では、京都駅で15~29番線が欠番となっているのはなぜだろうか。30~34番線は0番線ホームの西のはずれに位置し、どこか間借りしたような雰囲気がある。これは山陰本線の京都~園部間が私設鉄道の京都鉄道を前身としていた名残りで、現在は関西空港とを結ぶ京都始発の特急「はるか」と山陰本線特急の一部(30番線)と山陰本線(31~33番線。34番線は降車専用)が発着している。以前は「山陰1~4番線」が割り当てられていたが、1994年12月に呼称を変更する際、「山陰」にかけて30番台が採用されたという。

■0番線はなぜできる? 身近なところにも0番線が……

 0番線そのものはじつは珍しい存在でもなく、すでに廃止や改番された駅を含めればおよそ100カ所にのぼっていた。なぜ0番線があるのだろうか?

 例外はあるものの、駅の番線は駅長室のある「本屋」に最も近いホームから順に昇順で番線を割り当てるのが原則。仮に1番線側にホームや線路が増設されると、すべての番線を変更することになってしまうが、その作業を避けるために0番線が誕生するケースが多いようだ。

 常磐線の綾瀬駅は1979年に営団(現・東京メトロ)千代田線の支線にあたる綾瀬~北綾瀬が開業したのち85年に同支線ホームとして0番線が開業。総武本線の成東駅は1897年に開業ののち、1911年に東金線が乗り入れ、現在も0番線が用いられている。

 一風変わっているのが総武本線の四街道駅で、2面3線ホームにも関わらず、本来なら1番線となるべき番線が0番線となっているのだ。同駅は15両編成の快速停車駅だが、0番線のみは10両までとなっており、おもに特急の通過待ちや同駅始発列車に用いられている。同駅0番線は上り線の左側に位置するものの、上下方向に関係なく列車が発着しているのも特徴といえるだろう。この0番線にあやかってか、四街道市民ミュージカルが「0番線の汽車に乗って~四街道駅ものがたり~」を上演(2019年)しており、明治期の同駅などが物語の舞台となっている。

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熊本駅には「0A、0B、0C」番線が