
非公認処分後もポスターを貼り続けている理由
三宅議員のポスターには〈東京を守る責任 TOKYO自民党〉、鈴木議員のポスターには〈ゆるぎない信念で 東京の未来をひらく! 自民党〉と、ポスターの3分の1ほどのスペースを使って記載されていた。また、どちらも別の自民党政治家と並んだ「2連ポスター」で、三宅議員は朝日健太郎参議院議員、鈴木議員は衆議院第26選挙区支部長の今岡植氏の氏名と写真を載せていた。
なぜ非公認の処分が下った後も、このようなポスターを貼り続けているのか。両議員の事務所に取材を申し込むと、鈴木議員の事務所からは回答がなかったが、三宅議員の事務所関係者はこう応じた。
「今年1月から貼りっぱなしになっていて、三宅議員からはがすようにという指示は受けていません。選挙運動用のものではなく、あくまで演説会の告知のためのポスターなので、都議選の告示日である6月13日までは掲示していても問題ないという認識です」
たしかに三宅議員のポスターをよく見ると、左下に小さな文字で〈演説会 令和7年7月20日(日)三軒茶屋駅頭〉と書かれていた。鈴木議員のポスターは、〈演説会 日時:令和7年8月3日(日)14時~ 場所:蒲田駅西口〉とあり、両者とも6月22日投開票の都議選後も自民党議員を続けていることが前提のようにも見える。
公職選挙法は、選挙運動用のポスターは公示・告示日から投票日前日までの期間しか掲示できないと定めている。一方、特定の個人が目立たない仕様の「政党などの政治活動用ポスター」は、公示・告示日までであればいつでも掲示してよい。そのため、政党名やほかの議員の氏名・写真を大きく載せ、数カ月や数年先の演説会の“予定”を添えた2連ポスターを選挙期間に入るまで貼りっぱなしにしておく手法が、国政選挙をふくめ全国的に常態化している。