「嫉妬がわき起こってきて、その場で自分から妻に覆いかぶさりました。そのうち妻は慣れて、他の男性ともするようになりました。お互いに嫉妬がスパイスとして利いてきた。ひとりの男と女として相手を見られるようになったんです。過激な方法かもしれませんが、家族として慣れ親しんではいても、他人から見ると自分の妻も“ひとりの女”なんです。それをわからせてもらったのは新鮮でした」
コロナ禍前まで、ふたりはさまざまな夫婦と出会ってきた。中には70代の夫婦もいたという。
「個人差はあるでしょうけど、女性はいくつになっても感じるんですね。僕は妻の感じている顔を見て、きれいだなと素直に思うし、いとおしさも増しています」
妻がセックスを拒否する場合、夫の努力によって“取り戻せる”ことは多い。男女として自分たちを見直し、正直に話し合うことは大切だ。
人生100年時代。夫婦として、すべてすれ違ったままあと数十年を生きていくのか、ふたりで話し合い、後半生をより楽しいものにしていくのか。今まさに岐路にいるのかもしれない。
※週刊朝日 2022年1月7・14日合併号