J3から昇格してきた今治が序盤戦サプライズの4位!
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 J1リーグと時同じくして2月15日に開幕した今季のJ2リーグは、ゴールデンウィーク最終日の5月6日に第14節が行われた。予想の付かない昇格争いが展開されるのが常である“魔境J2”だが、今季は例年以上に戦前の予想、前評判とは大きく異なる順位表が出来上がっている。

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 現在、勝点32(10勝2分け2敗)で首位に立っているのは、ジェフユナイテッド千葉だ。J発足オリジナル10の一員であり、オシム監督のもとでナビスコ杯(現ルヴァン杯)を連覇(2005、06年)したクラブだが、それも今や昔、2010年からJ2連続16シーズン目で完全に“J2沼”にハマっている。

 だが今季は、開幕11試合を10勝1敗、26得点(1試合平均2.4得点)という未だかつてないロケットスタートを決めた。昨季7位でプレーオフ進出を逃したチームからJ2得点王に輝いた小森飛絢が抜けたことでの戦力ダウンが懸念されていたが、代わりに加わった石川大地がすでに6得点、開幕直前に加わった前清水のカルリーニョス・ジュニオも5得点を挙げ、ベテラン・鈴木大輔を中心とした守備陣も統制が取れたディフェンスを披露している。

 ただ、第12節の本戦(0-0)、第13節の鳥栖戦(1-1)とドローが続き、第14節では大宮に今季2敗目(1-2)を喫した。その試合後、就任3年目の小林慶行監督は5万人近く観客が詰めかけた国立競技場での選手たちの気迫あふれる戦いぶりに「選手のパフォーマンスは本当に素晴らしかった」と称えたが、勢いが一旦はストップした形となったのは間違いない。指揮官の「大事なのは次」との言葉通り、まだ首位にいる状況ではあるが、今季最初の正念場が訪れたと言える。

 その千葉を追い上げて勝点28(8勝4分け2敗)の2位に付けているのが、ベガルタ仙台だ。こちらは開幕6試合を終えた段階では2勝2分け2敗だったが、第7節から第14節まで8戦無敗(6勝2分け)で一気に順位を上げてきた。千葉と同じくオフにエース(昨季13得点を挙げた中島元彦)が退団したのだが、新加入の荒木駿太が豊富な運動量を武器にチームにフィットし、中盤では武田英寿、最終ラインでは井上詩音が存在感を発揮。就任2年目の森山佳郎監督のもと、既存の選手たちも昨季6位からJ1昇格プレーオフ決勝で惜しくも敗れた悔しさを胸に一体となっており、GWの大型連休での連戦をうまくチームの浮上に繋げた。千葉も仙台も、序盤の好発進でJ1昇格への「機運」が高まったことは今後へ大きなプラス。中盤戦以降も昇格争いの中心になっていくことは間違いない。

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