智弁和歌山を日本一に導いた中谷仁監督はプロ野球選手出身(c)朝日新聞社
智弁和歌山を日本一に導いた中谷仁監督はプロ野球選手出身(c)朝日新聞社
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 第103回全国高等学校野球選手権大会は、智弁和歌山が奈良の智弁学園に勝って、3回目の日本一となった。

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 智弁和歌山が初優勝したのは1997年のことである。このとき、主将・キャッチャーとしてチームを引っ張っていたのが、現在、同校の監督をつとめる中谷仁さんだ。同じ学校で選手でも監督でも全国制覇を果たしてしまう、甲子園の申し子のような人だ。

 中谷さんは智弁和歌山を卒業後、プロ野球選手となり、阪神楽天巨人でプレーした。引退後、2018年から母校で指揮をとっている。

 中谷さんが智弁和歌山の選手時代、2年後輩の1年生だった川崎絢平さんは、今大会に、明豊(大分)の監督として出場している。智弁和歌山と明豊は対戦せず、全国制覇したメンバーの先輩後輩チームの対決は見られなかった。

 甲子園出場チームの監督はどんなキャリアをもっているだろうか。代表49校の指導者のプロフィルをみると、母校出身の監督が多いことがわかる。49校のうち29校を占めている。

 今回ベスト8に進んだ学校のうち、敦賀気比、智弁和歌山、智弁学園、神戸国際大付の監督は母校出身である(大会終了時まで)。

 監督のなかに、選手時代の甲子園出場経験者が何人かいる(カッコ内は選手時代の在籍校)。前述の中谷さんと川崎さんのほかに、平川敦さん(北海)、荒木準也さん(日大山形)、鈴木博識さん(小山)、村田浩明さん(横浜)、豊泉啓介さん(日本航空)、鈴木崇さん(日本文理)などだ。

 監督の出身大学を調べてみた。多かった大学は次のとおり(カッコ内は監督をつとめた学校)。

●東洋大=4人/森士さん(浦和学院)、鈴木崇さん(日本文理)、宇多村聡さん(広島新庄)、橋口光朗さん(宮崎商)

 森さんは1991年に監督に就任し、2013年には選抜大会で全国制覇を果たした。春夏22回、甲子園に導いており、激戦区の埼玉を制した名将といっていい。鈴木さんは17年に就任。選手時代(母校の日本文理)に1997年夏の甲子園に出場している。

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