「会社でスカートをはかない女性社員にスカートを強要するとセクハラで訴えられます。社会人の常識が学生には適用されないことが不思議でしょうがないです」(埼玉・40代男性)
「今の時代に、選べるならどちらでもというのは当たり前すぎて、なぜそんなことを聞くのか、と思うくらい」(神奈川・30代女性)
一方、回答の42%を占めた「スカートを着させたい」派に理由をたずねると、「かわいいから」(東京・30代女性)、「女の子らしいから」(東京・40代男性)と答えた人が圧倒的に多く、「昔からそうだった」(大阪・30代男性)「みんなと同じだから」(千葉・40代女性)という声もかなりあった。
女子生徒は、制服のかわいさを重視する、という話をよく耳にする。小林さんによると、制服とファッションが一体になった、「かわいい制服」が急激に増えたのは1980年代。今回の回答者である現役中高生の親世代は、制服を「ダサい」とネガティブに見るのではなく、かわいいものと見るようになった世代である。アンケート結果はそれを裏付けるものとなった。小林さんはこう語る。
「スラックスには防犯、防寒、機能性などのメリットがある。でも40代を中心とした保護者は女子生徒がスラックスをはいたイメージがあまり湧かず、湧いたとしても、かわいくない、かっこ悪いという印象を持つ人がいるのでしょう。『かわいいからスカート』という意見は未来永劫なくならないと思いますが、『スラックスはカッコいい』という評価がもっと出てきてほしいですね」
■スラックスに「賛成」は約6割
冒頭、スラックスを選べる学校が増えている、と述べたが、これについて賛否をたずねると、「賛成」59.2%、「反対」3.9%、「どちらでもない」が36.5%だった。
「どちらでもない」という回答が全体の3分の1以上を占めたことについて、小林さんは「まだスラックスを選べる学校は少ないし、スラックスをはいている子もあまり見かけないからでしょう」と、推察する。