なぜ夫は妻の実家で昼寝できるのか？

　妻が夫の実家へ行けば、子どもの世話は二の次で、家事を引き受け、姑や舅との会話を盛り上げ、ニコニコ笑顔で神経をすり減らすというのに、なぜか夫は妻の実家で団らんにも加わらず、のんびり昼寝。この神経の太さって、男女差なの！？

　イクメン道を修業中の身の武士である武士沢忠長氏が、社会心理学者の渋谷昌三先生（目白大学教授）に聞きました！

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　いきなりではござれども、イクメン同志よ、愚痴らせてくだされ！　拙者、先週末に孫の顔を見せようと、自ら提案して妻の実家へ参ったのじゃ。

　久しぶりに孫と触れ合えた嫁の両親は満面の笑み。子はジジ・ババに甘えて大はしゃぎ。嫁とて上げ膳据え膳で夕飯を堪能し、みやげには妻の好物の菓子まで持たされた様子。いとまの折には、拙者も心より御礼申し上げ、さぞや妻も喜んでくれたはず、とイクメンポイント大量GETの心づもりでござった。

　ところがじゃ！　帰りの電車の中で妻はこう吐き捨てた！「よく人の実家でぐーぐー昼寝できるよね。信じられない！　私はあなたの実家で神経すり減らしてるっていうのに。なんでうちの両親と、世間話のひとつもできないわけ！？」と。

　拙者の昼寝が大失態とはなにゆえに！？　解せぬ、解せぬぞ！　コミュニケーションに詳しい渋谷昌三先生、妻の実家で昼寝するのは大罪なのでござろうか？

●男と女では、会話の意味が違う？

「妻孝行、家族サービスのつもりだったのに、それじゃあんまりですよね」（渋谷先生）

　おお、渋谷先生はわが心の内をおわかりくださるか。

「ええ、僕も男ですから。でもね、男性と女性では、『会話』『団らん』の意味が違うんです。だから奥様の言い分もわかる」

　なんと、会話の意味が違う？

「女性は、内容は何であれ、楽しく会話をすること自体で円満な人間関係をアピール・構築しているんです。だから奥様は、多少なりとも緊張する相手の武士沢さんのご両親と無理をしてでも笑顔で会話して、仲良くなろう、円満に過ごそうと『努力』しているんです」

　あの他愛のない子どもの話や世間話こそが団らんで、それが妻の「努力」とな？