岸田首相は「省庁の縦割りではなく横断的に考えていく」とも述べました。ぜひ、育児や保育の現場を知る人を役職問わずに積極的に登用してほしい。議員と企業幹部にも、育児当事者や若い世代を増やす施策を打たねばなりません。「妻が言うには」「娘が言うには」ばかりの空想育児支援にならないように。母性神話の根絶も不可欠です。
誰でも子どもが発熱したら安心して仕事を休める。どんな家庭に生まれても進学できる。保育や教育の仕事がきちんと報われ尊ばれる。子持ちが疎まれない。そんな世界が異次元のように思える現状が一日も早く変わりますように。
◎小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。寄付サイト「ひとりじゃないよPJ」呼びかけ人。
※AERA 2023年1月23日号