「コントロールできる内部環境」の中にも、いろいろな要因があります。ポイントは「1つずつ変えていくこと」です。まずはパジャマを変えてみて、ぐっすり寝られたかどうか確認する。次に枕を変えてみる。その次に室温を変えてみる……。多くの人は、いきなりすべてを変えようとするので、何が眠れない原因で、どの対策に効果があったのかが分からなくなってしまうのです。

 さて、そうした前提を踏まえたうえで、冬の代表的な「コントロールできる内部環境」について、対策を考えてみましょう。

●風呂から上がった「30分後」にリビングのエアコンを消す

 冬は外気温が寒いですから、体温の調整が難しくなります。そこで、睡眠前の体温調節法として、まずは心地よく眠気を誘うお風呂の入り方を知っておきましょう。ポイントは、「浴室の中とリビングの気温差を少なくすること」です。急な温度変化があると、体は刺激を感じて覚醒しやすくなったり、血圧の急上昇・急降下につながります。

 まず、バスタブのお湯は、必要以上に熱くする必要はありません。体が温かいと感じればOK。39度~40度で充分でしょう。お風呂から出て、リビングでくつろぐ方も多いと思います。そのために、お風呂から出たときのリビングの温度をコントロールするのです。エアコンを20度台前半くらいの寒いと感じない温度でつけっ放しにしておいて、お風呂を出た30分後くらいに切るのがよいでしょう。というのは、入浴によって上がった体温は、30分後くらいから下がり始めるからです。お風呂から出て、30分ほどくつろいでから寝室に行くイメージです。人は緩やかな体温の低下とともに眠たくなっていきますから、体温低下の波と室温の差が広がりすぎないようにすることが、心地よい眠りを得るための秘訣なのです。

●寝室の暖房器具は「オイルヒーター」がベターな理由

 そして、リビングから移動する寝室の環境も重要です。寝室内があまりに寒いと、睡眠を妨げます。私は仕事で東北の寒冷地にある病院寮に住んでいたことがあるのですが、そこは窓が広すぎて、暖房を入れても部屋がしっかり温まらなかったため、寒さで毎晩何度も目を覚ましていました。

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