でも、よく文章を読んでみてほしい。萩生田氏は「男の育児」そのものを否定していなくて、むしろ「男の人も育児をしないとダメですよ、と言われる、その通りだと思います」と肯定している。その上での発言。そこには言葉足らずには感じるが、お母さんたちをちゃんとバックアップする体制が整っていない上で、男女共同参画とか男も育児と言うと、それは子どもにとって迷惑な話かもしれない、と言っている。
僕の解釈としては、やはり現状としてお母さんに負担がいっているのだからまずはそこをバックアップすることが先で、環境が整っていないのに「男女共同参画」つまり女性が社会進出をすることを求めたり、 「男も育児」つまり女性の環境を改善する話をしないで男性の育児の話にすり替えているような感じでは、子どもにとっていいとは思えない、ということなんじゃないかと思う。
■メディアが煽り、SNSで批判、それをまたメディアが取り上げる構図
メディアが見出しに書いたショッキングな言葉を目にした人は当然反発する。その発信する先になるのが、SNS。今週、この発言の記事が掲載されると「#男の育児は迷惑じゃない」が一時、Twitterのトレンドに入った。誰も「男の育児が迷惑だ」とは言っていないのに……。記事をちゃんと読めばわかるはずなのに……。
そもそも「男の育児」という言葉ではなく「男も育児」だ。意味合いが全然違う。それでも、批判は加熱する。それはSNSでの盛り上がりを取り上げるメディアが出てくるからだ。感情論の範囲で言えば、とても普通の反応だとは思う。社会的に男性の育児参画を促す傾向の中、一生懸命育児をしているのに水を差されたと感じれば、それは批判したくもなるだろう。それも発言者が政権与党の幹事長代行という中心人物となれば、なおさらだと思う。そして、その批判がメディアに載れば、主張が認められたとも感じるかもしれない。でも、この一連の流れで子どもを取り巻く環境は何が変わるのだろうか?
■僕らは「変わってる人たち」なのです