孫ができたことによって、これまで見えなかったものが急に表面化することもある。その一つが、子どもの妻・夫の実家との価値観や金銭感覚の違い。孫にまつわるあれこれは、成長に伴う節目のイベントも数多く、長い期間、複数回にわたって接点があるからだ。

 前出の良子さんも、息子の妻の実家との違いを目の当たりにしている一人。開業医である妻の実家は、祖父母同行で高額な旅館に宿泊したり、何度もテーマパークに連れていったりする豪遊ぶり。ブランド服をしょっちゅう買い与えたり、リッチなレストランで食事したりと、話を聞くにつけ「気に食わないし、なぜか肩身の狭い思いになる」(良子さん)という。

「この問題は複雑で根深い」と、前出のおやのさんもうなずく。特に相手のほうが経済的に余裕がある場合に、イライラの種になりがちだという。

「これは『気にしない』以外の対策がない問題です。相手が金にモノを言わせて買ったりしたりすることは、極力見ないように、聞かないようにすること。割り切って、お金のかからない方法で孫と楽しめばよいのです。幸いなことに、孫はお金をかけたほうにより懐く、という法則はありませんから」(おやのさん)

 孫育てにも、さまざまなドラマがある。どうせやるのなら、気持ちよく前向きに関わりたい。あなたは孫育てに、うまく関われていますか?(フリーランス記者・松岡かすみ)

週刊朝日  2022年9月23・30日合併号

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