夫には、
〈お客さんがまだいて、帰れへん。先に寝てて。ごめんな〉
と、メールをした。
その日からS子は、毎週のようにHさんと体を重ねた。夫に「仕事」と言って、スナックには行かず、Hさんと会うだけの日もあった。
「Hさんとは、3カ月くらい続いたけど、うちが別に好きな人ができて別れた。そっからもう、男と遊ぶことに夢中になってしまった。エッチの相性のいい男、顔のいい男、カネを持ってる男、って3人同時に付き合ってた時もあったわ」
朝帰りを繰り返すようになったS子を不審に思った夫が、携帯を盗み見たことから浮気が発覚。話し合いの末、夫は離婚に合意した。
結婚した若い女性の多くが離婚しているというデータがある。特に10代や20代前半の“若妻”の離婚率は驚くほど高い。2005年の数値を見ると、結婚している19歳以下の女性の、実に7割が離婚している。20代前半では半数近く、20代後半でも2割以上が離婚している現状だ。
その離婚の理由は、司法統計によると、1位は男女ともに「性格の不一致」で、夫の2位、妻の3位が「異性関係」、つまり浮気だ。ただし、その中身は、男女で大きく違うという。
『男の離婚 賢く有利に別れるための6つの成功法則』の著者で離婚サポーターの露木幸彦行政書士は、こう説明する。
「離婚相談に来る方の3割は『浮気』が原因ですが、その経緯は男女で異なります。男性は単なる性欲やストレスのはけ口として浮気し、浮気がバレると妻が離婚を求める傾向があります。これに対し、女性は比較的気持ちのつながりを求めるため、浮気が本気になりやすい。そのため、浮気している妻のほうが離婚をせがむが、夫は『帰ってくる』と信じて拒否するケースが多いように感じます」
S子は浮気がバレた時、夫にこう言ったという。