新学期が始まり、新しいクラスメートとの連絡も活発になってくる時期。小学校高学年くらいになってくると、スマホのグループチャットとの付き合い方も気になるところです。小学生の保護者から実際に寄せられた「お悩み」に、『心が軽くなる友だち関係』(ポプラ社)を出版した埼玉学園大学大学院 心理学研究科教授の藤枝静暁先生にアドバイスを聞きました。

MENU 子どもとルールを決めること。ネット社会から子どもを守るのは保護者 グループチャットの「返信問題」。効果を感じられた実例とは

子どもとルールを決めること。ネット社会から子どもを守るのは保護者

――その都度返信するために、スマホが手放せなくなってしまうのですね。

 学年が上がるにつれて、子どもの姿や友達関係は見えづらくなっていくものです。でも、相談者さんは「ひっきりなしに連絡がくる」「仲間外れが怖くてスマホにとらわれている」とお子さんのことを把握していて、親子のコミュニケーションがきちんととれている様子がわかります。

 スマホは、学校でも学童でももはや鉄板の話題です。持たせる・持たせない、何時間まで使用を許すか……ご家庭によってルールが異なることです。よく「うちは子どもと約束をしているから大丈夫です」と言われるご家庭もあるのですが、その約束は破られるケースのほうがはるかに多いものです。

 スマホを買って与えるということは、ある意味その使い方や有害さから子どもを守る責任が大人に伴うということです。こういってしまうと厳しく感じられるかもしれませんが、子どもをネット社会から守るのは保護者、大人の役割です。

 そのうえで、子どもの意見を聞きながら、親子で一緒に使い方のルールを考えてみましょう。もしルールが守れなかったら、叱るのではなくどう改善すればいいのかをもう一度話し合うのです。「どういうふうに使いたい?」「何時まで使いたい?」とかみ砕くように聞いてみるのがコツです。すると、子どもは「自分はなんのためにスマホをどのくらい使いたいのか」を自問自答し、使用目的が見えてくるのです。使用目的を子どもが自覚することがいちばん大切。くり返しますが、「ルールは破られるものだ」くらいの心構えでいて、ルールを守れなかったら、その都度話し合って設定し直していきましょう。

次のページへ実践して効果が実感できた方法
著者 開く閉じる
三宅智佳
三宅智佳
1 2