
書いておく項目は、万が一、部屋で倒れたときのために、緊急時の連絡先やかかりつけ医、服薬中の薬の情報は最優先に。
また、救急搬送された病院で、健康保険証を持参していないと、医療費と入院費は全額自費になる恐れがあるので、これらをまとめてケースなどに入れておくとよい。
自分が意思表示できなくなったときに何が必要なのか。具体的にイメージしながらチェックしてみると整理できる。
そして、大事なのは「エンディングノート」の保管場所で、見つかりやすいように玄関などに置いておくとよいという。
「亡くなった後、空き家になるのが、地域にとって一番の困りごとです。特におひとりさまは、エンディングノートと遺言書をセットで備えてほしい」(同)
高齢者の「困りごと」は身近でささいなことから始まる。
内閣府が発表した「平成29年高齢者の健康に関する調査」によれば、約20%の高齢者が「健康上の問題で生活に影響が出ている」と回答。その中でも、特に目立つ「困りごと」が、重いものを運ぶという動作、階段を上がる動作で、「一人では困難」と答えていた。
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足腰が弱ると掃除や炊事の負担が増して身動きが取れなくなり、ゴミ屋敷化や孤独死のリスクも高まる。
食材の買い出しや調理、掃除、洗濯などの家事は要介護認定を受けていれば、介護保険サービスで生活援助や家事援助を受けられるが、認定を受けていない人は地域の資源を最大限活用しよう。
市区町村に1カ所程度ある「シルバー人材センター」では、1回30分以内1千円程度で、電球の交換や障子の張り替え、庭木の剪定といった軽作業をお願いできる(時間と金額は地域によって異なる)。
東京都葛飾区では、在宅で生活している人への支援策のひとつに「しあわせサービス」がある。
地域の人たちが協力会員として、掃除、調理、買い物や簡単な身の回りの手伝い、話し相手などのサービスを1時間あたり700円で行う。利用するには会員登録をした上で、年会費600円を支払う。おおむね65歳以上の人が利用できる。
このような地域のボランティアの手を借りたいときは、社会福祉協議会に問い合わせよう。
自治体独自の制度も知っておくと便利だ。
部屋で具合が悪くなって倒れたときなどに、すぐに助けを呼ぶため、65歳以上であれば自治体から「緊急通報装置」をレンタルできる。設置料や1カ月の利用料は自治体によって異なるが安価で済むのが一般的だ。
また、お弁当1食500円など、見守りを兼ねて届けてくれる「配食サービス」などの制度を実施している自治体も多い。