強豪校でなくても勝てる方法を考え抜く。こうした長尾さんの手腕が高く評価されたのだろう。2014年、伝統校、高松商の監督に迎えられた。結果はすぐに出た。16年選抜大会では準優勝している。今回、高松商は3回戦で智弁和歌山と対戦し、残念ながら3対5で敗れた。

 監督は試合後のインタビューで「勝ったのは選手たちのおかげです」「選手がよくやってくれました」「うちの選手はすごいです」など、礼、ねぎらい、リスペクトの意を込めた発言をする。本心だろう。一方、選手はインタビューで、監督への信頼を口にする。

 監督がさまざまなキャリアを積んだからこそ、勝つために何をすべきかを選手に伝えることができる。甲子園出場校監督一人ひとりの生きざまは、なんとも興味深い。(教育ジャーナリスト・小林哲夫

※参考:「週刊朝日」2021年8月15日増刊号「甲子園2021」

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