子育ては「なんとかなるさ」では済まないことも……。争うのではなく、お互いの欠点を補完し合うのが一番(※イメージ写真)
子育ては「なんとかなるさ」では済まないことも……。争うのではなく、お互いの欠点を補完し合うのが一番(※イメージ写真)
この記事の写真をすべて見る

 念願の第2子を授かっても「名前を考える!」とはしゃぐばかりで、産後の家事分担の相談には逃げ腰……。無責任なパパの態度に、堪忍袋の緒が切れかかった経験のあるママは多いだろう。

 特に2人目が生まれると、計算通りに行かないことばかり。やる気はあれど、子育てもきちんとできないパパに、ママたちの怒りは頂点に達するのだ。なぜ夫婦なのにわかり合えないのか? 実は「わかり合える」という考えそのものが、そもそも幻想なのだという。

「AERA with Baby 2016年4月号」で、イクメン道を修業中の身の武士である武士沢忠長氏が、脳研究者の池谷裕二先生に詳しくお話を聞いた。

*  *  *

 おや、池谷先生? なにやらお疲れのご様子。いかがなされた?

「実は昨日、2人目の娘が生まれたばかりなんです」

 それはめでたい! 拙者も数カ月後には先生の後に続き、立派な2児の父になりとうござる。

「誕生の喜びと感激、加えてずっしりと重くなった父としての責任感でいっぱいなんですが、同時に妻と自分の育児スキルの違いに、改めて愕然としましたね」

 奥方の出産入院中、上の娘君をおひとりで世話するのは、やはり難行でござるか!

「今まで自分は、そこそこ育児をやれているつもりでいたんですが、全くの勘違いでした。朝の支度だけでもドタバタで、何ひとつ計算通りにいかない。入院前に妻があれこれ下準備しておいてくれたのに、この体たらく……。内緒ですが、妻への感謝の念は倍増。今後は妻の育児には一切、文句を言わないでおこうと心に誓いましたよ」

 実は拙者、すでにやらかしてしまい申した。子ができる喜びで浮かれはしゃぎ、産後の家事分担やら将来の学費やら先々を細かに心配する妻に「大丈夫、大丈夫。なんとかなるって」を連発。

次のページ