風邪や感染症がはやるこの時期、赤ちゃんを病気にさせないためにはどんな注意が必要でしょう? ふたりで過ごすときにママができることは? 『AERA with Baby』2月号で、冬にかかりやすい病気の予防法と対処法を、小児科医の鳥海先生に聞きました。
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「赤ちゃんが病気になるリスクは、外出の頻度や個々の体力によって異なりますが、予防として親ができることは“家に病原体を持ち込まないこと”。そして、手洗いうがいです」と小児科医の鳥海先生は言います。一方で、日頃からの病気になりにくい体づくりも重要だと言います。
「体づくりの基礎は、規則正しい生活リズムと、バランスのとれた食事です。ビタミンを多く取ると病気にかかりにくいので、将来的にも野菜や果物が好きになるよう、離乳食や幼児食を工夫していきましょう」
病気になりにくい環境をつくるには、室内を理想的な温度&湿度に保つことも大切です。室内の温度は寒いのはもちろん、暑すぎもNG。子どもにとって20度が適温です。また、空気が乾燥する冬場は、のどや鼻などの粘膜を守るため、ある程度の湿度を保つことが重要。理想の湿度は60%。室内に洗濯物など濡れた物を干すだけでは十分に湿度を上げることが難しいので、加湿器で湿度調整するといいでしょう。
また、外で病気をもらわないように対策することも重要です。外出の時は子どもに上着を着せることが大切ですが、着せすぎもNG。汗をかいて逆に体が冷えてしまいます。顔が赤かったり、背中や肌着が汗で湿っているようなら衣類の調整を。また赤ちゃんは頭が大きめで髪の毛が少ないので、帽子もかぶせてあげましょう。のどの粘膜を守るという意味で、外出前に授乳をし、赤ちゃんののどを湿らせておくことも予防策の一つです。
また、風邪がはやっているときに親ができることは、外出の際にマスクを着用することや、帰宅後の手洗いうがいを徹底し、家に病原体を持ち込まないこと。日常の外出で特に気をつけたいのが、スーパーのカートなど不特定多数が触る場所。病原体が付着している可能性が高いので、帰宅後は必ず石けんで手を洗います。親もインフルエンザなどのワクチンを接種し、病気を未然に防ぐことを心がけてください。
とりうみこどもクリニック 副院長 鳥海佳代子先生
島根大学医学部卒。島根大学医学部付属病院小児科、東京女子医科大学母子総合医療センターなどを経て現職。小学生の双子のママでもある
※AERA with Baby 2016年2月号より抜粋