3歳年下の妻とは結婚して28年経つが、心からお礼を言ったのは初めてかもしれないという。
「今までのおわびもこめて、肩こりがひどい、腰が痛いという妻にマッサージをしました。本を買ってきてちゃんとコツをマスターして。もう10年以上セックスレスだったんです。だから妻は最初、触れられるのさえ嫌がっていた。でも、足のマッサージから始めて、毎日寝る前に少しずつ体に触れるようになったら、あるとき妻が僕を抱きしめてくれたんです。妻は『抱き合っているだけで気持ちいい』と。僕もそう思いました。そして最近、ようやく関係が復活。マッサージをすると妻のほうから『来て』と言ってくれるようになりました」
時間はかかったが、妻の心が徐々に柔らかくなったのだ。最近はベッドの中で、恋人時代の話をしたり、子どもたちが小さいころの思い出話をしたりしているという。それもまた、関係性を深めることに役立っているようだ。
夫婦には歴史がある。その歴史を振り返りながら、相手へのいとおしさを取り戻しているところだという。
◆他人から見れば妻もひとりの女
ほかにも、60代になって初めてセックスについて話し合い、ドラスティックな方法で性を取り戻した夫婦もいる。
「10年近くセックスレスだったんですが、4年ほど前、夫婦のセックスをもう一度考えたいと妻に問いかけたんです。妻は『あなたは大事な家族。だからこそ家族とするのは気が引ける』と。僕も同じように思っていました。だから第三者を入れて刺激をつくるのはどうかと提案したんです」
64歳のタカノリさんはそう言う。
「妻は『そうまでしなくても』と嫌がっていましたが、僕は計画を強行、スワッピングを楽しんでいる同年代の夫婦を知人に紹介してもらいました。実は若いときから興味があって、いつか妻と一緒にしてみたかった」
最初、妻はまったく受け付けなかったが、相手夫婦の妻がじっくり話をしてくれた。3度目に相手の夫と手をつなぎ、その次には触れられて身をよじった。快感を覚えたのを見てとってタカノリさんは興奮したという。