昨年の覇者である日本ハムも、4月に6連敗と10連敗を喫して大きく出遅れた。打線は5月に入ってレアードと中田翔に当たりが出てきたが、投手陣は相変わらず不安定だ。特に深刻なのが左投手不足。先発は加藤貴之以外は右投手で、リリーフ陣も中継ぎのエースだった宮西尚生が不振に陥っている。期待されていた公文克彦も打ちこまれて二軍落ちしており、絶対数が足りない状況だ。実績のあるリリーフタイプでは大原慎司(DeNA)が狙い目だ。ここ数年は成績が下降気味で、今年も二軍で8回を投げて9奪三振をマークしている。以前より少し肘を下げたことで、サウスポーらしい角度が出てきたことは好材料だ。先発もリリーフもこなせるタイプでは榎田大樹(阪神)を推したい。年々成績は下降しているが、もともと力のある投手で今年は二軍で先発として安定したピッチングを見せている。世代交代を進めているチーム事情を考えると、他球団に活躍の場を探す方が本人にとってもプラスになるだろう。

 セ・リーグでは球団史上初の4年連続Bクラスに沈んでいる中日が今年も開幕から振るわず最下位に沈んでいる。投手陣は先発に転向した又吉克樹や若手の鈴木翔太、小笠原慎之介、育成から這い上がった三ツ間卓也など明るい材料は見えてきたが、問題はロッテに次ぐワースト2位の得点力だ。特に気になるのが長打力不足。外国人への依存度が高く、日本人で長打を期待できるのは平田良介だけというのが現状だ。そんな中日にぜひ獲得を検討してもらいたいのが中川大志(楽天)だ。毎年期待されながらなかなか殻を破れずにいるが、二軍では毎年安定した成績を残しており、潜在能力の高さは本物だ。中日にはいないタイプの右の大型打者であり、地元愛知県出身というのも魅力だ。同じタイプを狙うなら吉村裕基(ソフトバンク)も候補になる。好不調の波が激しく、層の厚いソフトバンクでは出場数が限られているが、まだ老け込むにはもったいない年齢である。最後の一花を咲かせるチャンスを与える意味でも環境を変えて見てみたい選手だ。

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