一方、菅氏ではダメとなると、河野氏と小泉氏が有力となるが、小泉氏はまだまだ修業中の身。9月総裁選に出る可能性はほぼゼロだろう。一番人気の河野氏もワクチン担当で今は身動きが取れず、自分の派閥の親分の麻生太郎副総理にもまだ次期総裁選出馬の了解すら取れない状況。秋の出馬は難しいかもしれない。
総裁選は自民党員と議員が投票する。野党支持層や無党派層は直接には関係ない……となると、もし安倍氏が立候補したら、最有力候補になるということだ。恐ろしい話だが、安倍氏は、病気を理由に総理を辞任した後、仮病説が出るほど元気で、活発な動きを見せている。
二度あることは三度ある。9月に安倍総理再々登板という話は、今や冗談ではすまなくなってきた。そのときは、菅官房長官の再登板もあり? これも冗談ではなくなっているのかもしれない。
※週刊朝日 2021年5月21日号
■古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。新刊『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』(集英社)など