エッセイスト 小島慶子
エッセイスト 小島慶子
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 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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 岸田首相が「異次元の少子化対策」を掲げました。経済支援・子育て家庭向けサービスの拡充・働き方改革の三本柱で少子化を食い止めようという内容です。経済支援で助かる人も多いでしょう。

 ただ、子どもは産めば終わりではありません。大きくなるほど、教育お金がかかります。学費を賄(まかな)えないから、子どもを諦(あきら)めざるを得ないのです。これから生まれる子どもだけでなく、今いる親子が幸せになってこそ、未来が変わります。日本では子どもや子育て世帯は社会の少数者ですから、制度で守らないと生きづらさは増すばかりです。

「異次元の」少子化対策というなら、高校と大学の学費の無償化まで踏み込んでほしい。お金を理由に進学を諦めたり、奨学金の返済に苦しんだりしないで済むように。そして財源は消費税以外の方法で。消費税で打撃を受けるのは、困窮している子育て世帯や、子どもを持ちたくても経済的に余裕がない人たちです。すでに遅きに失している少子化対策は、今子どもを産める年齢の人たちを見送ると、もう本当に後がありません。防衛費増額と増税の話がこんなに拙速に進むなら、少子化対策と子ども支援をこそ猛スピードで進めるべきです。

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