夏休みも間近。子どもの学習計画をいろいろ立てているご家庭も多いでしょう。中学受験専門カウンセラーで算数教育家の安浪京子さんは「夏休みこそ学習体力をつけるべき」とアドバイスします。
* * *
「私はプロ家庭教師として、たくさんの子どもたちを見てきていますが、『学習体力』があるかないかは、教えていると顕著にわかりますね」
こう話すのは、「きょうこ先生」として中学受験を目指す親子に大人気、多くの著書もある安浪京子さん。
「この子、すごいノッてきたな、と思っても30分しか持たない子もいるし、同じ密度でも1時間半ぐらい続けていける子は、『この子、学習体力あるな』って思います」
「学習体力」は、集中力の有無に限らず、「どのくらい勉強し続けられるか」という体力的なものも含んでいます。安浪さんが「学習体力」という言葉を使っている理由は、「学習体力は生まれ持ったものではなく、鍛えられる」と感じているからなのだそう。
「中学受験をする、しないに関わらず、夏休みはまさにこの『学習体力』のつけどきです。もちろん、塾の夏期講習に通えば一定時間、強制的に机に座っていることになりますので、学習体力はある程度つきますが、注意しなければならないことは『机に座っていた時間=勉強していた時間』ではないことです。授業内容が分からなくても板書を写してくる子はいい方で、ボーッと座っているだけの子、授業中に友だちと手紙などを回してこっそり遊んでいる子も多いのが実情。小学生はそういうものです。そうならないためには、塾から帰ってきたら『今日はどんな勉強してきたの?』とさりげなく聞いてみるといいでしょう。うまく説明できなくても叱らずに、どんなことでも子どもが答えたものに興味を持ち、褒めてあげるのがポイントです」
以下では安浪先生に、家での学習体力の付け方を教えてもらいました。
1.時間は細切れにして少しずつ
今まで全然勉強をしてこなかった子に、「夏休みは毎日30分やろうね」と言っても無理。最初は机の前に座っただけでも褒めてあげるぐらいの気持ちで。すすめ方も、親御さんたちは「ここからここまでやろう」とキリのいいところまでやらせたがりますが、時間で区切った方がベター。例えば、「15分やったら5分休み」と決めましょう。「15分ももたない!」という子なら「まずは5分」から始めてもO Kです。「そんなに短い時間で区切っていたら全然進まない!」と思うかもしれませんが、親が焦ってやらせようとすればするほど子どもは勉強が嫌いになってしまうもの。「まず短い時間から」は鉄則です。