6日、甲子園球場で行われた阪神ーDeNA戦の試合中、観客の一部がスマホのライトを点灯させてグラウンドに向け左右に振る行為をし、球審が試合を一時中断。「試合進行の妨げになる」と、やめるように注意する異例の場内アナウンスが流れた。個々の観客に妨害の悪意があったかはさて置き、試合を止めてしまったり、プレー中の選手に危険を及ぼしかねないこうした迷惑行為に法的な問題はないのか。
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問題となった場面はDeNAが5点をリードして迎えた、延長12回裏の阪神の攻撃。スタンドのファンの一部がスマホのライトを点灯させて、グラウンドに向けて左右に振り始めた。
テレビ中継の映像では、内外野スタンドのあちらこちらで光が揺れており、バックネット裏でも揺れているように見えた。
二死となった後、球審が試合を中断し、アナウンスを求めた。直後、「試合進行の妨げとなりますので、携帯のライトの点灯はおやめください」と注意する場内アナウンスが流れると、スタンドは騒然となった。
甲子園では、今季からLED照明を導入し、光を使ったさまざまなパフォーマンスができるようになった。前日5日のヒーローインタビュー時には球場が暗転。その場面ではファンがスマホのライトを点灯し、球場を彩っていた。
敗色濃厚となった最終回。前日の光景にならってファンが声援代わりにライトを振ったのか、光で相手選手を妨害しようという悪意があったかは定かではない。
だが、ネットやSNSでは、
「ライトで妨害するなんて悪質すぎる」
「制裁は必要ないのか」
「妨害のつもりはなくても、インプレー中にしたらダメでしょ」
「入場規制が必要」
などと、厳しい声が飛び交った。
ナイター用の照明に照らされたグラウンドで、観客席のスマホのライトがどれだけプレー中の選手に影響するかは分からない。一方で、危険性がないという保証もない。
日本野球機構(NPB)と各球団などで設けた「試合観戦契約約款」には、観戦中の禁止行為として、「フラッシュ、光線、その他これらに類するものを使用した試合妨害の虞(おそれ)のある行為」を明示しており、禁止行為に違反した場合は退場措置を取ることができると定められている。