タイ国政府観光庁大阪事務所も昨年10月、タイBL専用アカウントを開設。BLドラマの聖地を紹介するガイドブック『タイBLに恋したい』も制作した。担当の村井茉耶さんは言う。
「タイへの観光客は年配男性が多く、これまで若年層へアプローチをしてきても、なかなか結びつきませんでした。ドラマはタイの文化や日常を知ってもらうのにぴったり。BLコンテンツが日本で認知されたことで、タイに行ったことのない若い人たちに興味をもってもらえるきっかけになった」
BL以外のジャンルを楽しむタイドラマファンも着々と増えている。「パイが増えることが一番」と語る多くの関係者の期待は高まる一方のようだ。
タイドラマの魅力を語るファンの熱い口吻(こうふん)に、筆者も俄然興味が湧いてきた。でも、どっぷり沼民になって仕事に支障をきたさないか……。それが怖い。(フリーランス記者・坂口さゆり)
※AERA 2021年12月20日号より抜粋