西武・高橋光成(日刊スポーツ)
西武・高橋光成(日刊スポーツ)
この記事の写真をすべて見る

 プロ野球の試合中、球場のバックネット裏にメジャー球団のスカウトが集結する光景が、珍しくなくなっている。特に熱視線を送られているのが、高橋宏斗(中日)、今井達也(西武)、平良海馬(同)、伊藤大海(日本ハム)、宮城大弥(オリックス)、才木浩人(阪神)など、球界を代表する投手たちだ。野手では今オフにポスティングシステムでメジャー挑戦の可能性がある村上宗隆(ヤクルト)、故障から1軍復帰を目指す岡本和真(巨人)の注目度が高い。

【写真】メジャーの評価が急上昇中の「育成出身」左腕はこの人

 気になるのが、高橋光成(西武)と辰己涼介(楽天)だ。共にメジャー挑戦への希望を公言してきたが、今季の成績は今一つ。実際の評価はどうだろうか。

 高橋について、メジャー東海岸球団のスカウトがこう語る。

「昨年と比べたらパフォーマンスは間違いなく上がっています。ただ、数年前の良い時期を知っているので、まだまだできるのではという思いがあります。具体的に言えば、直球の球威がもう少し欲しい。厳しいコースに投げてもはじき返されているのが気になります」

 高橋は21年から3年連続2ケタ勝利をマークし、22年は防御率2.20、23年が防御率2.21と安定した投球でエースとして存在感を示したが、昨年はまさかの0勝11敗、防御率3.87。巻き返しを誓った今季は15試合登板で4勝5敗、防御率2.84。投球内容は決して悪くないが、気になるのは相手打線が2巡目以降に痛打を浴びるケースが多いことだ。7月30日のオリックス戦では3回までは無失点に抑えていたが、4回以降に集中打を浴び、6回11安打6失点で降板している。

 メジャーリーガーの代理人は、「現時点で評価すれば、高橋が米国でプレーする場合、マイナー契約が現実的でしょう」と指摘する。

「ダルビッシュ有(パドレス)、山本由伸(ドジャース)、今永昇太(カブス)、千賀滉大(メッツ)など日本人投手のメジャーでの活躍がフォーカスされますが、活躍する選手は一握りです。昨オフにポスティングシステムで米国に渡った小笠原慎之介(ナショナルズ)はメジャーで白星が挙げられていませんし、レンジャーズとマイナー契約を結んだ青柳晃洋もメジャー昇格が叶わず自由契約となり、ヤクルトに移籍しました。高橋光成は先発の5、6番手でメジャー契約を提示する球団があるかもしれませんが、現状の力で通用するかというと疑問符が付きます」

 高橋光成は今年5月に国内FA権を取得している。初志貫徹でメジャー挑戦の道を志すか、今オフの去就が気になるところだ。

次のページ メジャー代理人の辰己の評価は?