ヤクルトの元ヘッドコーチで評論家の宮本慎也氏

「チームを作り直すなら宮本氏が適任」

 内部昇格の場合は嶋基宏ヘッドコーチ、池山隆寛2軍監督が有力候補になる。ほかには昨季限りで現役引退した青木宣親氏(ヤクルトGM特別補佐)が、将来の監督候補と見られている。だが、青木氏にコーチなどの指導歴がないため、在京球団の元編成担当は「このタイミングで青木が監督に就任することは考えづらい」と否定的な見方を示す。

「ヤクルトの歴代監督を見ると、コーチ経験が豊富な生え抜きを登用するケースが目立ちます。青木はコーチで入閣して指導者として勉強してから監督に就任するのが自然な流れでしょう」

 ヤクルトでは村上宗隆が今オフにポスティング・システムによるメジャー挑戦が有力視され、チームの主力として活躍した山田、中村悠平にも頼れない状況がある。いまは若手を育成し、長期的ビジョンでチームを土台から構築し直す必要がある時期だろう。そのためには、もっと経験豊かな指導者が求められる状況ともいえる。

 ヤクルトファンからは元監督の古田敦也氏、元ヘッドコーチの宮本慎也氏の復帰を望む声が根強い。特にチームの体質を変えるという意味では、宮本氏の厳しさが必要かもしれない。宮本氏は18年に小川淳司監督のもとでヘッドコーチに就任し、次期監督の有力候補と目されていたが、最下位に沈んだ19年オフに、成績不振の責任を取り小川監督とともに辞任している。

 球団OBは「宮本さんは厳しさが強調されますが、評論家生活を経て雰囲気が柔らかくなりました。コーチ経験で学んだことも多いでしょう。選手とも積極的にコミュニケーションを取りますし、チームの土台から作り直すという視点では適任だと思います」と評価する。

 ほかにもリーグ優勝も果たした監督経験者の名前が挙がる。

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