
6月13日に告示され、同22日に投開票が行われる東京都議会議員選挙をめぐり、自民党から公認を受けない立候補予定者たちが、街なかに「自民党」と明記したポスターを貼り出していると一部メディアで報じられた。都議会自民党の裏金問題に関与して非公認となったにもかかわらず、有権者に誤解を与えるような政治活動を続けていることに、SNSでは批判の声があがっている。問題となっている議員や自民党東京都連は、この事態をどう受け止めるのか。
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都議会の自民党会派「都議会自民党」の調査によると、2019年と22年の政治資金パーティー券販売にあたり、ノルマ超過分を政治資金収支報告書に記載せず“中抜き”していた都議らは、現職16人、元職など10人の計26人。会派は、このうち都議選に出馬予定の6人の幹事長経験者について公認しない方針を、今年1月23日の会見で示した。
にもかかわらず、都議選の選挙期間直前になっても、自民党とアピールするポスターを貼り続けている非公認の立候補予定者がいる。記者が目視で確認したのは、収支報告書不記載額251万円の三宅茂樹議員(世田谷区選出)と、不記載額132万円の鈴木章浩議員(大田区選出)のポスターだ。
自民党の現職都議では最多となる当選7回の三宅議員は、21年から23年まで都議会議長を務めた経験を持つ。裏金問題をめぐる1月23日の会見では、収支報告書の不記載について「いつから始まったかは定かではない」と経緯を明らかにしなかった。
一方の鈴木議員も当選5回とベテランだが、14年に都議会で質問していた塩村文夏議員(当時)に「早く結婚したほうがいい」などとセクハラ野次を飛ばしたことで謝罪に追い込まれ、都議会自民党を離脱。翌年復帰した。19年の政治資金パーティー開催時には同党幹事長だった。