となると、小学校での取り組みが生かされず、連続性、継続性に欠くことは明確である。このような状況では、政府が抱く、「次世代のテクノロジーを支え、創出する人材輩出」に至るわけがない。
小学校プログラミング教育が導入されたことは、日本の教育現場へのテクノロジーの必要性を投じた訳で、小学校教員も児童もその意義を感じ始めている。
その児童が中学校生徒になった後も連続して学び続ける場を作るべく、NPO法人としての弊社、「みんなのコード」も、今後は中学校教育にフォーカスし、さらには高等教育も視野に入れ、活動することになった。
一つ目は、2021年度の中学校学習指導要領に導入される、技術分野の「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」を具体的に学ぶための研修材料を無償で提供することである。
日頃、何気なく使用しているSNSなどのメッセージの送受信の体験を通して、スタンプ機能を作成したり、不正ログインなどの問題解決をしたりする研修である。
この領域は、昨今のSNS等の普及から時代の要請で導入されたものなので、まだ研修体系が整っていない。それだけに、すでに20近い自治体からの問い合わせ申し込みがある。とはいえ、これはあくまでも技術分野の研修なので、技術の先生が中学校3年間の学校生活において、ほんの数時間取り組むだけである。
そこでもう一つ考えているのが、プログラミング等の情報教育を総合的な学習の時間に導入することである。
政府が公表した「GIGAスクール構想」(全国の義務教育を受ける児童生徒に、一人一台のPCやクラウド活用を前提とした環境を整備するための5年間の計画をまとめたもの)の実現に伴い、近い将来中学生にも一人一台端末が配備されるだろう。
その時に、先生方が「私の教科では活用場面がない」、「従来の教科指導で十分」などと言っていたら、積極的な端末使用は期待できない。となれば、生徒の情報活用能力は停止してしまう。