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 シンガー・ソングライター宇多田ヒカル(35)の2度目の離婚は、いくつかのメディアで母・藤圭子さんが「7回離婚した」という情報とともに報じられた。理由も時期も不明なままだが、インターネット上では驚きの声とともに、一部で「やっぱり」という反応も。カップルカウンセラーの西澤寿樹さんが夫婦やカップルの間に起きがちな問題を紐解く本連載、今回は「離婚は遺伝するのか?」をテーマに解説する。

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 宇多田ヒカルさんが2回目の離婚をしたと報じられました。最近は、バツ1は市民権を得てきた感がありますが、バツ2以上ともなるとやはり本人も周りも少々落ち着かないものがあるようです。

 宇多田さんの母親の藤圭子さんは、一部の報道によると結婚7回、離婚7回なのだそうですが、そのうち6回は宇多田さんの父親である宇多田照實さんとだそうなので、実質的には2回と考えることもできます。いずれにしても、複数回の離婚を繰り返しているわけです。

 カウンセリングにおいでになる方のなかには離婚回数を気にされている方も少なからずおいでです。

「自分はバツ1で、それはいまどき大した負い目もないですが、バツ2っていうのは、さすがに抵抗がありますし……。できれば、やり直したいです。」

とおっしゃったのは、友則さん(仮名)でした。そういう気持ちもあるのは事実なのでしょう。私が

「バツ2になりたくないから、離婚したくないってことですか?」

とお聞きすると、

「いや、そういうことではないです。妻とやり直したいという気持ちが基本なのは間違いないのですが、それに追加してそういう気持ちもあるということです」

とおっしゃいます。それはそうでしょう。私のツッコミは、意地悪な質問ではありますが、何が本筋なのかということを明確にしていただいたわけです。

 友則さんも、私が質問するまでは、バツ2になることが一番の問題だと考えていたわけではもちろんないはずです。しかし、最初にそれが言葉として出てきてしまうと、それを聞いた人(一番は妻)がどう感じるかという問題もありますし、その「聞き手」には実は自分も含まれているため、その思いが強くなるという問題もあります。つまり、バツ2になる不安が頭を占める割合が増えることで、結果的に「妻とやり直すためにどうするか」という建設的なことに向く意識の量が減ってしまいかねないのです。

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