東京大学 (c)朝日新聞社
東京大学 (c)朝日新聞社
現役進学率トップ10 東大 (週刊朝日2020年7月24日号より)
現役進学率トップ10 東大 (週刊朝日2020年7月24日号より)
現役進学率トップ10 京大 (週刊朝日2020年7月24日号より)
現役進学率トップ10 京大 (週刊朝日2020年7月24日号より)

 2020年大学合格者高校ランキングの締めくくりとして、全国1899高校の「現役進学者数総覧」を掲載する。「なんとしても現役で合格を」という受験生が増えているようだ。

【表】東大&京大現役進学率ランキングはこちら

 大学通信の安田賢治常務は「今年は例年以上に現役進学志向が強かった」と振り返る。要因は来年1月に始まる「大学入学共通テスト」だ。センター試験の後継となる試験で、昨年12月まで英語民間試験や記述式問題の採用が議論されていた。最終的にいずれも導入が見送られたものの、安田さんは「受験生にとっては大きな負担で、絶対に浪人したくない生徒が多かった」とみる。国の煮え切らない姿勢が、受験生を振り回した格好だ。

 河合塾のホームページによると、今年の東大合格者の現役占有率は67.2%で前年より0.6ポイント、京大入学者の現役占有率は62.9%で前年より2.6ポイント上昇した。

 大学通信の協力で東大と京大の現役進学率トップ10を表にまとめた。どちらも10校中6校で前年より現役進学率が上がった。東大は10校すべてが中高一貫教育校。京大は2位・北野(大阪)、4位・堀川(京都)、5位・天王寺(大阪)と公立3校が入っている。

 有名私大への現役進学率も、この10年で増えている。現役合格者数のうち実際に進学した人の割合をみると、早慶上理は10年前の32.4%から39.3%に、MARCHが30.5%から32.8%に、関関同立が30.1%から33.9%に増えた。

「保護者の現役志向も強くなっています。有名大でなければならないという学歴信仰が薄れ、浪人するくらいなら、大学で頑張って1年早く社会に出たほうがいいという価値観に変わってきています」(安田さん)

 少子化も相まって、各大学とも推薦入試制度が年々充実してきている。浪人して一発逆転を目指すより、高校3年間いかに頑張るかという考え方に変わってきているようだ。(河嶌太郎)

週刊朝日  2020年7月24日号