
前出のメジャー東地区球団のスカウトは高い評価を口にする。
「個人的にはNPBでトップクラスに気になる投手です。直球は145キロ前後と決して速くないですが、腕の振りが独特で打者のタイミングが取りづらく差し込まれる。スライダー、フォークの精度も高く、投げミスがほとんどないので常に安定した投球を続けている。状態が良くない時でもきっちり試合を作れますし、修正能力が高い。メジャーでも先発で十分に通用する可能性を秘めています」
メジャーは160キロ以上の剛速球を投げる投手がゴロゴロいるが、球速が平均以下でも活躍している投手はいる。最高のモデルケースが大関と同じ左腕の今永だ。DeNAからカブスにポスティング移籍した昨年は29試合登板で15勝3敗、防御率2.91。174奪三振を記録し、ナ・リーグのサイヤング賞投票で5位に入った。エース格として期待される今年も15試合登板で8勝3敗、防御率3.25をマーク。直球の平均球速は150キロに満たないが、2400を超えるメジャートップクラスの平均回転数でホップするような軌道を武器に空振りを奪っている。
大関は、優勝争いを繰り広げるチームの命運を握る大黒柱の一人になっている。優勝に貢献する活躍をすれば、メジャーへの道も開けていきそうだ。
(ライター・今川秀悟)
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