メッツ時代の松井稼頭央(写真/gettyimages)
メッツ時代の松井稼頭央(写真/gettyimages)
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 松井稼頭央(現西武ヘッドコーチ)のメジャー挑戦は讃えられるものだった。

【写真】5年総額108億円で契約 今季メジャーでの活躍が期待される日本人選手

 移籍前の期待値からすると“失敗”と言われることが多いが、世界最高峰の舞台で日本人内野手としては最長となる7年間プレー。目立った成績は収められなかったが見せ場を作った時期もあり、これまでメジャーに挑戦した日本人内野手の中では際立つ存在だ。

「イチローのミート力と松井秀喜の長打力を兼ね備えた選手」

 日米野球での大活躍が関係者の目に留まりメジャー側からラブコールを受け続けた。初出場となった96年に18打数10安打、5盗塁とアピールすると、当時プロ3年目の21歳が一躍MLBのスカウトたちが追いかける存在となった。

「リトル・マツイ」がさらに注目を集めることとなったのが、02年の日米野球。シリーズ第6戦では左打席で先頭打者本塁打を放つと、続く第3打席では右打席でレフトへ2ランアーチを叩きこんだ。同シリーズを通じて打率.423(26打数11安打)、2本塁打、7打点、出塁率.500と驚異的な結果を残してみせた。

「95年に野茂英雄、01年にイチロー、新庄剛志が渡米してメジャー移籍が選択肢になり始めたタイミングだった。松井本人も早い時期からメジャー挑戦を視野に入れ肉体改造などに取り組んでいた。MLB側としても少しでも早い段階での挑戦を待ち望んでいた」(当時の西武担当記者)

 日米野球が行われた翌シーズンの03年オフに、メッツと3年総額2100万ドル(約26億7000万円)で契約を結び渡米。一足先に海を渡ったイチロー、松井秀喜が結果残したことに加え、日本人内野手としては初のメジャー挑戦ということでも注目を集めた。

「鈴木誠也(カブス)に対し米国ではイチローと松井秀喜を足したタイプという高評価がされている。5年総額8500万ドル(約109億3000万円)の大型契約も話題となった。しかし内外野の違いはあるが当時の松井稼頭央の評価はそれよりも高く、時代が違えば鈴木以上の契約規模になっていたことが予想される」(MLBアジア地区担当スカウト)

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期待ほどの活躍はできなかったが…