受診につなげるには、周囲の伝え方が大切だ。例えば、「様子がおかしいから病院に行こう」「周りが迷惑しているから」などはNG。「あなたの苦手なところについて、これまでわかる人が少なかったけれど、今はその解決法について知っている人が増えているみたい。ここに行けば、何かいい話を聞けるかもしれない」など、本人のメリットとして提案するとよい。日詰さんは言う。
「発達障害だと知らないばかりに、ともすれば周囲から嫌われてしまうこともあるかもしれない。でも知ることで、生きづらさを解決するきっかけになるかもしれないし、周囲と距離を縮めることもできるかもしれない。知らないともったいないと思いませんか?」
発達障害の特性は、時に強みにもなり得る。特性を知ることで、周囲とのわだかまりがほぐれることもある。生活がしやすくなるための方法を探るヒントにもなるはずだ。年を重ねていても、遅いことは決してない。
「もしかしてそうかも」と思ったら、そのときが一歩踏み出してみるタイミングかもしれない。(フリーランス記者・松岡かすみ)
※週刊朝日 2022年2月11日号