「大谷翔平は高卒で米国に行くべきだった?」 “先駆者”マック鈴木ならではの見解

2021/09/13 18:00

マリナーズに所属していた時のマック鈴木(写真/gettyimages)
マリナーズに所属していた時のマック鈴木(写真/gettyimages)
現在は野球中継などの解説を務めるマック鈴木(筆者撮影/山岡則夫)
現在は野球中継などの解説を務めるマック鈴木(筆者撮影/山岡則夫)

「マック」鈴木誠。

 10代で単身渡米しメジャーリーグまで上り詰めNPBでもプレーした大型右腕。国内外、様々なカテゴリーの野球を知る男が現在の野球界についてざっくばらんに語り尽くしてくれた。MLBにおける日本人選手の活躍については、どう感じているのだろうか。

*  *  *
●「大谷翔平(エンゼルス)、筒香嘉智(パイレーツ)が良い例ですが、NPBでプレーしてから渡米した方が絶対に良い」

 メジャーへの到達には実力、運、そして契約条項など多くの要素が絡み合う。マック自身は16歳で渡米して独立リーグのチームに職員兼任練習生として入団した。翌年メジャー傘下のマイナー球団へ移り、そこから実績を重ねメジャーまでたどり着く。MLB実働6年で通算16勝31敗。底辺からトップまでを知り尽くした身からすると、NPBで実績を残して渡米した選手にはアドバンテージがあるという。

「NPBで自分の商品価値を太く、大きくした方が良い。獲得可能性のある球団数や契約年数が違う。仮に大谷君が高卒の18歳で渡米した場合、まずはマイナーで結果を求められた。飛び抜けた成績を残さないと埋もれやすくなる。ワン・オブ・ゼム、多くの中の1人になってしまう。米国には16~17歳でも90マイルのボールを投げる投手はたくさんいる。ウインターリーグでベネズエラ、ドミニカ、メキシコでもやったけど100マイル(約160キロ)を投げる投手もいる。スピードガンが壊れてるんちゃう、と思ったほど。ピンポン球のようにボールが浮いて見える。それでも就労ビザが出ないから渡米できない。日本で実績を残しておけばそういった心配のない契約を勝ち取れる」

「もちろん大谷君のポテンシャルが飛び抜けているのは大きい。しかしトミー・ジョン手術(肘のじん帯再建手術)をしても二刀流での復活プランを立てられたのは厚い契約があったから。普通のマイナーリーガーなら二刀流なんて言っている場合ではない。そして日本ハムがしっかりした計画性を持って鍛えあげたのも理解されていたはず。メジャー球団はNPBに対する信頼、信用があるから高いお金を出す。筒香君も同様で2年のメジャー契約という強みがあった。渡米時にマイナー契約だったら早くにリリースされた可能性が高い。早く上まで上がってこないとクビになるよ、ということ。それは他の選手、白人、黒人、中南米、韓国、台湾でも同じ」

 大谷自身のポテンシャルはもちろん日本ハムの育成能力の高さも信用につながった。キャンプ時のマイナー契約から開幕直前にメジャー契約に切り替わったのも当初からの決定事項だった。筒香もNPBにおける実績があったので2年総額1200万ドル(現在のレートで約13億2000万円)と言われる契約を勝ち取れた。結果的に米国の野球に適応するまでの時間を稼ぐことができた。

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NPBで活躍した選手は“守られている”?

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