「味の素KK プロテインみそ汁」は、味の素の公式通販サイトで販売中。公式レシピサイトでアレンジメニューを掲載(味の素提供)
この記事の写真をすべて見る

 ジムで筋トレした後に腰に手を当ててゴクゴク——。甘いのが当たり前だったプロテインにみそ汁やコーンスープなど甘くない商品が登場している。食事と一緒に摂れるのが魅力だ。

【写真】コーンの味がしっかり「甘くないプロテイン」のスープはこちら

*  *  *

「味も香りもラーメン」

 SNSでこのような書き込みが飛び交ったのは「バキ童プロテイン 豚ラーメンマシマシ風味」だ。スポーツニッポン新聞社と芸能事務所「タイタン」の共同開発という異色のコラボで、公式オンラインストアでは一時、売り切れとなった。

 プロテインといえば、チョコレート味やストロベリー味といった甘いシェイクが常識。筋トレの後に飲む人が増えており、プロテインなどのたんぱく補給食品市場は過去10年で3倍以上に伸びしている。たくさんの新商品が相次ぐプロテイン戦国時代に、ラーメンのような食事系のプロテインが続々と参戦している。

 2023年に甘くないプロテイン市場に参入した「味の素」。「味の素KK プロテインスープ」コーンクリームは、約2年間で販売数14万個を突破した。今年3月には第2弾となる「味の素KK プロテインみそ汁」を出した。摂取できるたんぱく質は、1食20グラムと一般的なプロテインと同水準だ。

 記者もオンラインショップでコーンクリームとみそ汁を購入してみた。お湯を注いで溶かしてみると、予想外に自然な香りだった。コーンクリームはトウモロコシの甘い香り、みそ汁はカツオの香ばしさが広がった。いつも飲んでいるスープの香りで、これがプロテインとは思えない。

 溶けやすさも意外だった。感覚としては、スプーンで7回ほどかき回すと、粉っぽさは消えて、均一なスープになっていった。ダマも一切ない。

 なぜ甘くないプロテインが生まれたのか。

 味の素の開発マーケティンググループの河野みなみさん(28)は言う。

「『甘いものが飲みづらい』『おなかが冷える』といった理由で、プロテインを飲めないという悩みの解決策として、甘くなくて、温かいプロテインを開発しました」

 しかも、プロテインといえば運動の直後に流し込むように飲むイメージがあるが、甘くないなら食事として取り入れられる強みがある。厚生労働省などのデータによると、1日あたりのたんぱく質摂取量は1995年が81.5グラムだったが、いまは50~60年代と同程度の水準で約70グラムだ。食事にプロテインをプラスすることで、日常で不足するたんぱく質を補うことができる。

次のページ 粉っぽさをなくして食べやすく