2.簡単な計算問題からスタート
私が家庭教師で教えるとき、何から取り掛かるかは同じ学年でも子どもによって変えています。学習体力があり、塾の授業はほぼ理解できている子であればいきなり塾の宿題を見ていくこともありますが、学習体力があまりない子や基礎学力が不安な子はまずは計算問題を何問かやらせることからスタートします。家で勉強をやる時も、いきなり問題集をやらせようとすると子どもは拒否反応を起こすもの。まずはその子の実力でもスラスラ解けるぐらいの計算問題からスタートするといいでしょう。脳科学的にも「作業興奮」という言葉があり、一定時間(10分)単純作業をするとだんだんやる気が出て、継続できるようになることがわかっています。

3.リビング学習のワナを知る
今はリビングで勉強をするご家庭が増えました。リビング学習は、親の目が行き届くという点だけでなく、勉強の孤独さを和らげてくれるなどのメリットがあります。しかし、リビング学習でも「勉強しなさい!」「早く宿題やっちゃいなさい!」と子どもに全て丸投げしては、「うるさいなあ」とかえって反発されるだけ。これがリビング学習のワナです。うまくやっているご家庭を見ると、計算問題を親子で解いて時間や正答率を競争する、理科・社会の知識問題を交互に出し合う、動画を一緒に見てみる、など親がさりげなく関わりながら子どもをノセています。特に「計算を一緒に解く」は時間で区切ることができますし、数分一緒にやって採点しておしまいなのでダラダラ続くこともないのでおすすめです。

◎安浪京子/中学受験専門カウンセラー・算数教育家 。アートオブエデュケーション代表取締役。近著に佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)。7月14日には新刊『中学受験 必勝ノート術 カリスマ家庭教師のワザを親子で実践!』(ダイヤモンド社)を発売。

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安浪京子

安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

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