企画書を持ち込んだ

 今年は世界初のタイドラマの展示会「GMMTV EXHIBITION in JAPAN」など三つのイベントを開催した。

世界初のタイドラマの展示会「GMMTV EXHIBITION in JAPAN」は、全国6会場を巡回。衣装などと一緒に写真を撮るファンの姿もあった(photo テレビ朝日提供)
世界初のタイドラマの展示会「GMMTV EXHIBITION in JAPAN」は、全国6会場を巡回。衣装などと一緒に写真を撮るファンの姿もあった(photo テレビ朝日提供)

「タイドラマを『みなさんご存じの』という存在にしたい。そのため有料だけでなく、地上波、BS朝日やTVerなど無料で触れられる展開も用意しています。ファンは世界中にいるので、日本でも盛り上がりを見せていることがわかるよう意識。YouTubeやツイッター、インスタグラムなどを使い、時には英語でも発信しています」(水高さん)

 今年6月に公開された「2gether THE MOVIE」も、配給会社アスミック・エースで宣伝を担当した岡田佳代さんと竹山美奈子さんが共に作品にハマった。「映画という形でこのドラマの素晴らしさをもっと多くの人たちに届けられるのではないか」(岡田さん)と企画書を作り、直接GMMTV社へ持ち込んだことが、上映実現に結びついたという。

 11月までの観客動員数は9万人弱で、興行収入は1億3千万円。29館でスタートした映画としては大ヒット。「ファンの力強さを心強く感じた」と竹山さんは話す。同社劇場担当者も、

「通常なら数週間で上映終了となるところが、客足が一向に減らないため、地方やミニシアター系の劇場では上映回数を減らしてでも延長上映が続いています。確実に集客できる作品なので、興行的な評価が高かった」

SNSの反響が段違い

 配信会社もタイドラマに熱視線を送る。U-NEXTでタイのドラマを扱うようになったのは、19年12月から。現在、業界最大級のタイドラマ47作品とバラエティー1本を配信する。ドラマのうち43本がBL要素を含む作品だ。

「20年ごろから各社配給が増え、新しい市場ができている。去年から今年半ばは作品の争奪戦でしたが、金額が上がってきたことで今は少し落ち着いている印象です」

 と韓流・アジア部の平井恵媛部長は言う。中心となる視聴者は、20~40代の女性。タイドラマはSNSの反響が他のドラマとは段違い。反響の大きさや今後の展開を踏まえて、今年6月、タイドラマやタイBL、アジアBLを中心に紹介するアカウント「@UNEXT_thai_asia」を新設した。

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