安倍元首相
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「10増10減」が反映された衆院小選挙区の新たな区割り改定案が6月16日に公表された。1減となる山口県は、安倍晋三元首相や林芳正外相ら有力議員が選挙区を埋めており、公認調整でもめそうだ。参院選ですでに布石を打つ動きも……。

 山口県の衆院小選挙区は、定数4から3になる。現在は、1~4区を自民党が独占。1区は高村正彦元副総裁の長男・正大氏、2区は岸信夫防衛相、3区は林外相、4区は安倍元首相と、大物がそろっており、ここから1人外れるとなると、公認調整は難航することが予想される。

 一方、参院選の山口選挙区(改選数1)でも本格的な選挙戦が始まったが、ある山口県議(自民)は、

「安倍先生が、参院選期間中に地元入りして、山口県のあちこちを遊説されると聞いている。林氏は外相という要職で、ウクライナ情勢などもあり、東京を離れることが難しいそうで、安倍先生が先手を打っているのかな」

 と話しており、早くも衆院選に向けての“準備”との見方もある。

 参院山口選挙区には、安倍元首相が党内で率いる清和会の現職、江島潔氏が立候補しており、「安倍氏が参院選の応援を理由に山口県に張りつくと聞いて、林氏陣営もピリピリしている。さながら衆院選の前哨戦のようになりそうだ」(前出・山口県議)

 6月17日、林氏は定例の記者会見で山口県の定数減について、

「政府の一員であり、コメントは控える」

 と慎重な姿勢をみせた。

 とはいえ、胸中は穏やかではないはずだ。参院議員だった林氏にとって、昨秋の衆院選で、現職だった河村建夫・元官房長官と3区の公認を争い、ようやく手にした議席だ。

 今回の区割り改定案では、その地盤を新1区と新3区に分けている。新3区では、中心の下関市で林氏と安倍氏の支援者が重なるが、林氏が安倍氏と戦うということは考えにくい。そうすると、林氏は次期選挙で新1区からの立候補を視野に入れざるを得ない。

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「選対本部長のなり手がいないんじゃないか」