜崎あゆみが中島みゆき「時代」をカバー、橋本環奈主演ドラマ『万博の太陽』主題歌に起用
浜崎あゆみが中島みゆき「時代」をカバー、橋本環奈主演ドラマ『万博の太陽』主題歌に起用
浜崎あゆみが中島みゆき「時代」をカバー、橋本環奈主演ドラマ『万博の太陽』主題歌に起用  浜崎あゆみが、中島みゆきの楽曲「時代」をカバーし、3月24日21時より放送されるテレビ朝日開局65周年記念ドラマプレミアム『万博の太陽』(主演:橋本環奈)の主題歌に起用されることが発表となった。  放送終了直後である、3月25日0時より各配信サイトにて本楽曲が配信リリースされることも決定。なお、浜崎あゆみにとってドラマ主題歌は2015年にリリースされた「Step by step」(仲間由紀恵主演NHKドラマ10『美女と男子』主題歌)以来、約9年ぶりとなる。 ◎浜崎あゆみ コメント 今回のこのドラマが描き出す世界観、特に、女性の社会進出が全く認められていなかった時代に夢を追いかけ続けた主人公たちのストーリーに共感し、主題歌を引き受けさせていただきました。 中島みゆきさんの偉大な名曲に敬意を表しながら、最高のスタッフ、ミュージシャンたちと共に制作に臨み、私なりに精一杯表現させていただきました。 素晴らしいドラマに少しでも力添え出来ていると嬉しいです! 浜崎あゆみ ◎リリース情報 シングル「時代」(浜崎あゆみカバー) 2024/3/25 DIGITAL RELEASE ◎番組情報 テレビ朝日開局65周年記念ドラマプレミアム『万博の太陽』 2024年3月24日(日)21:00~ https://www.tv-asahi.co.jp/banpakunotaiyo/
billboardnews 2024/03/05 18:36
ヒコロヒー「連載当初の設定を途中から忘れてしまい…」 短編恋愛小説集、執筆の裏側を語る
ヒコロヒー「連載当初の設定を途中から忘れてしまい…」 短編恋愛小説集、執筆の裏側を語る
ヒコロヒー/1989年、愛媛県生まれ。近畿大学の落語研究会、松竹芸能大阪養成所を経て2011年にピン芸人としてデビュー。以降、多くのテレビ番組に出演。俳優、エッセーの執筆なども行う(撮影/写真映像部・高野楓菜)    人気芸人・ヒコロヒーさんが、短編恋愛小説集を上梓した。いまをサバイブする人々への愛ある突っ込みであふれている。AERA 2024年2月19日号より。 *  *  * ――Webメディア「かがみよかがみ」で連載していた短編小説18編が、このたび一冊にまとまりました。 ヒコロヒー:連載当初は日常をネタにしたエッセーを書いたのですが、当時の編集長から「恋愛ものを書いてみないか」と言われたのが始まり。文字数も2千字程度と短かったので、「エッセーよりもネタを考えなくていいからいいかな」と軽い気持ちで引き受けました。 ――小説を書く時間を捻出するのは大変だったのでは。 ヒコロヒー:そうでもないです。1回分だったら移動中に30分とかで書いていました。 ――収録されているのはすべて短編です。2千字程度と文字が少ない分、テーマが明確でないと書くのが難しかったように感じるんですが、テーマはどんな時に思いつくのでしょうか? ヒコロヒー:締め切りの日に考えつくことがほとんどでした。 撮影/写真映像部・高野楓菜   恋愛小説は読まない ――よく間に合いましたね。 ヒコロヒー:絞り出す……感じでしょうかね。日常的に「これは小説のネタにしよう」なんて考えたり、メモをとっているとかではまったくなくて「さあ、書くぞ」というときに思いつく感じです。 ――影響を受けた作家や作品などはありますか。 ヒコロヒー:それこそ連載当初は「中島みゆきさんの曲をテーマに書いてみよう」と試みているんです。読んでいる人が「あれ? これ中島みゆきの歌をモチーフにしてない?」とぼんやり気がつく程度ですが。でも途中からその設定を私も編集部も忘れてしまい(笑)、以降、思いつくままに書きました。 ――お笑いと小説、共通することはありますか。 ヒコロヒー:共通点は、白紙から文字を起こすってことですね。他の人がさわってない島の土地を掘り起こしに行くというか……そういったところは似ていると思います。ただ、お笑い芸人は人を笑わせないといけない。だから一言一言、「どうしたら笑ってもらえるか」を、それはもう真剣に考えます。構成も「笑かす」「笑ってもらいたい」が第一優先です。小説は別に笑ってもらわなくてもいいわけですから、多少気楽です。 ――人物描写や情景描写が的確だったのは、一言に意味を込める作業を、芸人として日頃から繰り返されているからなんですね。 ヒコロヒー:「お笑い」というジャンルは無形なんですね。目の前の人に笑ってもらう、という無形のものの積み重ね、繰り返しなんです。今回、連載が一冊の本にまとまって痛感したんですが、小説は本という形になる。「形になる」というのは、お笑いにはなかなかないことで、結構うれしいことだなと気がつきました。もちろん、芸人もDVDとか何かしらの形に残ることはありますが、本になるというのはまた違う喜びでした。 (構成/編集部・工藤早春) ※AERA 2024年2月19日号より抜粋 撮影/写真映像部・高野楓菜  
ヒコロヒー
AERA 2024/02/18 16:00
【ビルボード】≒JOY『きっと、絶対、絶対』総合アルバム首位獲得 SixTONES/TREASUREが続く
【ビルボード】≒JOY『きっと、絶対、絶対』総合アルバム首位獲得 SixTONES/TREASUREが続く
【ビルボード】≒JOY『きっと、絶対、絶対』総合アルバム首位獲得 SixTONES/TREASUREが続く  2024年1月24日公開(集計期間:2024年1月15日~1月21日)の総合アルバム・チャート“Hot Albums”で、≒JOYの『きっと、絶対、絶対』が総合首位を獲得した。 『きっと、絶対、絶対』は≒JOYのデビュー・ミニアルバムで、12月にMVが公開された「きっと、青い」やリード曲「無謀人」を含む全10曲が収録されている。本作はアルバム・セールス100,108枚で1位、ダウンロード数94DLで47位を記録している。 続いて、前週総合首位を記録したSixTONES『THE VIBES』が総合2位に登場。同作はアルバム・セールス27,726枚で2位を記録している。そして、前週総合5位のTREASURE『REBOOT』がアルバム・セールス14,696枚で3位を記録し、総合3位に浮上している。 総合4位には、『うたの☆プリンスさまっ♪』の最新ドラマCDがアルバム・セールス8,114枚で4位を記録してチャートイン。そして、iScreamの2ndアルバム『Selfie』がアルバム・セールス7,559枚で5位、ダウンロード数52DLで92位を記録し、総合5位に登場している。 また、NEMOPHILAの3rdアルバム『EVOLVE』、そしてグリーン・デイの約4年ぶりとなるニューアルバム『セーヴィアーズ』がそれぞれ初登場でのトップ10入りを果たしているほか、新たにリマスター版が発売された中島みゆきのベストアルバム『SingleS』が9位に登場している。◎【Hot Albums】トップ101位『きっと、絶対、絶対』≒JOY2位『THE VIBES』SixTONES3位『REBOOT』TREASURE4位『うたの☆プリンスさまっ♪Dramatic Masterpiece Show「ファウスト ラストカンタータ」』(ドラマCD)5位『Selfie』iScream6位『EVOLVE』NEMOPHILA7位『replica』Vaundy8位『ANTENNA』Mrs. GREEN APPLE9位『SingleS』中島みゆき10位『セーヴィアーズ』グリーン・デイ
billboardnews 2024/01/24 18:19
NEWS20周年ライブ 「関係者席」から観た景色と音と未来 ミッツ・マングローブ
ミッツ・マングローブ ミッツ・マングローブ
NEWS20周年ライブ 「関係者席」から観た景色と音と未来 ミッツ・マングローブ
ミッツ・マングローブ    ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの連載「今週のお務め」。28回目のテーマは「『関係者席』から観たNEWS」について。 *   *   *  今年も本当にたくさんのコンサートやライブ、舞台を観に行く機会を頂きました。松任谷由実(3回)、20th Century、山下達郎、男闘呼組(2回)、MISIA、八方不美人、ナジャ・グランディーバ、The Good-Bye、和田アキ子、浅田真央、TM NETWORK、椿鬼奴(劇団椿)、爆笑問題(タイタンライブ)、小泉今日子、鈴木杏樹、さらには中尾ミエからピーターまで。実にいろいろなステージに足繁く通いました。  コンサート・イベント・舞台・スポーツ観戦などには、昔から「関係者席」と呼ばれるものがあります。そこには、読んで字のごとく、その興行に関わりのある縁者や顧客、家族を中心とした人たちが案内されます。平たく言えば「身内」です。 「関係者」は会場でチケット代を支払うのが通例ですが、演者や興行主側から「招待」を受けるケースもあります。  昨今、人気の高い興行などでは、「関係者席」の存在自体に疑問を抱く人たちも多いと聞きますが、私も、長年にわたって自分が出役の興行を催している身として、どんなに「不公平だ」だの「客を蔑ろにしている」だのと言われても、この慣習(程度の差はあれど)はなくせないものだと思っています。  もちろん、私も「一般枠」で人気コンサートなどのチケットを買う難しさを知っています。今のようにネットなどなかった学生時代には、週末の早朝から、「ぴあ」や「セゾン」を扱う駅近くの窓口に並んで、ユーミンやプリプリや森高や安室奈美恵といった人気コンサートチケット争奪戦に精を出していたものです。  ラーメン屋も遊園地もトイレにも並びたくない傲慢で怠惰な私が、人生で唯一懸命に並んだのは、後にも先にも「ぴあ」だけです。お陰で、高校時代から洋邦問わず、たくさんのコンサートを観ることができました。      一方で、自力で獲ったチケットと同じくらい、私には強力な「関係者的コネ」を持った両親や親族がいたため、その恩恵に随分と甘えさせてもらったのも事実です。  一介の学生が、世界的一流アーティストを、甚だ優遇された席で観たコンサートもいくつかありました。特に1990年代は、「プラチナチケット」と呼ばれていた、松任谷由実、ドリカム、中島みゆき、B’z、サザン、安室奈美恵、マライア、ホイットニー、マドンナ、ジャネット、YMO、スティービー・ワンダー、エリック・クラプトン、マイケル・ジャクソン、ジャミロクワイ、アース・ウィンド&ファイアーなど、挙げたらキリがありませんが、「関係者席」ではないにしろ、何かしら大人の力を頼って手にしたチケットはたくさんあります。    ただひとつだけ、「コネ」があろうと「遠縁」であろうと、絶対に「関係者」としては観に行けない興行がありました。それが「ジャニーズ」です。 「ジャニーズを観たけりゃ、まずファンクラブ」というのが、当時から絶対的な定説でした。私は、ずっとジャニーズファンでしたが、公式ファンクラブなるところに入会した経験はゼロです。  もっと言えば、90年代後半ぐらいまで「男子学生がジャニーズ好きを公言する」「ジャニーズのコンサートに行く」という概念すらなかったぐらい、彼らは「女性たちだけのもの」でした。  もちろん、男子だろうと、ファンクラブに入会し、熱量高めの女性客たちに交ざって、SMAPやV6のコンサートを観るのは夢でしたが、男にとってそれは、今とは比べ物にならないぐらいハードルが高かったのは確かです。      20代になったある日を境に、私の中の人生目標のひとつに、「ジャニーズのコンサートを『関係者席』で観られる人間になる。もしくはそれにふさわしい社会的地位を得る」が加わりました。  それができるまでは、どんなに世の中が変容して、ファンクラブや一般に男性客が増えようと、私は頑なに「関係者席」に向けてのみ、自分を高めることに心血を注いだと言ってもよいでしょう。    そして幾年月が流れ、初めて「関係者受付」を通って、「関係者席」で観たジャニーズライブは、2012年に秩父宮ラグビー場で行われたNEWSのツアーでした。当時私は37歳。  山下智久さん・錦戸亮さんといったフロントメンバーが抜け、4人体制(小山慶一郎・増田貴久・手越祐也・加藤シゲアキ)となった新生NEWSの初ライブは、「時間はかかったけど信念を曲げずに続けていく覚悟と悦び」を目一杯に表していたNEWSの気持ちや境遇が、自分の「ジャニーズ道」と勝手にリンクして、今でも忘れられないコンサート経験のひとつとなっています。 「ズルい手口」に見える人もいるかもしれませんが、本当ならば、10代の頃から強火な女子ファンたちに交じって、ハートを撃ち抜かれたかった。けれど、私にその勇気と気概がなかった故に、どうにか自分の力で辿り着いたのが、「関係者席」なのです。  そんなNEWSは今や3人(小山・増田・加藤)になり、先日東京ドームで、デビュー以来のシングルをすべて歌うという全47曲、3時間にも及ぶ大コンサートを開催しました。      2003年の結成時には9人でスタートしたNEWS。誰かが脱退する度に継続が危ぶまれ、ついには3人となり、しぶとく20周年を迎えたわけです。こんなアイドルグループ、世界中見渡しても私は知りません。もちろん、途中加入のメンバーもいません。  9人で歌っていたデビュー曲を、3人で歌い分ける姿というのは、もはや「慣れ親しんだ聴こえ方」云々よりも、エグみと苦みすら大粒の汗と太い声にしてしまうような純度に溢れていて、まるで爽やかな炭酸飲料の「原液」を全身に浴びているようでした。  この「音を浴びる」という感覚は、昨今のアイドルコンサートではなかなかお目にかかれない大切な「生々しさ」のひとつです。ダンスや演出も素晴らしかった。とりあえず、NEWSが20周年を迎えたという事実は、激震の中にある旧ジャニーズ勢にとって、間違いなく大きな励み、力になるでしょう。  そして今後の「ジャニーズ」が、NEWSのように、「生々しく」なっていくのであれば、私はそれを歓迎します。本来、アイドルというのは「生もの」で賞味期限のある存在です。その「期限」をどこまで自分たちで延ばしていけるかは、特に10年以上のキャリアを持つアイドルたちにとっては、もがき苦しみ闘う日々でしかないはずです。それをこれからも見せつけてくれるのであれば、私は何度だって足を運びます。  それを見ずして「ジャニーズ崩壊」などと表層的でお門違いないちゃもんばかりをつける世間を、私は断じて認めません。  もはやK-POPに歯が立たなくなり、会社の権威も失墜した今、NEWSの3人をはじめとする旧ジャニーズ勢が、これから何をしていくか。これぞ純国産のアイドル文化の答えであり終わりであり、ともすれば始まりのような気がしているのです。    みなさんよいお年を! ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する 【こちらもチェック!】 ミッツ・マングローブさんのコラム「今週のお務め」「アイドルを性せ!」はこちら!      
ミッツ・マングローブNEWSジャニーズ
dot. 2023/12/22 16:00
若い頃は中島みゆきの曲「怖い」と思ったけれど…船戸陽子女流三段が感じた年を取るということ
松本博文 松本博文
若い頃は中島みゆきの曲「怖い」と思ったけれど…船戸陽子女流三段が感じた年を取るということ
船戸陽子(ふなと・ようこ)/1974年4月23日生まれ。49歳。東京都渋谷区出身。88年、13歳で女流3級。亜細亜大学卒。2007年、ソムリエ資格取得。21年、女流三段。23年、通算200勝達成(撮影/横関一浩)    AERAの将棋連載「棋承転結」では、当代を代表する人気棋士らが月替わりで登場します。毎回一つのテーマについて語ってもらい、棋士たちの発想の秘密や思考法のヒントを探ります。32人目は、船戸陽子女流三段です。AERA 2023年11月20日号に掲載したインタビューのテーマは「私の家族」。 *  *  *  11月7日。船戸陽子は女流公式戦の対局に臨んだ。 「おかげさまで久しぶりに勝ちました。今週の『しいたけ占い』で、牡牛座はベージュがラッキーカラーだったので、ベージュのワンピースを着ていって。『しいたけ占い』は独特の言い回しが好きで、ほんと毎週楽しみなんですよね。毎週月曜更新で、午前中から『いつ更新されるかな』って何度もリロードしてるぐらいファンなんです(笑)」  女流棋士としての仕事が一段落すれば、ソムリエとしてワインバーを開く。 「対局の前日は基本的にお休みにして、終わった日の夜には、勝っても負けても開けています。負けたら悔しいんですけれど、お店にお客さんがいれば、気がまぎれます」  店では自身の好きな音楽をかけている。 「その日の天候とかによってかける曲は変えたりしてます。ジャズだと最近はジョン・コルトレーンが多いかな。ある方から『コルトレーン好きな女性って初めて見た』って言われたんですけど、男女は関係ないと思います(笑)。『マイ・フェイバリット・シングス』聴いてるうちに『そうだ、京都行こう』と思って、行ってきました。あ、旅行も大好きです。昔はそれこそ1人でふらっと海外にも行ってたんですけど、コロナ禍でだいぶライフスタイルが変わって。母方の伯父は、外資系の銀行に勤めながらジャズメンでもありました。私の母は武蔵野美術大学出身で、いっぱい家に画集とかあって。色彩的感覚みたいなのはたぶん、母から知らず知らずのうちに学びました。私がアート・ブレーキーの『モーニン』をかけてたら、母が『あ、その曲いつもね、ムサビの寮で口ずさんでる子がいたのよ。おさげの女の子で、その曲を口ずさみながら、階段を下りていくの』って。映画みたいな情景を語ってきたりして」 一族はみんな「のめりこむオタク気質」という船戸陽子。自身は将棋とワインのプロになった。「盤の上にもボトルの中にも宇宙がありますね」(撮影/横関一浩)   「私は高校生ぐらいから、宅録で打ち込みとかやってました。テクノとかハウスです。コロナ禍で家にずっといたとき、海外の音楽フェスの映像をずっと見てて、それに飽きたら自分でDJをやってたんですよ。そしたら家人が、私にDJの才能がすごくあると思いこんじゃったのね。ベルギーで『Tomorrowland』っていう音楽イベントがあるんだけど『Tomorrowlandに行けんじゃね?』って言い出したの。もしこれをお読みの関係者の方がおられたら、オファーお待ちしています、なーんてね(笑)。将棋で例えると、アマチュアからスタートして、いきなり竜王戦で1組に上がるみたいなものですよ。『行けるわけないだろ!』って話です(笑)。お店で一人のときは、DJやってます。昔はレコードとかCDとかいっぱいないとできなかったけど、いまはiPad一つでできるので」  1999年、女流棋士発足25周年のイベントでは、バンドを組んで演奏を披露した。 「本田小百合さん(現女流三段)がギター、中倉宏美さん(現女流二段)がベース、中倉彰子さん(現女流二段)がボーカルで、私がキーボードでした。『ヘイ・ジュード』と『レット・イット・ビー』だったかな。将棋とは関係ないメンバーのバンドで、吉祥寺のライブハウスでレニー・クラヴィッツのコピーをしたり。若い頃は中島みゆきさんの曲は、業が深すぎて怖いと思ったり、シャンソンのよさもわかんなかった。だけどここ10年でわかるようになって。『年を取る』って、そういうことかなと思うんです。四十になってわかったことがいっぱいあります」 (構成/ライター・松本博文) ※AERA 2023年11月20日号
AERA 2023/11/20 10:30
なぜ「工藤静香」は今でもすべてを手に入れられるのか 完璧に妻と母をこなして歌手としても重宝される理由
宝泉薫 宝泉薫
なぜ「工藤静香」は今でもすべてを手に入れられるのか 完璧に妻と母をこなして歌手としても重宝される理由
工藤静香    工藤静香(53)の新曲「勇者の旗」が8月2日に発売された。8月16日から始まったドラマ「科捜研の女 season23」(テレビ朝日系)の主題歌としても流れる予定だ。工藤がテレビドラマの主題歌を歌うのは16年ぶりとなる。  ちなみに、彼女が「禁断のテレパシー」でソロデビューを果たしたのは、1987年8月31日。ただ、歌手活動のスタートは85年1月、3人組アイドル・セブンティーンクラブの一員としてだった。ここでは売れなかったものの、おニャン子クラブに入ってブレーク、派生ユニットのうしろ髪ひかれ隊のメンバーとしても人気を博すこととなる。 「科捜研の女」も24年間に及ぶ長寿シリーズだが、彼女の歌手活動歴はじつに38年間。おニャン子クラブ出身者で他に、今も現役の歌手なのは演歌を地道に歌い続ける城之内早苗くらいだろう。いや、80年代を彩ったアイドルのなかにも工藤のような人はひと握りしかいない。 【関連記事】 Koki,を守る…工藤静香のメディア対応に見る“孟母”ぶり  ではなぜ、彼女にそれができているのか。  よく言われるのは、2000年に結婚したキムタクこと木村拓哉の存在だ。昨年開催された「ぎふ信長まつり」では46万人もの観衆を集めた国民的スターであり、その妻としての注目度はやはり高い。さらに、長女も次女も芸能の道に進んだことで、家族全員の話題も尽きない状況だ。    とはいえ、木村を射止めたのも、娘たちがそこそこ成功しているのも、彼女が「特別な何か」を持っていたからこそだろう。  まず、木村との関係でいうと、彼女は年齢で2歳上、芸能界ではかなり先輩にあたる。彼がジャニーズ事務所に入ったころ、彼女はすでにトップアイドルだった。1991年の「NHK紅白歌合戦」では、4度目の出場となった彼女と初出場のSMAPが対決。先攻のSMAPが歌ったあと、紅組司会の浅野ゆう子が、 「白組のぼくちゃんたち、元気ですねぇ。しーちゃんも頑張ってください」  と紹介して、彼女を送り出した。  なお、彼女はいわゆるヤンキー的な男性に人気があり、結婚前には諸星和己や的場浩司、YOSHIKIらとの交際を報じられてもいる。  一方で、木村には長年一般人の恋人がいたが、それが10年近い「永い春」に終わり、工藤とは交際1年余りで結婚するわけで、そこもやはり「特別な何か」のなせるわざだったのではないか。  思うに、それは強さとけなげさのギャップだろう。彼女は小学校時代、片想いしていた同級生の男子に消しゴムか何かをプレゼントして、こんなメッセージを添えたという。 「よかったら使ってね。気に入らなくても使ってね」   【関連記事】 良妻賢母なのに…工藤静香はなぜそんなに叩かれるのか? 次女のモデルデビューでまたも炎上 https://dot.asahi.com/articles/-/99351  押しの強さと少女っぽいけなげさが入り混じっていて、前者はアネゴ肌っぽい頼もしさに、後者は人懐っこいかわいげにつながるものだ。こういうところが木村に人生をともにする決断をさせ、ジャニーズ事務所を仕切っていたメリー喜多川にも一目置かせたのだと考えられる。  そして、そんなキャラクターは子育てにも反映されている。彼女は娘たちに早くから英語や音楽を習わせた。たたき上げの芸能人にありがちな英才教育だが、彼女らしいエピソードがある。  次女が4歳くらいのとき、都内の公園で友達と虫捕りに興じていて、そこに工藤も参加。大きなサングラスやブーツという芸能人丸出しのファッションでやぶのなかに分け入り、次女が指さした方向を見ながら、 「ホェア(Where)?  ホェア(Where)??」  と、大声で、かつ、日本人っぽい発音の英語で尋ねていたという。また、日本の店なのに、店員に英語で話しかけ、娘たちから「やめて」と言われたというお笑いのネタみたいな目撃談も報じられている。  押しの強さが勝ちすぎて、けなげというよりはマヌケな気もしなくはないが、彼女はいたって大マジメ。そうやってふだんから英語で話す習慣を身につけさせようとしていたのだろう。  実際、インターナショナルスクールに通った娘たちは英語を習得。音楽についても、長女はフルート奏者となり、次女は作曲もこなしている。  どうやら工藤には、高尚とされているものへの憧れがあるようで、画家や宝飾デザイナーとしての活動もそこから来ているのかもしれない。ただ、彼女に高尚なイメージを抱いている人はそんなにいないのではないか。むしろ、そこが強みというか、セレブになろうとしてなりきれない庶民っぽさみたいなものが親しみやすい身近さにもつながっているのだ。  これは芸能界のレジェンドというべき美空ひばりあたりにも通じるもので、大金を稼ぎ、豪邸に住み、おしゃれな服を着ても、どこかしら大衆的な雰囲気が抜けないことが大事だったりする。ファンはそこに憧れとシンパシーとをバランスよく抱けるからだ。  歌手としてのヒット曲にも、そんな揺るぎない大衆性みたいなものがある。「MUGO・ん…色っぽい」や「慟哭」をはじめ、その多くは作詞・中島みゆき、作編曲・後藤次利という組み合わせから生まれた。  中島はそれまで、研ナオコや桜田淳子、柏原芳恵らに作品を提供していたが、もっぱら作詞作曲の両方を担当。しかし、工藤のプロデューサー・渡辺有三は中島を起用するにあたり、詞だけを依頼して、サウンドは後藤に任せた。後藤はおニャン子クラブやうしろ髪ひかれ隊、さらには工藤のソロについてもデビュー曲から手がけており、その流れを継承させたかたちだ。この結果、中島のフォーク性と後藤の歌謡ロックっぽさが絶妙に融合。よい意味で歌謡曲的な下世話さを含んだ、独特の味のある世界に仕上がった。  80年代末から90年代初めにかけて、歌番組が減り、歌謡曲が衰退するなかで、彼女はヒット曲を連発。プライベートでのあれこれ以前に、こうした歌手としての実績が、一流芸能人としての証しとなっているのはいうまでもない。  ただ、アンチのなかには歌も嫌いだという人もいる。今回の新曲にまつわるネットニュースのコメント欄にも「『科捜研の女』には合わない」といった書き込みをいくつも見かけた。  また、例によって「生き残れているのはキムタクのおかげ」的な指摘も。だが、こうしたアンチの多さもまた、じつは強みであり「特別な何か」なのだ。  まず、メジャーで身近なものにしかアンチは生まれない。プロ野球でいえば、昔の巨人がそうだ。当時、全国ネットのテレビで見られるのはほぼ巨人戦だけだったので、球場に行くような人以外は巨人に関心を持つしかなかった。それゆえ、アンチ巨人もまた巨人ファンの一部だとも言われたものだ。  なお現在、アンチ巨人が目立たなくなったのは、巨人が昔ほど強くないというのも大きい。憎らしいほど強いという言い方があるように、強すぎるから憎まれるのである。  芸能人もまたしかり。成功すればするほど憎まれやすいし、同情の余地がなければないほど、アンチにとってもたたきやすい。  80年代アイドルにおいては、松田聖子が長年そういう存在だったが、一昨年、ひとり娘の死という悲劇が起き、アンチが影をひそめるようになった。また、中森明菜の根強い人気もかつての悲恋への同情という要素が色濃く、本物の人気とは言い難いところがある。  スターをスターたらしめる条件はやはり、同情ではなく、羨望や嫉妬なのだ。その点、現状では聖子や明菜より、工藤のほうがその条件を持ち合わせている。久々に新曲を出せば、人気ドラマの主題歌に決まるし、夫や娘たちの仕事もまずまず順調。それゆえ、アンチも同情する必要がなく、安心してたたいたりできるわけだ。  もちろん、そこには彼女のキャラやイメージも外せない。気さくで気も強そうで、アンチの存在など気に留めないように見えるところが今はプラスに働いている、ということも最後に付け加えておこう。(文中敬称略) 宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など   【関連記事】 中森明菜「伝説のコンサート」はなぜ33年たった今も「伝説」なのか https://dot.asahi.com/articles/-/39705
工藤静香
dot. 2023/08/19 11:00
柴咲コウ、自身の誕生日8/5にバースデイイベント開催&アルバム発売と4年半ぶりのツアーも決定
柴咲コウ、自身の誕生日8/5にバースデイイベント開催&アルバム発売と4年半ぶりのツアーも決定
柴咲コウ、自身の誕生日8/5にバースデイイベント開催&アルバム発売と4年半ぶりのツアーも決定  柴咲コウが、メンバーシップ “KO CLASS”限定のバースデイイベントを8月5日にビルボードライブ東京にて2ステージ開催した。 【GIFT】と題した同イベントでは、「月のしずく」「かたちあるもの」をはじめ、“柴咲コウに歌ってほしい曲”としてファン投票で選ばれた中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」、福山雅治とのユニットKOH+の「ヒトツボシ」、さらには“KO CLASS”メンバーに呼びかけ収録された合唱パートが響く新曲「TRUST」がライブ初披露された。そして、20年におよぶ音楽活動を年表で振り返るトークショーなども行われた。  また、本公演MCにて、11月にアルバム『柴咲コウACTOR'S THE BEST ~Melodies of Screens~』をリリースすること、12月からツアー【柴咲コウ CONCERT TOUR 2023 ACTOR'S THE BEST】を開催することが発表された。 音楽活動20周年を締めくくる作品として企画された『柴咲コウACTOR'S THE BEST ~Melodies of Screens~』には、『バトル・ロワイヤル』『世界の中心で、愛をさけぶ』『オレンジデイズ』など数々の作品に出演してきた柴咲コウが、自らの歌声でカバーした主題歌や挿入歌などが収録される。  約4年半ぶりのツアー【柴咲コウ CONCERT TOUR 2023 ACTOR'S THE BEST】は、神奈川・ハーモニーホール座間を皮切りに、北海道、京都、福岡、東京、静岡をまわる全国6都市7公演のツアーとなる。◎リリース情報アルバム『柴咲コウACTOR'S THE BEST ~Melodies of Screens~』※2023年11月リリース予定◎公演情報【柴咲コウ CONCERT TOUR 2023 ACTOR'S THE BEST】2023年12月9日(土)神奈川・ハーモニーホール座間2023年12月12日(火)北海道・Zepp Sapporo2023年12月15日(金)京都・ロームシアター京都 メインホール2023年12月20日(水)福岡・Zepp Fukuoka2023年12月23日(土)東京・立川ステージガーデン2023年12月24日(日)東京・立川ステージガーデン2023年12月27日(水)静岡・アクトシティ浜松 大ホール
billboardnews 2023/08/07 16:03
中島みゆき主題歌音源が解禁、映画『アリスとテレスのまぼろし工場』本予告映像
中島みゆき主題歌音源が解禁、映画『アリスとテレスのまぼろし工場』本予告映像
中島みゆき主題歌音源が解禁、映画『アリスとテレスのまぼろし工場』本予告映像  9月15日公開の映画『アリスとテレスのまぼろし工場』本予告映像にて、中島みゆきによる主題歌「心音(しんおん)」の音源が解禁された。  岡田麿里監督最新作、MAPPA初のオリジナル劇場アニメーション『アリスとテレスのまぼろし工場』。岡田監督によるオリジナルストーリーとなる本作では、突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町を舞台に、止められない“恋する衝動”を武器に未来へともがく少年少女の物語が描かれるという。  今回、アニメーション映画へ初めて楽曲を書き下ろした中島みゆきは、「届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。岡田麿里様は、中島の絶大なる「推し」です!」とコメントしている。 ◎中島みゆき コメント全文 ゲームもアニメもさっぱりわからない中島に、御注文をくださるとは、なんでなの?と謎な気持ちで、届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。 岡田麿里様は、中島の絶大なる「推し」です! スタジオで初めて岡田麿里様にお目にかかった日は、ただもう中島は物陰から、じぃっとお姿を拝見するばかり。 一瞬だけ駆け寄って「この台本、好きです!」と言うのが精一杯でした。まるで中学生の片想いレベルです。 後日うちのスタッフがCDジャケットの描き下ろしまでお願いしたと聞いて、中島は血の気が引きました。 なんという厚かましいお願いでしょう。 中島、ひれ伏して御礼申し上げるばかりです。 ◎映画情報 『アリスとテレスのまぼろし工場』 2023年9月15日(金)全国公開 配給:ワーナー・ブラザース映画 MAPPA (C)新見伏製鐵保存会 https://youtu.be/CUenxyQYMjs
billboardnews 2023/07/27 15:33
竹原ピストル、弾き語りライブAL『One for the show』リリース決定
竹原ピストル、弾き語りライブAL『One for the show』リリース決定
竹原ピストル、弾き語りライブAL『One for the show』リリース決定  竹原ピストルが、弾き語りアルバム『One for the show』を9月13日にリリースすることが決定した。  同作は、「よー、そこの若いの」「Forever Young」などの代表曲だけでなく、「カウント10」「オールドルーキー」といったファンから根強い人気を誇る楽曲、「落陽」(吉田拓郎)、「ファイト!」(中島みゆき)などといったカバー曲まで、実に50曲以上、CD3枚組の大ボリューム作品となるということだ。  この弾き語り音源は、2022年のミニアルバム『悄気る街、舌打ちのように歌がある。』のリリース後に、全国47都道府県をまわった2本のツアー、そしてその間に全国津々浦々で出演してきたライブ・イベントなど、合わせて100を優に超えるライブより、各楽曲のベストテイクを厳選したもの。  オーディエンスに向けて歌うことによって完成された、スタジオ音源とは異なる生々しい歌声とサウンドにより、竹原の紡ぐ歌詞がよりダイレクトに響くものとなっている。  合わせて公開されたジャケット写真は、この2年間で実際に竹原がライブで使用したギターの弦を集めて撮影された。文字通り竹原の汗の沁み込んだ象徴的なデザインとなっている。  また、VICTOR ONLINE STOREでは、オリジナルウインドブレーカー(ストレッチフーディー)とCDのセット商品が販売される。伸縮性と速乾性に優れた3シーズン対応のフーディーは、胸と背中に、お馴染みとなっている竹原ピストルロゴと本作のタイトルがデザインされた、ファン必携のアイテムとなっている。 ◎リリース情報 アルバム『One for the show』 2023/9/13 RELEASE <通常盤(CD3枚組)> VICL-65862~65864 4,500円(tax out) <VICTOR ONLINE STORE限定商品> 10,000円(tax out)
billboardnews 2023/07/04 00:00
【ビルボード 2023年上半期Artist 100】Official髭男dismが堂々1位、総合100位圏内に8曲入り
【ビルボード 2023年上半期Artist 100】Official髭男dismが堂々1位、総合100位圏内に8曲入り
【ビルボード 2023年上半期Artist 100】Official髭男dismが堂々1位、総合100位圏内に8曲入り  2023年の上半期Billboard JAPANトップ・アーティスト・チャート“Artist 100”で、Official髭男dismが総合首位を獲得した。  本チャートは、総合ソング“JAPAN Hot 100”と総合アルバム“Hot Albums”のポイントを合算したアーティスト・ランキングだ。Official髭男dismは、総合ソングチャートの全順位内で18曲、100位圏内に8曲、“Hot Albums”では100位圏外ではあるが5作がチャートインした。集計期間内に合計861,022,275回再生を挙げ、同指標2位のVaundyに約4,500万の大差をつけたストリーミングとラジオで1位となり、名実ともに“よく聞かれた曲”を持つアーティストといえるだろう。  総合2位のVaundyは、指標1位こそ無いものの、“JAPAN Hot 100”の全順位で23曲、100位圏内には5曲が入った。“Hot Albums”では66位に1作のみがチャートインと、楽曲数ではヒゲダンを上回ったが、アルバムタイトル数で差を付けられた。総合3位のback numberもVaundyと同様の展開だが、アルバム『ユーモア』のフィジカル・セールスの加点が総合順位を押し上げた。  「アイドル」が急伸を続けるYOASOBIは総合4位に。ダウンロード1位で、これも「アイドル」による20万超DLの影響が大きい。5位のAdoはカラオケ指標での1位が目を引くが、この加点の大半は『ONE PIECE FILM RED』によるもので、昨夏以降の知名度の全国的な浸透を裏付ける結果といえる。  そして、トップ10圏内に、King & PrinceとSnow Manが8位と9位にチャートイン。ともにソング、アルバムのCD指標で高ポイントを記録する一方で、動画再生でも同じように1位と2位を確保し、それぞれの動画再生数は合計で196,801,697再生、183,248,983再生だった。同指標3位のヒゲダンは100,581,650再生で、この2アーティストが頭一つ抜けた印象だ。この指標では、ボーイズグループのチャートインが目立っており、なにわ男子(動画再生9位、総合51位)、SixTONES(同13位、総合22位)、BE:FIRST(同14位、総合31位)、BTS(同17位、総合29位)、Stray Kids(同22位、総合16位)が動画再生指標トップ30位圏内に入っている。  ここで、CD指標順位をみてみると、トップ30で、かつ動画再生指標で100位圏外だったボーイズグループは、ジャニーズWEST(CD 7位、総合58位)、TOMORROW X TOGETHER(同8位、総合55位)、&TEAM(同14位、総合63位)、ATEEZ(同15位、総合80位)、TREASURE(同17位、総合56位)、ENHYPEN(同18位、総合79位)、NCT DREAM(同20位、総合71位)、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE(同25位、総合73位)、NEWS(同26位、総合100位圏外)、KAT-TUN(同28位、総合100位圏外)。そして、CD指標トップ30圏内、動画再生指標で100位圏内のボーイズグループは、King & Prince(同1位、総合8位)、Snow Man(同2位、総合9位)、SEVENTEEN(同3位、総合14位)、SixTONES(同4位、総合22位)、Stray Kids(同5位、総合16位)、INI(同6位、総合34位)、なにわ男子(同24位、総合51位)。  これらの結果から、群雄割拠の様相を呈しているボーイズグループ・シーンにおいて、大半がフィジカルでポイントを積み上げるグループと、動画再生を主としたデジタル指標でもポイントを獲得できるグループとに類別可能となりつつあることが分かる。これがどういう結果を今後もたらすか推測するのは時期尚早といえるが、“JAPAN Hot 100”にて述べたような、デジタルマーケットの拡大を考慮するならば、デジタル指標での加点についても目を配る必要があるのは昨年度以上に明らかになったといえる。今後のボーイズグループそれぞれの展開に注目だ。 Text by 礒崎誠二 【2023年上半期Billboard JAPANトップ・アーティスト・チャート“Artist 100”】トップ100 1位 Official髭男dism 2位 Vaundy 3位 back number 4位 YOASOBI 5位 Ado 6位 Mrs. GREEN APPLE 7位 優里 8位 King & Prince 9位 Snow Man 10位 米津玄師 11位 NewJeans 12位 あいみょん 13位 Saucy Dog 14位 SEVENTEEN 15位 Tani Yuuki 16位 Stray Kids 17位 マカロニえんぴつ 18位 結束バンド 19位 TWICE 20位 King Gnu 21位 LE SSERAFIM 22位 SixTONES 23位 藤井 風 24位 スピッツ 25位 10-FEET 26位 なとり 27位 SEKAI NO OWARI 28位 IVE 29位 BTS 30位 Aimer 31位 BE:FIRST 32位 ヨルシカ 33位 Da-iCE 34位 INI 35位 宇多田ヒカル 36位 RADWIMPS 37位 Novelbright 38位 MAISONdes 39位 8LOOM 40位 BUMP OF CHICKEN 41位 yama 42位 NiziU 43位 菅田将暉 44位 HoneyWorks 45位 乃木坂46 46位 JIMIN 47位 緑黄色社会 48位 百足&韻マン 49位 Uru 50位 ヤングスキニー 51位 なにわ男子 52位 平井大 53位 由薫 54位 Kanaria 55位 TOMORROW X TOGETHER 56位 TREASURE 57位 ずっと真夜中でいいのに。 58位 ジャニーズWEST 59位 MAN WITH A MISSION×milet 60位 ano 61位 MISIA 62位 wacci 63位 &TEAM 64位 DISH// 65位 Eve 66位 桑田佳祐 67位 幾田りら 68位 LiSA 69位 新しい学校のリーダーズ 70位 水曜日のカンパネラ 71位 NCT DREAM 72位 Agust D 73位 THE RAMPAGE from EXILE TRIBE 74位 [Alexandros] 75位 椎名林檎 76位 JO1 77位 中島みゆき 78位 ポルノグラフィティ 79位 ENHYPEN 80位 ATEEZ 81位 aiko 82位 すとぷり 83位 きゃない 84位 エド・シーラン 85位 XG 86位 BLACKPINK 87位 milet & Aimer & 幾田りら 88位 NMB48 89位 ONE OK ROCK 90位 レミオロメン 91位 清水翔太 92位 ちゃんみな 93位 Superfly 94位 川崎鷹也 95位 GReeeeN 96位 PEOPLE 1 97位 BSS (SEVENTEEN) 98位 松任谷由実 99位 Mr.Children 100位 AKB48 集計期間:2022年11月28日(月)~2023年5月28日(日)
billboardnews 2023/06/09 00:00
【ビルボード】幾田りら『Sketch』、初のDLアルバム首位 PrimeVideoで配信スタートの『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』が再浮上
【ビルボード】幾田りら『Sketch』、初のDLアルバム首位 PrimeVideoで配信スタートの『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』が再浮上
【ビルボード】幾田りら『Sketch』、初のDLアルバム首位 PrimeVideoで配信スタートの『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』が再浮上  2023年3月15日公開(集計期間:2023年3月6日~3月12日)のBillboard JAPANダウンロード・アルバム・チャート“Download Albums”で、幾田りら『Sketch』が初登場首位を獲得した。  本作は、幾田りら初のオリジナルアルバム。NHKドラマ10『大奥』主題歌の「蒲公英」や、 火曜ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』主題歌「レンズ」など、計11曲が収録されており(CDは全13曲)、初週2,116DLを売り上げている。  続く2位は、1,848DLを売り上げたONEW(SHINee)の1stフルアルバム『Circle』がチャートイン。そして3位は、1,285DLのTWICE『Ready To Be』と、初登場が上位3作を占める結果となった。  4位は、Ado『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』が10位からジャンプアップ。週間ダウンロード数を約4倍増やし、7週ぶりにトップ5入りを果たした。ジャンプアップの要因は、『ONE PIECE FILM RED』が3月8日より、PrimeVideoで配信されたことによるもの。CD売上も増加しており、引き続きチャートアクションに期待したい。  その他、2022年8月にリリースされたNewJeans『New Jeans』が20位から10位にジャンプアップ。週間ダウンロード数が約2.3倍増加となった。 ◎【Download Albums】トップ10 1位『Sketch』幾田りら(2,116DL) 2位『Circle』ONEW(SHINee)(1,848DL) 3位『Ready To Be』TWICE(1,285DL) 4位『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』Ado(1,029DL) 5位『結束バンド』結束バンド(898DL) 6位『HUMAN』ReoNa(831DL) 7位『BLUE GIANT オリジナル・サウンドトラック』上原ひろみ(541DL) 8位『X』GENERATIONS from EXILE TRIBE(480DL) 9位『世界が違って見える日』中島みゆき(447DL) 10位『New Jeans』NewJeans(393DL)
billboardnews 2023/03/15 00:00
【ビルボード】ジャニーズWEST『POWER』総合アルバム首位獲得
【ビルボード】ジャニーズWEST『POWER』総合アルバム首位獲得
【ビルボード】ジャニーズWEST『POWER』総合アルバム首位獲得  2023年3月8日公開(集計期間:2023年2月27日~3月5日)の総合アルバム・チャート“HOT Albums”で、ジャニーズWESTの『POWER』が総合首位を獲得した。  ジャニーズWESTの9thアルバムである『POWER』には、シングルとしてリリースされた「星の雨」やメンバーの重岡大毅が作詞作曲した「むちゃくちゃなフォーム」などの楽曲が収録されている。本作はCDセールス249,868枚で1位を記録した。  総合2位には前週首位を獲得したStray Kidsの『THE SOUND』がチャートイン。同作はCDセールス102,780枚で2位、ダウンロード数353DLで7位を記録している。続いて、中島みゆきの44thアルバム『世界が違って見える日』が3位に登場。同作はCDセールス27,275枚で3位、ダウンロード数1,562DLで1位を記録している。  ほかには、Rockon Social Clubの1stアルバム『1988』、SUPER★DRAGONの5thアルバム『mirror』、ExWHYZの1stアルバムに活動休止から復帰したmidorikoのボーカルを加えた『xYZ hYPER EDITION』、そして『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER jewelries』シリーズの最新作がそれぞれ初のトップ10入りを果たしている。 ◎【HOT Albums】トップ10 1位『POWER』ジャニーズWEST 2位『THE SOUND』Stray Kids 3位『世界が違って見える日』中島みゆき 4位『1988』Rockon Social Club 5位『Tank-top Flower for Friends』ヤバイTシャツ屋さん 6位『mirror』SUPER★DRAGON 7位『結束バンド』結束バンド 8位『xYZ hYPER EDITION』ExWHYZ 9位『BLUE GIANT オリジナル・サウンドトラック』上原ひろみ 10位『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cool jewelries! 004』
billboardnews 2023/03/08 00:00
【先ヨミ・デジタル】中島みゆきと結束バンドがDLアルバム首位を走行中
【先ヨミ・デジタル】中島みゆきと結束バンドがDLアルバム首位を走行中
【先ヨミ・デジタル】中島みゆきと結束バンドがDLアルバム首位を走行中  GfK Japanによるダウンロード・アルバム売上レポートから、2023年2月27日~3月1日の集計が明らかとなり、中島みゆきの『世界が違って見える日』と結束バンドの『結束バンド』が共に530ダウンロード(DL)でトップを走っている。  中島みゆきの44thアルバム『世界が違って見える日』には、ドラマ『PICU 小児集中治療室』の主題歌「倶(とも)に」や吉田拓郎がゲスト参加した「体温」を含む全10曲が収録されている。そして、TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』劇中バンドのフルアルバムである『結束バンド』は、3月1日発表のダウンロード・アルバム・チャート“Download Albums”でも通算7度目の首位を獲得していた。  そして、映画『BLUE GIANT』のサウンドトラックが262DLを売り上げ、3月1日発表の同チャートから引き続き3位を走っている。  その他トップ10には、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のキャラクターソングアルバム(252DL)が4位、lynch.の約3年ぶりとなるニューアルバム『REBORN』(226DL)が5位、『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER jewelries!』シリーズの最新作(206DL)が6位、米倉利紀の27thアルバム『black LION』(117DL)が9位、ヤバイTシャツ屋さんの5thフルアルバム『Tank-top Flower for Friends』(114DL)が10位と、初登場の作品が多く登場している。 ◎Billboard JAPANダウンロード・アルバム集計速報 (集計期間:2023年2月27日~3月1日) 1位『世界が違って見える日』中島みゆき 1位『結束バンド』結束バンド 3位『BLUE GIANT オリジナル・サウンドトラック』上原ひろみ 4位『暴太郎戦隊ドンブラザーズ キャラクターソングアルバム』V.A. 5位『REBORN』lynch. 6位『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cool jewelries! 004』V.A. 7位『THE SOUND』Stray Kids 8位『ユーモア』back number 9位『black LION』米倉利紀 10位『Tank-top Flower for Friends』ヤバイTシャツ屋さん ※Billboard JAPANの週間ダウンロード・チャートはGfK Japanと米国ニールセンのデータをもとに生成していますが、先ヨミ時点の集計はGfK Japanのデータによる推定値となります。
billboardnews 2023/03/03 00:00
中島みゆき、ドラマ『PICU』&映画『Dr.コトー診療所』主題歌収録のニューシングル特設ページを開設
中島みゆき、ドラマ『PICU』&映画『Dr.コトー診療所』主題歌収録のニューシングル特設ページを開設
中島みゆき、ドラマ『PICU』&映画『Dr.コトー診療所』主題歌収録のニューシングル特設ページを開設  中島みゆきが、ニューシングル『倶(とも)に / 銀の龍の背に乗って』をリリースし、特設ページを開設した。  本シングルには、吉沢亮主演のフジテレビ系ドラマ『PICU 小児集中治療室』の主題歌「倶(とも)に」と、12月16日に公開となる映画『Dr.コトー診療所』の主題歌「銀の龍の背に乗って」を収録。特設ページには、作品の概要、歌詞が掲載された視聴トレーラー、先着購入特典、「倶(とも)に」を聴いての感想を募集するTwitter投稿キャンペーンの案内など、本作に関する内容や情報が掲載されている。  また、中島みゆき「銀の龍の背に乗って」が収録されている『映画「Dr.コトー診療所」オリジナルサウンドトラック』も同日リリースとなった。 ◎リリース情報 シングル『倶(とも)に / 銀の龍の背に乗って』 2022/12/14 RELEASE <CD> YCCW-30087 / 1,000円(tax out) https://www.yamahamusic.co.jp/miyuki_tomoni/ 『映画「Dr.コトー診療所」オリジナルサウンドトラック』 2022/12/14 RELEASE <CD> YCCW-10410 / 2,750円(tax in.) ※「倶(とも)に」の「倶」は正しくは旧字体表記。
billboardnews 2022/12/14 00:00
なぜ「紅白歌合戦」は80年代にこだわるのか 安全地帯に聖子、明菜、工藤静香の名前まで
宝泉薫 宝泉薫
なぜ「紅白歌合戦」は80年代にこだわるのか 安全地帯に聖子、明菜、工藤静香の名前まで
実現したら久しぶりの“夢の共演”となる中森明菜(左)と松田聖子  今年の「NHK紅白歌合戦」に安全地帯が出場するらしい。まだ内定というニュースが出ただけだが、実現すれば1985年以来2度目の出場となる。  ちなみに、ボーカルの玉置浩二はソロとして96年と2020年に出場して「田園」を歌った。今回はグループとしてのデビュー40周年が決め手のようなので、曲目は85年にも披露した「悲しみにさよなら」あたりだろうか。  この件に限らず、今年の「紅白」をめぐっては、80年代に活躍したアーティストの出場が盛んに取り沙汰されている。松田聖子に中森明菜、小泉今日子、工藤静香などなど。いわゆる80年代アイドルの名前が次々と挙がる状況だ。  このうち、明菜と小泉は安全地帯と同じ82年のデビュー。この年はアイドルの当たり年で、その先陣を切ったのが松本伊代だった。今年1月には「うたコン」(NHK総合)でデビュー曲の「センチメンタルジャーニー」を披露。夫のヒロミも伊代とのことを歌った「神様との約束」という曲を出し、5月に「うたコン」で歌った。このふたりが「紅白」に出る可能性、少なくとも伊代が出てヒロミが応援に駆けつけることくらいはあり得そうだ。  じつは最近「紅白」は80年代にこだわっているように見える。2015年に聖子と近藤真彦がトリを務めたあたりからその兆しはあったが、それが加速化してきた感じだ。昨年も薬師丸ひろ子が「対戦相手なし」という特別扱いで登場。「Woman"Wの悲劇"より」を歌唱した。  では、このこだわりはどこから来るのか。  最大の理由は「紅白」の歴史において80年代(厳密には、80年代の半ばまで)が黄金時代の最後に位置するからだろう。視聴率でいえば、公式データのある最古の回である1962年が80.4%。そこから85年まで、60%を切ることはなかった。  しかし、89年に二部制の導入で時間枠が拡大され、懐メロの多用や外国人アーティストの招聘など、試行錯誤が目立ち始める。それでも視聴率は回復せず、第一部よりは高い第二部にしても、90年代からゼロ年代にかけては2人にひとり、昨年はいよいよ3人にひとりが見ているというレベルにまで落ちてきた。それなりに高い数字とはいえ、国民的番組としては物足りなくもある。 今年の紅白司会に内定している大泉洋(左)と橋本環奈  その背景には、同時代的なヒット曲の不足や大みそかにテレビを見る人の減少といった要因も。つまりは音楽の嗜好(しこう)や生活スタイルの多様化によるものだ。それでも、国民的番組を続ける以上はそれにふさわしい数字や注目度を維持したいし、あわよくば盛り返したいのだろう。  そのため、最近の「紅白」は高齢者向けから若者向けにシフトもしてきた。とはいえ、若者はあまりテレビを見ないので、その中間をとって、80年代あたりを好む層に狙いが定められているというか、希望を見いだそうとしているのではないか。  なお、黄金時代という意味では70年代もそうだが、もはや古すぎる。その象徴だった山口百恵も、担ぎ出せないままだ。  その点、80年代ならまだいける。何しろ、その象徴でもある聖子が還暦とはいえ、それなりに健在だ。昨年は娘である神田沙也加の急逝により、出場辞退となったが、その分、今年出場すれば話題と感動を呼ぶだろう。  その勢いで彼女以外にも80年代的なものをどんどんぶち込めば、そこそこ盛り上がりが期待できるかもしれない。  また、聖子が最も輝いた80年代前半は「紅白」の音楽的な試行錯誤がかなり奏功した時代でもある。どういうことかというと、日本の音楽には「紅白」的なものと非「紅白」的なものがあり、後者をどう取り込むかが「紅白」の一大テーマなのだ。  たとえば、60年代のGS(グループサウンズ)ブーム。ザ・タイガースやザ・スパイダースには対応しきれなかったが、その後、沢田研二や堺正章を「紅白の顔」にすることができた。  そして、70年代のニューミュージックブーム。テレビとの接点が少なく、当時の中高年層にはなじみが薄かったこのジャンルに対応するため、78年にはニューミュージックコーナーが設けられた。庄野真代、世良公則&ツイスト、サーカス、さとう宗幸、渡辺真知子、原田真二が続けて登場、歌い終わったあとにステージ上で整列して紹介されるという異例の趣向である。 80年代アイドルブームを牽引した小泉今日子  ある意味、苦肉の策だったが、翌年にはさだまさし、サザンオールスターズ、ゴダイゴが登場。「紅白」が誰より出したかったとされるアリスには何度も拒否されたものの、のちには谷村新司や堀内孝雄も常連になっていく。それはこうした努力が実を結んだということでもある。  そうこうするうち、80年にアイドルブームが再来。しかも、この時期は演歌もまだまだ強かった。おかげで、アイドルに演歌、ニューミュージックが一堂に集い、その年のヒット曲で競い合うような「紅白」が実現したわけだ。  なかでも、奇跡的な盛り上がりを見せたのが84年だった。  序盤にシブがき隊、早見優、堀ちえみという82年組アイドルが新鮮さを添え、寿引退が決まっていた高田みづえが最後の花道を飾る。  中盤には、明菜とマッチ、聖子と郷ひろみが続けて出てきて、4人でダンスまで踊った。熱愛中のビッグカップルたちにそこまでやらせた「紅白」もすごいが、リクエストに応えた4人も立派なものだ。  その直後には、細川たかしと水前寺清子による「浪花節だよ人生は」対決。そういえば、複数の歌手による競作ヒットというのも最近ではめったにない。  さらに、小泉今日子とチェッカーズが対決したかと思えば、ソロとして初出場の高橋真梨子が「桃色吐息」を歌った。ニューミュージックから常連組になったひとりだ。  終盤ではまず、森昌子。披露した「涙雪」は「紅白」史上初めての秋元康作品でもある。白組のトリとトリ前は五木ひろしと森進一。歌われた「長良川艶歌」と「北の蛍」はこの年のちゃんとしたヒット曲だ。  そして何より、大トリが引退(のち復帰)を決めていた都はるみだった。これが最後のステージになるということで、白組司会の鈴木健二がアンコール歌唱を説得。 「私に1分間、時間をください」  と言い出して会場が興奮状態になるなか、総合司会の生方恵一が「改めてミソラ、あっ都さんに拍手を」という歴史的失言をした。  そんなこんなで、視聴率は78.1%を記録。前年から約4%アップして、72年以来の80%超えも夢ではないところまで戻ったのである。 コラボ曲も期待される工藤静香  ちなみに、この年、聖子が披露したのは「Rock’n Rouge」。松任谷由実(呉田軽穂)作曲によるナンバーのひとつだ。  じつはこのあたりにも、聖子が重宝される理由がある。ニューミュージック系のアーティストとコラボしてヒット曲を量産した彼女は「紅白」と非「紅白」的なものをつないだ象徴でもあり、歌謡曲を中心にさまざまなジャンルを融合させた国民的番組を作りたい側としては願ったりかなったりなのだ。  こういうアイドルは他にもいて、冒頭で触れた薬師丸もそう。聖子とは、作家陣がかなりかぶる。また、工藤静香が期待されるのも、中島みゆきとのコラボ曲を歌えるからだろう。他に出場すれば面白そうなのが斉藤由貴で、86年に司会も務めた際、歌ったのは「悲しみよこんにちは」。玉置浩二の作曲だ。  ただ、由貴や静香が登場した80年代後半「紅白」の失速が始まる。  非「紅白」的なものを取り込む工夫は続けられたが、肝心の「紅白」的なものを長年担ってきたアイドルや演歌が衰えたことにより、他の手段によるテコ入れも施されることになる。宮沢りえの入浴パフォーマンス(90年)に、とんねるずのパンツ一丁受信料アピール(91年)、本木雅弘のコンドーム衣装(92年)などだ。話題にはなったが、しょせん、焼け石に水というか、長期低落の流れは変わらなかった。  結局のところ、同時代的なヒット曲が減少するなかで、こうした番組を維持すること自体が困難なのだろう。というのも、メディアアナリストの鈴木祐司はここ数年の「紅白」をデータ的に細かく分析する作業によって、こんな結論を導き出している。 「やはり『紅白』の基本は、その年を代表する突出した曲があるか否かだ。大晦日恒例の国民的イベントではあるものの、デビュー〇×周年などの理由で出る歌手はいらない。単なる送り手の論理に踊らされるほど、視聴者は愚かではない」(22年1月9日 ヤフーニュース)  彼によれば、本当に強い数字を持つのは、17年の安室奈美恵(引退前のラスト出場)や18年の米津玄師(テレビ初出演)20年のGReeeeN(変則的ながらもテレビ初顔出し)嵐(この日で活動休止)LiSA(「鬼滅の刃」絡みの大ブレーク)といったもの。昨年においても、サプライズ性とブレーク感を示せた藤井風やYOASOBIはまずまずだったという。  にもかかわらず、80年代にこだわるしかないようにも見える今年の「紅白」。昨年以上のヒット曲不足で、ない袖は振れぬというヤツだろうが、今よりはスムーズに「紅白」らしいものが作れた時代への郷愁も働いているのかもしれない。  とはいえ、当時と似た顔ぶれをそろえても、40年もの歳月がたっている。2022年に、それを見たい人がどれだけいるかは疑わしい。そんななか、年内いっぱいで活動を休止する氷川きよしを使って、84年の都はるみみたいな演出をすることも可能なことが、救いといえば救いだろうか。  個人的には、80年代の音楽、特にアイドルには思い入れがある。ただ、その分、限界もわかっているつもりなので「紅白」復活の起爆剤とまではいかないのでは、というのが本音だ。  もし80年代にこだわった「紅白」が実現した場合、そこそこに盛り上がってくれることを願うばかりである。 ●宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など
中森明菜工藤静香松田聖子紅白歌合戦
dot. 2022/10/30 11:30
橋本環奈は序の口 「紅白」サプライズ予測…中森明菜や永ちゃん、ユーミン?
橋本環奈は序の口 「紅白」サプライズ予測…中森明菜や永ちゃん、ユーミン?
出場が注目される中森明菜(右)と松田聖子  昨年大みそかのNHK紅白歌合戦(2部)の平均世帯視聴率は34.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、2部制となった1989年以降で最低だった。どん底からの巻き返しは、局にとって至上命令だろう。テコ入れに“秘策”は飛び出すか。 *  *  *  10月10日、NHKは紅白歌合戦の司会者を発表した。3年連続となる俳優・大泉洋の“相方”に選ばれたのは、若者世代に人気の女優・橋本環奈。下馬評では朝ドラ「ちむどんどん」主演の黒島結菜や、2024年の大河ドラマに主演する吉高由里子が本命視されていた中の意外な人選に、芸能マスコミは「やはりNHKは今年に勝負をかけている」とみる。 「橋本の初起用は大きなサプライズの一つだった。これまでのNHKは局への貢献度を重視した人選をしてきたのに、橋本は朝ドラにも大河にも出ていない。“もしかしたら、次の朝ドラ主演が水面下で決まっているのでは?”という臆測さえ出たほど。少なくとも、今年の紅白でも思い切ったことをするぞという前アピールとしては絶好の指し手になった」(ベテラン芸能記者)  日刊ゲンダイ芸能編集部長の米田龍也氏は、「橋本環奈の起用は序の口。もっと大きなサプライズを狙っているはず」と考える。今年デビュー40周年を迎えた“昭和の歌姫”中森明菜だ。 「中森サイドとしても記念イヤーでの復活は大きなテーマでした。8月末に個人事務所を立ち上げ、ツイッターを開設しましたが、これはちょうどNHKが次の紅白の人選をスタートする時期と重なる。現時点で前の事務所とのゴタゴタが残っているのが懸念材料ではありますが、NHKサイドとしては出演してほしい歌手の筆頭のはず。海外からの中継でもいいし、どの歌を歌っても構わないというような、“出てくれるならどんな条件でものむ”くらいの勢いで出演交渉をしているはず」(米田氏) “明菜出場説”がまことしやかに語られるのには理由がある。今年に入って急速に盛り上がっている昭和歌謡ブームで、民放各局は手を替え品を替え、80~90年代の歌謡曲を取り上げて結果を出している。そこでは過去の音楽番組の映像が用いられるが、明菜の映像はほとんど見られない。 橋本環奈の起用は「序の口」か 「映像の再利用には許諾が必要なのですが、各局とも明菜サイドと連絡が取れず、使用許諾が取れないのです。しかし、そんななかでNHKだけは“伝説のコンサート”と銘打って明菜のコンサートを放送した。これは明菜サイドとつながるルートがあるという証明でもある。当然、紅白への出演交渉もなされているとみています」(ベテラン芸能記者)  昭和歌謡ブームに乗っかった別の企画もある。明菜と同時期にデビューした小泉今日子や早見優など“花の82年組”アイドルの面々をまとめて出場させる案だ。 「去年の紅白は視聴率が低く、何度も出場してきたベテラン歌手の出場を見送り、若返りすぎたのが原因とも言われています。NHKとしては振り戻しが必要で、それには昭和歌謡ブームがちょうどよい大義名分になる。TikTokでも昭和歌謡は人気なので、82年組を中心としたアイドルの同窓会コーナーのようなものを作れば、若い層にも50代以降にも支持される。オファーをしていないわけがないですよね。週刊誌などでそんな臆測記事が書かれていますが、ウソじゃないと私は思います」(コラムニスト・テレビ解説者の木村隆志氏)  別の芸能担当記者は、「明菜と聖子のそろい踏みは大きな売りになる」と指摘する。 「去年、愛娘・神田沙也加さんの不幸があり、出場を辞退した松田聖子が今年出場するのは堅いところ。NHKは聖子に“娘さんの歌を歌ってほしい”くらいのオファーをしているのではないか」(別の芸能担当記者)  さらに、NHKが狙うサプライズはこれだけではないはず、というのは前出の米田氏だ。 「今年の紅白はNHKにとってある意味、特別なものなんです。改修中だったNHKホールでの2年ぶりの開催だし、コロナ、ウクライナ問題や自然災害などを吹き飛ばす祭りにしたいともうたっている。しかも、強力なライバルだった日テレ『笑ってはいけない』やフジの格闘技など、裏番組が休止になっているのも追い風。久々の視聴率50%超えを本気で狙ってくる。オファーした大物全員に出てもらうのが理想と思っているでしょう」(米田氏) トリ候補(?)の矢沢永吉 ■嵐が復活したら超サプライズ!  中森明菜の復活の舞台としての紅白に加え、NHKが狙っているのがデビュー50周年の全国ツアーを終えた矢沢永吉だ。 「矢沢永吉は09年、12年とこれまでも2回紅白にサプライズ出場している実績がある。節目の年の締めになるわけですから、オファーがあれば断ることはないと思います。同じような位置づけで松任谷由実も50周年で出場の可能性があるでしょう。私個人としては、やはり過去に出演したことがある中島みゆき。こういう幅広い世代に知られていて実力のある人の歌を、大みそかに聴けたら最高なんですけどね」(芸能リポーター・川内天子さん)  明菜に聖子、80年代アイドルが盛り上げて、ユーミンがトリを、矢沢永吉が大トリを務めるとしたら、多くの視聴者は「さすがNHK紅白」と納得するはず。しかし、川内さんは「今まで名前が挙がってない人が出てこそのサプライズ。ありえないとは思いますが、期待を込めてあえて言いますね(笑)」と前置きして、こう話す。 「嵐が復活したらサイコー。中継でもなんでもいい。実現したら絶対に『さすがNHK』『これぞサプライズ』ってなりますよね。期待してます」 18年の紅白でサザン・桑田佳祐と共演したユーミン  ほかにも、今年いっぱいで歌手活動を休止する氷川きよしや、人気映画の主題歌「新時代」など大ヒット曲連発の覆面歌手Adoの出演可能性もゼロではないはず。  こうした“読み”に対して、NHK広報部は「紅白の演出内容や出演者については現在調整中で、発表できるものはありません」と言うだけ。直近の10年を見ても、紅白出場者の発表は早ければ11月中旬、遅くとも11月下旬だ。すでに大枠は決まっているとみていいだろう。はたしてどんなサプライズが待っているのだろうか?(本誌・鈴木裕也)※週刊朝日  2022年10月28日号
週刊朝日 2022/10/22 11:00
ミッツ・マングローブ「ここから始まる『吉田拓郎』との時代」
ミッツ・マングローブ ミッツ・マングローブ
ミッツ・マングローブ「ここから始まる『吉田拓郎』との時代」
ミッツ・マングローブ  ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「吉田拓郎さん」について。 *  *  *  私の両親は、終戦後5年間(昭和20年~25年)の間に生まれた、いわゆる「団塊の世代」に属します。それまでの大人世代とはまったく異なる欧米文化や教育の中で育ち、高度経済成長期が終わる頃に社会人となり、バブル景気とともに40代へ突入し、平成不況とリーマンショックの間ぐらいで定年を迎えた、現在70代の人たちです。  芸能界でも、ビートたけしさん・中尾ミエさん・沢田研二さん・五木ひろしさんなど、今なお第一線で活躍されている方がたくさんいます。こと音楽界では、井上陽水さん・小田和正さん・矢沢永吉さんらが「団塊の世代」にあたり、また松任谷由実さん・山下達郎さん・中島みゆきさん・竹内まりやさん・桑田佳祐さんといった1950年代生まれを含め、「アラウンド古希」のアーティストたちが完全にビジネスを引っ張っている状況です。私自身も、積極的に消費する音楽は、洋邦問わずその世代のものが圧倒的に多く、このまま行くと自分が50・60代になった時はいったい何を観て聴いているのか、少々不安になります。  そんな中、団塊世代のひとりである吉田拓郎さんが今年限りで引退するとのことで、先日ラストアルバムがリリースされ、私にとってはそれが生まれて初めて買う「吉田拓郎」のCDとなりました。 「吉田拓郎」という存在は、いわば自分の親世代もしくはその少し下世代の代表・象徴のような人。ただ、私が育った家庭では、ビートルズやダイアナ・ロス、井上陽水は流れていたものの、幼少期に親を通して「拓郎の音楽」に触れる機会はほとんどありませんでした。しかし10代になってから、森進一さんの「襟裳岬」を筆頭に、その昔よく聴いていた多くの歌謡曲が吉田拓郎による作品であることを知り、ようやく私の中にも「吉田拓郎との接点」が生まれたわけです。そして昭和歌謡と呼ばれる音楽に没入すればするほど、「吉田拓郎」という人は、例えばキャンディーズの「アン・ドゥ・トロワ」、由紀さおりの「ルーム・ライト(室内灯)」、いしだあゆみの「今夜は星空」、研ナオコの「六本木レイン」など、ちょっと小洒落たスモーキーな曲を作るヒットメーカーとして認識されていく一方で、大人たちが熱狂する「拓郎」との本質的な関係性は築けないまま今まで来ました。  そんな吉田拓郎を初めてしっかりと観たのが94年の紅白歌合戦(「外は白い雪の夜」を歌唱)。拓郎の音楽が流れていなかった私の家庭でも、大人たちが息を呑むようにして画面に齧り付いていたのを憶えています。さらに96年からは『LOVE LOVE あいしてる』が始まり、私の「吉田拓郎熱」というのはその人物像に対するものがほとんどでした。  ユーミンやみゆきさんや達郎さん、もしくはビートルズやクイーンと違い、吉田拓郎の音楽には「70年代前半のフォークブーム原体験を持たない者はおいそれと途中から手を出せない神聖さ」がずっとあります。いわゆる「にわか」へのハードルです。それでも尊敬すべき音楽家には変わりなく。  とりあえずラストアルバムから時間をかけて遡っていこうと思っています。50代に向けての楽しみがひとつできました。 ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する ※週刊朝日  2022年8月12日号
週刊朝日 2022/08/23 19:00
ソロデビュー35周年の工藤静香、番組『The Covers』出演で「嵐の素顔」など披露
ソロデビュー35周年の工藤静香、番組『The Covers』出演で「嵐の素顔」など披露
ソロデビュー35周年の工藤静香、番組『The Covers』出演で「嵐の素顔」など披露  8月28日放送のNHKの音楽番組『The Covers』では、ソロデビュー35周年の工藤静香が登場する。  日本の音楽シーンを代表するアーティストが思い出深い名曲をカバーする『The Covers』。MCはリリー・フランキーと水原希子、番組ナレーターは堂本光一が務める。  1987年8月31日に「禁断のテレパシー」でソロデビューした工藤静香。同番組は満35年を迎えるデビュー日の3日前、8月28日(日曜夜10:45 BSプレミアム/BS4K)に放送し、35年の歴史を彩る名曲とその歩みを届ける。  カバー曲は「MUGO・ん…色っぽい」や「黄砂に吹かれて」など、数々の名曲を提供した中島みゆきの名バラード「あした」。中島みゆきならではの詞世界をじっくりと聴かせる。更に、大ヒットナンバー「慟哭」、そして「嵐の素顔」は35周年を記念したセルフカバーバージョンで披露。手をL字に動かす振付けも健在とのことだ。  トークでは、おニャン子クラブ最後のソロデビューと言われた当時の思い、そして35周年の歩みや楽曲制作秘話、中島みゆきの名曲カバーへの思いなどを赤裸々に語る。更にNHKアーカイブスから貴重なパフォーマンス映像「Again」、名曲「抱いてくれたらいいのに」、「くちびるから媚薬」など、大ヒットナンバーを届ける。 ◎番組情報 NHK『The Covers』 8月28日(日)22:45~23:14 <NHK BSプレミアム/BS4K> 【曲目】 「慟哭」 (工藤静香/1993)詞:中島みゆき 曲:後藤次利 「嵐の素顔」 (工藤静香/1989)詞:三浦徳子 曲:後藤次利 「あした」 (中島みゆき/1989)詞・曲:中島みゆき
billboardnews 2022/08/16 00:00
更年期をチャンスに

更年期をチャンスに

女性は、月経や妊娠出産の不調、婦人系がん、不妊治療、更年期など特有の健康課題を抱えています。仕事のパフォーマンスが落ちてしまい、休職や離職を選ぶ人も少なくありません。その経済損失は年間3.4兆円ともいわれます。10月7日号のAERAでは、女性ホルモンに左右されない人生を送るには、本人や周囲はどうしたらいいのかを考えました。男性もぜひ読んでいただきたい特集です!

更年期がつらい
学校現場の大問題

学校現場の大問題

クレーム対応や夜間見回りなど、雑務で疲弊する先生たち。休職や早期退職も増え、現場は常に綱渡り状態です。一方、PTAは過渡期にあり、従来型の活動を行う”保守派”と改革を推進する”改革派”がぶつかることもあるようです。現場での新たな取り組みを取材しました。AERAとAERA dot.の合同企画。AERAでは9月24日発売号(9月30日号)で特集します。

学校の大問題
働く価値観格差

働く価値観格差

職場にはびこる世代間ギャップ。上司世代からすると、なんでもハラスメントになる時代、若手は職場の飲み会なんていやだろうし……と、若者と距離を取りがちですが、実は若手たちは「もっと上司や先輩とコミュニケーションを取りたい」と思っている(!) AERA9月23日号では、コミュニケーション不足が招く誤解の実態と、世代間ギャップを解消するための職場の工夫を取材。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉に対する世代間の感じ方の違いも取り上げています。

職場の価値観格差
カテゴリから探す
ニュース
斎藤元彦氏はSNS展開の「石丸方式」で出直し知事選に 候補者乱立で“漁夫の利”当選の可能性も
斎藤元彦氏はSNS展開の「石丸方式」で出直し知事選に 候補者乱立で“漁夫の利”当選の可能性も
斎藤元彦
dot. 6時間前
教育
【祝アニメ化!】危機を生き抜くヒントが満載 実は大人も楽しめる「科学漫画サバイバル」
【祝アニメ化!】危機を生き抜くヒントが満載 実は大人も楽しめる「科学漫画サバイバル」
科学漫画サバイバル
AERA 4時間前
エンタメ
〈アナザースカイきょう出演〉「山本舞香」破局報道直後にHiroと熱愛 強気女優の意外な“恋愛遍歴”
〈アナザースカイきょう出演〉「山本舞香」破局報道直後にHiroと熱愛 強気女優の意外な“恋愛遍歴”
山本舞香
dot. 1時間前
スポーツ
阪神・大山、DeNA・佐野は「FA行使」の予感も 獲得に動くのは? オフの移籍は“活発化”するか
阪神・大山、DeNA・佐野は「FA行使」の予感も 獲得に動くのは? オフの移籍は“活発化”するか
プロ野球
dot. 5時間前
ヘルス
美輪明宏「つらい出来事の後には、必ずうれしいことが訪れる。70年の芸能生活もまさに『正と負』の繰り返し」
美輪明宏「つらい出来事の後には、必ずうれしいことが訪れる。70年の芸能生活もまさに『正と負』の繰り返し」
美輪明宏
dot. 14時間前
ビジネス
家事・育児は重要な経済活動 なのに評価は置き去り 紙幣経済のみを“経済”と呼ぶようになった弊害
家事・育児は重要な経済活動 なのに評価は置き去り 紙幣経済のみを“経済”と呼ぶようになった弊害
田内学の経済のミカタ
AERA 7時間前