「自分の遺志を確実に残せる手段として、私は自筆証書遺言書保管制度をお勧めしています。現在は、法務局に設置されている遺言書保管所に、遺言書1件につき手数料3900円で預けることもできる。保管場所は信頼できる人に伝えておくとよいでしょう」(柳澤さん)
(2)の公正証書遺言は、公証役場で公証人に遺言の趣旨を口頭で述べ、それに基づいて公証人が作成する遺言書のこと。病気などで字が書けない人でも作成でき、遺言書の原本は公証役場で保管されるため、偽造や紛失の心配がない。ただし、公正証書遺言の作成には証人が2人以上必要で、公証人に支払う手数料も発生する。また公証人に遺言書を作成してもらうには、対面であることが必須で、基本的には公証役場に出向いて遺言を作ってもらうことになる。病気や入院などの事情で外出が難しい場合には、自宅や入院先などへ公証人に出張してもらうことも可能だ。(フリーランス記者・松岡かすみ)
※週刊朝日 2021年11月19日号より抜粋