※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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春は生活環境が変わる人が多い季節です。それが原因となって、アトピー性皮膚炎が悪化するということもあるようです。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師が、春に増える代表的な皮膚の病気について解説します。

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 季節によって皮膚の病気は特徴があります。新年度がはじまり、新しい環境に飛び込んだ人も多くいるでしょう。今回は春に多い皮膚疾患について、その対策も含め解説します。

【1】アトピー性皮膚炎の悪化


 春先にはアトピー性皮膚炎が悪化して受診する患者さんが増えます。これには二つ原因が考えられます。一つ目が花粉の影響です。アトピー性皮膚炎の患者さんの中には、花粉症を合併している人が多くいます。そういう人は、目の周りを中心にアトピー性皮膚炎が悪化します。対策としては、花粉症の時期は抗アレルギー剤を内服する。また、目の周りにワセリンをこまめに外用するのも有効です。花粉がワセリンでキャッチされ、粘膜からの侵入を防ぎます。

 もうひとつ、春先にアトピー性皮膚炎が悪化する原因が、生活環境の変化です。特に新社会人や親元を離れて一人暮らしをはじめる学生さんは、アトピー性皮膚炎が悪化する場合があります。これまで、薬の管理は保護者が行っており、いざ一人暮らしを始めると普段の薬がない。悪化しても相談できるかかりつけの病院もない。結果、アトピー性皮膚炎がどんどん悪くなる患者さんがいます。まずは新しい環境でかかりつけの皮膚科医を見つけることが大事です。

【2】紫外線による皮膚のトラブル


 肌に影響を与える紫外線には、UVAとUVBがあります。UVAもUVBも4月から夏にかけて増加します。紫外線による皮膚のトラブルは、長期の視点にたてば、しみやしわ、皮膚がんにつながります。また、短期的なものとして、紫外線アレルギーがあります。日差しを15分以上浴びると、蚊にさされたときのようなブツブツができる人は日光じんましんと呼ばれる病気の可能性があります。日光じんましんは、可視光線で誘発されることが多く、人によってはUVAでも起きます。UVAはガラスを通過しますので、窓越しだからといって安心してはいけません。UVAの紫外線防御効果があるサンスクリーンを塗ったり、UVAが遮断できる帽子や衣服を身に着け、直射日光を浴びるのは避けるようにしましょう。

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